鉢伏山は積雪時に牛伏寺から登っている。無雪期ならば鉢伏山直下まで林道が通じている。ところが、この林道は道幅が狭く、なかなか行く気にはなれなかった。しかしながら平日なら対向車も少なく、軽自動車ならすれ違いも楽に行けるだろう。 7月18日(木) 崖の湯からの林道は確かに狭く、対向車とのすれ違いは緊張するだろう。それに林道には折れた枝が散乱しているところや、路肩にブルーシートがかけられている場所もある。それでも崖の湯から15分ほどで高ボッチからの林道に接続する。この接続場所は広大な更地となっており、なにかのイベントで使えそうだ。ここからは高ボッチ方面には行かずに反対側の方向に進んでいく。この林道も積雪時に高ボッチから歩いたことがあるので、それなりの土地勘はある。 鉢伏山荘前の駐車場は一台の車もなくひっそりとしていた。まずは管理棟に出向いて駐車料金500円、入山料300円を払う。初老の男性が対応したが、領収証の発行もなく謎に包まれた料金設定ともいえる。 車に戻り急いで支度を整える。実は予定していた出発時刻を大幅に超過ししてしまっていたのでチョット焦っていたこともある。 標識はしっかりしているのでまずは鉢伏山に向かって歩き出す。道は広く車道のようでもある。どこかに二ツ山に向かう分岐があるはずなのだが、見逃がしてしまって鉢伏山の三角点まで来てしまった。とりあえずは展望を楽しむとする。なんといっても北アルプスの穂高から槍ヶ岳に至る山並みが目にはいる。そのつらなりの先に特徴的な鹿島槍、五龍、白馬がくっきりと見えている。これだけ見ても今日の山行は満足というものだ。 鉢伏山から分岐を探しながら戻ることにする。分岐は見つかったが、肝心の標識は見当たらない。二ツ山はあまりメジャーではないから仕方ないと思った。標識はなくとも立派なトレイルが続いているので間違いは無いだろう。とりあえずYAMAPの地図を確認してから歩き始める。 それにしてもなんと美しいトレイルなのだろう。笹原の中にくっきりとトレイルが刻まれており、これが素晴らしい風景となっていた。トレイルが青空の中にずっと延びているようにも見える。 一旦鞍部に降りると、富士山が青空の中にさらに青く浮かんでいるのが見えた。情報では今日が梅雨明けということで、今までの雨が大気を清浄にしてくれたからこの風景となったのだろう。 鞍部からゆっくりと登ると前二ツ山に到着だ。ここからは遮るものがない大展望が広がっていた。すぐ隣にある美ヶ原の台地が大きく見える。またこれから向かう二ツ山の先には八ヶ岳が遠望できる。このまま此処に留まってのんびりしたい誘惑に駆られる。 前二ツ山からわずかに歩くと横川山への分岐となるが、ここは帰路に立ち寄ることにする。
前二ツ山を過ぎると笹原の中の道は斜面を下降する。もったいないほど標高を下げてしまうので、帰りがきついなあと感じた。 鞍部からはひたすら登ることになるが、それほどきつい感じはしない。むしろ風景を楽しみながらのんびりと歩くという感じだ。 やがて道は二ツ山の頂上に近づくと平らとなりどんどん距離を延ばすことができ、そして標識にたどり着く。美ヶ原ロングトレイルはこのまま続くが、二ツ山の山頂(三角点)はここから外れて0.2kmの地点にあるということだ。
二ツ山の立ち木は不思議なことに枯れていて、針の山のようになっている。厳しい環境がこうさせているのか不明だ。山頂三角点は笹に埋もれていたがすぐに見つけることができた。展望はやはり富士山ということだろう。ちょっと雲が掛かり始めたが充分に見ごたえのある富士山が見えていた。
二ツ山山頂で休憩をしてから往路を戻ることにする。 途中で横川山に立ち寄った。横川山は岡谷市の「横川山大界廻り(おおざかいまわり)」と称した水源林造成事業が行われているらしい。今年は6月7日に行われたことを記した杭が打ち込まれていた。 山頂を確認し鉢伏山荘の道に戻った。
鉢伏山荘の駐車場に戻り、菓子パンを食べて昼食休憩。 時間も早いので近くにある宮入山に行ってみることにした(これは間違った選択となった) まずは前鉢伏山に向かって進んでいく。はじめは車道のような道をたどり、途中から山道に入るが、ほとんど水平で何の苦労もなく前鉢伏山に到着してしまった。やはり午後になると雲が多くなり周囲の山々は午前中のようには見えなかった。 前鉢伏山から一歩踏み出して、二ツ山へのトレイルとは全く違うと感じた。それは、道は笹藪で消えてしまって、分からなくなってしまった。なんとかその先に行くと今度は急傾斜の下降となり、なんとロープまで設置してあった。それも2箇所であるので、帰りにここを登らなくてはならないと考えるとうんざりとした。いっそここで引き返そうかと真剣に考えるまで追い込まれてしまった。 それでも急傾斜の道が無くなると道はなだらかになりもう少し歩いてみようかと考える余裕が出てきた。1637mの標高点を過ぎるとシダ類がおおくなりちょっと不気味な雰囲気となってきた。 たどり着いた宮入山山頂は展望もなく、わざわざここに来る必要なんて全くなかったと思った。 さらに追い打ちをかける事が起こった。 帰路に苦しみながら登っていると、単独行の登山者が下ってきた。聞けば宮入山のすぐ下まで林道が通じており、わずかな距離で宮入山の山頂につけるという。その登山者は鉢伏山荘の駐車料金を払うのがもったいないので、鉢伏山に登るときは宮入山経由で登っているという。ピークハントとすれば実に効率の悪い歩き方をしたものだった。
**二ツ山** 鉢伏山荘08:33--(.19)--08:52鉢伏山--(.44)--09:36前二ツ山09:38--(.33)--10:11二ツ山10:33--(.27)--11:00分岐--(.04)--11:04横川山--(.05)--11:09分岐−−(.02)--11:12前二ツ山--(.51)--12:03鉢伏山荘 **宮入山** 鉢伏山荘12:26--(.12)--12:38前鉢伏山12:41--(.21)--13:02 1637m標高点--(.31)--13:33宮入山13:44--(1.15)--14:59前鉢伏山--(.14)--15:13鉢伏山荘 群馬山岳移動通信/2024 |
この地図の作製に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50メッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平16総使、第652号) |