1ヶ月経過したが右肘の腫れは相変わらず引かない。整形外科をいくつかハシゴしても明確な治療をしてもらえない。いったいどうなっているのだろう。行きつけの内科で痛み止めを処方してもらい毎日服用している状況だ。その内科で、「腕は痛いけど足が大丈夫なんだから歩かなきゃ」と言われてしまった。それはそうなんだけど、ストックで地面を突くと激痛が走るし、もし転倒して肘を打つようなことがあれば、それこそ悶絶するに違いない。 10月10日(土) ストックを使わない、岩登りがない、藪こぎがない、歩いて登れる山。そんな山を物色して野反湖周辺の山を歩くことにした。右肘をテーピングとサポーターで固定して歩き出す。野反湖の周囲は紅葉が進み、ダケカンバはすでに落葉している。天候は青空が見られ雨の心配はなさそうだ。笹原の中に造られた道を登っていく。前方を行く二人の他に登山者は見られない。今日は静かな山行が楽しめそうだ。 そんなことを考えていたら、頭上をヘリコプターが何度も往復している。遭難者の捜索ではなく、観光目的の飛行と思われる。それにしてもうるさく静かな山行とは言い難い。
八間山からの尾根道は稜線に沿って幅の広い道が笹原の中に続いている。笹は刈りはらわれて定期的に整備がされている証拠だ。わずかなアップダウンはあるが高低差の少ない快適な道となっている。黒渋ノ頭を過ぎると、刈りはらわれた笹はまだ青々としており最近整備がされたらしい。しかし、この笹の上を歩くと滑るのが難点だ。こんなところで尻餅をついて肘を当てたら大変なので慎重に足場を確保しながら歩くことにした。 中尾根ノ頭は登山道の一部で、顕著なピークではなかった。目の前には白砂山がなだらかな山容で大きく見えている。朝方は青空が見えていたが、今はすっかり雲が厚くなり、遠方の山は同定が難しいほどだ。予定ではこの中尾根ノ頭で引き返そうとしていた。しかし、目の前の堂岩山が気になってきた。あそこの分岐まで行けば、この辺のルートをつなげることが出来るので、もう少し歩いてみることにする。 快適な登りを楽しみながら歩くとすぐに堂岩山からの道と合流した。懐かしい風景なのでしばらくここで景色を楽しむことにした。台風で遭難しかかって濁流の沢を渡渉したとき、この八間山経由の道を選択していたら、危ない目に合わずに済んだに違いない。分岐から少し戻り、ザックを下ろして菓子パンをほおばる。ほどなく八間山で追い越した二人パーティーが追い抜いて行った。さて、戻ることにしよう。
八間山までに3人の単独行者とすれ違い、八間山では一人の女性登山者が座ってしきりにスマホを操作している。邪魔をしては申し訳ないので、標識を撮影して早々に歩き出した。 八間山からは、荷物を持たない観光客の様な人たちと多くすれ違った。雲は多いものの正午の太陽が紅葉をそれなりに鮮やかに見せている。 気持ちよく下っていくと、下から女性登山者が登ってきてすれ違った。そしてすれ違いざまに叱られた。 「登り優先なんですけど!!」 たしかに登り優先の暗黙のルールはあるが、ケースバイケース。 1.広い道では必要なし 2.下降する人が安全に退避する場所が無いときは仕方ない 3.登ってくる人があまりにも疲れていて、ペースが遅いとき 4.登ってくる人がグループで時間がかかるとき 5.登ってくる人が道を譲ってくれたとき 今度の場合は十分にすれ違う幅がある場所だったので、思わずムッとしてしまった。私などは登りの時に譲ってもらわないほうがありがたいし、後ろから来ればすぐに道を譲ってしまいます。 まして、こんな些細なことで、他の登山者に文句などは言いませんけどね 駐車場に戻り、ノンアルコールビールのつまみにマルちゃんの天ぷらそばを作って食べる。
さて、これから ザックを背負って再び立ち上がる。今度は「石ドヤ山」と言われるマイナーなピークだ。野反湖休憩舎の脇を抜けると、厨房の中から外に向かって何か怒鳴っている。なんだかよくわからぬが、おそらく自分のことではないと思われる。今日は叱られることがあったから、妙に敏感になっていることもある。
肘の治療に適当な温泉は無いかと探しながら帰る。すると以前から気になっていた「バーデ六合」と言うのが目に入った。「介護老人保健施設」何て名前もあり、なんとなく怪しげな雰囲気がある。山道を車で進むと、大きな建物が現れる。日帰り温泉の矢印に従って進んでいくと施設の外れに看板があり、効能はうちみ・ねんざも書いてある。車を止めて施設のわきの狭い通路を進んでいく。内部は暗く、受付に入ると男性が出てきて「風呂だけですか?」と聞かれるので、そうですと答えると料金表を指して「これだけいただきます」と言うので、料金400円を渡す。プールも併設されており、こちらは500円とのことだ。風呂の入り口に案内されて中に入ると狭い着替え場所があり、どこかの再利用と思われる、錆付いたロッカーがある。一応鍵がかかるようになっているので施錠して中に入る。誰も入っていないので、独占状態なのだが湯舟がそれほど大きくないので、私が沈むとそれなりにお湯があふれる。ともかく芒硝泉のお湯をしっかりと楽しみながら、お湯を楽しんだ。しかし、内部は手入れがされているのだが、外の景色は雑草が生い茂り、今にも廃業しそうな雰囲気がある。 さっぱりとして浴室から出ると、入館したときの男性が出てきた
野反湖駐車場07:16--(1.06)--08:22八間山--(.24)--08:46黒渋ノ頭--(.41)--09:27中尾根ノ頭--(.21)--09:48堂岩山分岐10:05--(1.32)--11:37八間山--(.43)--12:20駐車場(昼食)12:50--(.20)--13:10弁天山--(.05)--13:15分岐--(.35)--13:50石ドヤ山13:57--(.43)--14:40分岐--(.17)--14:57駐車場 群馬山岳移動通信/2015 |
この地図の作製に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50メッシュ(標高)を使用したものである。 (承認番号 平16総使、第652号) |