獅子岩を巡る山歩き「子持山」
登山日2022年11月19日


子持山から獅子岩と利根川を望む

柳木ヶ峰(やなぎきがみね)標高1190m 群馬県渋川市・沼田市/子持山(こもちやま)標高1296m 群馬県渋川市・沼田市/浅間山(せんげんやま)標高1088m 群馬県渋川市
子持山は林道経由で楽をして登ったことがある。しかし、有名な?獅子岩経由で登っていないのが気になっていた。
足の調子は相変わらずだが、短い時間なら痛み止めを飲んでなんとか歩くことも可能だ。

11月19日(土)
軽トラックで子持山登山口に向かう。自宅から1時間なのでそれほど負担にはならない。5号橋駐車場は上段と下段に分かれており、上段には10台以上、下段も10台程度は駐車できそうだ。すでに上段には3台が駐車していた。あまり接近して駐車したくないので、下段の一番下に駐車して準備を整えることにした。

この時期は寒さはさほど気にならない。むしろちょっと歩くと汗ばむほどだ。紅葉はすでに終了しているから、さほどの賑わいはないだろう。舗装された車道を歩くとすぐに6号橋でここにも駐車場がある。さらに歩くと7号橋にも駐車余地があり一台のワンボックスが止まっていた。今回は周回を考えているので5号橋に駐車するのが正解と言うことだ。すぐに子持神社の奥社を過ぎて太鼓橋を渡ると屏風岩だ。「役の行者像」があるというが結局はわからなかった。

すぐに道は二分し、左は屏風岩に登ったあとに獅子岩に行くコースだが、無理をしたくないので右の「一般コース」をたどることにする。杉林の中の沢を登っていくと、道は広葉樹林帯に変化していく。そうなると落葉した木々のためなのか、明るさが増してくる。今日は天気は良さそうで青空が見えている。おまけに風もないので気持ちの良い山行ができそうだ。


5号橋駐車場

7号橋登山口

子持神社奥社

屏風岩

左は屏風岩上部を経由する。右が一般コース。

一般コースは涸沢

上部に近づいてきた


尾根に登りあげると展望岩への標識があるので寄り道をしてみる。
細い尾根をたどると急に展望が開けてくる。振り返ると恐ろしいほどの迫力で、獅子岩が覆いかぶさるように屹立していた。はたしてあの頂まで登ることができるのだろうかと不安になってくる。この展望岩からは沼田市街地がよく見える。河岸段丘の上に立つ街並みの見事さは感動するしかない。冬は太陽の高度が低く南方面は眩しくて、なかなか思うように観察できないのが残念だ。

分岐に戻って獅子岩に登ることにする。
急傾斜の道を何度も立ち止まって息を整えながらたどると獅子岩を迂回する道が右に分岐する。ここまで来たら獅子岩に登らないで進む選択肢はない。道を分けて直登すると、さらにその先にも分岐があり、子持山に続く道を分けていた。獅子岩に登ったあとはここに戻り子持山に向かって進むことになる。

獅子岩の基部に到着する。
獅子岩はロッククライミングの場所ともなっているので、南に回り込むとリョウブの木の根元に捨て縄が残置されていた。ここは落石は厳禁だろう。基部からは一般向けにしっかりとした梯子があるので問題ない。はしごの次は鎖だがこれも問題なく昇ることができる。

獅子岩の上部に登ってみると、そこはかなり広く問題なく動き回ることができる。榛名山魂は間近に見えて、赤城山は朝日が昇る方向なのでちょっと眩しい。目指す子持山はまだまだ先に見えている。紅葉のシーズンは過ぎているので残念だが、ここからの展望は素晴らしく、子持山は獅子岩があるから魅力がある山となっているにちがいない。


展望岩に寄り道

展望岩から獅子岩

展望岩から

獅子岩の上部

はしごを登る

次は鎖

獅子岩上部の石碑

獅子岩の影

獅子岩から子持山を見る


獅子岩を辞して子持山に向かうことにする。
ここで入れ違いに3人のパーティーとすれ違った。さらにその先で単独行のトレラン姿の男性に追い越された。急登を登りながら振り返ると獅子岩の姿が美しい。自然の造形は人間には到底及びもつかない芸術的なセンスがある。

柳木ヶ峰は小さな石祠があり、すかいさん手製の標識が設置されていたが、かなり痛みが激しくなっていた。ここから子持山までは迷うことのない一本道だ。途中にロープの設置した岩場があるが、これも問題ないレベルだが、団体での通過やすれ違いには時間がかかるかもしれない。

子持山山頂は木が刈り払われた赤城山方面は展望がよく眼下の利根川は朝日を反射して光っていた。山頂には誰も居ないことから動き回る場所に苦労はなかったが、やがて獅子岩ですれ違った3人がやってきたので山頂から離れた場所に座ることにした。そのうちにも単独行の女性も到着して山頂は一気に賑やかになった。菓子パンを一つ食べてから腰を上げた。


獅子岩を振り返る。後方は榛名山塊

獅子岩の基部には捨て縄がある


柳木ヶ峰

子持山

谷川連峰



柳木ヶ峰から右に折れて浅間山方面に向かう。途中に「事故発生 下山注意」の張り紙がある。たしかに事故が起きてもおかしくないほどの急傾斜の道だ。足が痛くなければ一気に駆け抜けたいところだが、ゆっくりと歩くしかない。

鞍部のオオタルミで道を分けてさらに進んでいくと「牛十二」と呼ばれる場所に到着した。名前の由来は全くわからぬが、埴輪の顔のような石祠がおいてあった。

道はなおも明瞭に続いており順調に歩いていくと浅間山の手前で賑やかな話し声が聞こえてきた。そして浅間山に到着すると10名ほどの団体が占拠していた。なんと小学校低学年のこどもの姿も見える。今考えてみると、どこから登ってきたんだろう?とおもってしまう。その団体はいま自分が歩いてきた道を進んでいった。いずれにしても健脚としか言いようがない。時刻はまだ11時、あとは下るだけなので、ここで大休止とする。お湯を沸かしカップラーメンを食べていると、子持山山頂で見かけた単独行の女性が通り過ぎていった。そのあとに続いてやはり単独行の女性が通過していった。いずれも健脚で70歳の老人の足では真似のできないことだ。


下山時の事故があるらしい

急傾斜

牛十二

浅間山から見る獅子岩

ドーム状の岩

名残の紅葉

ここから見るとまた違って見える

駐車場に到着


浅間山からの下降も生易しいものではなく、急傾斜に足首追従できずに悲鳴を上げるほどだ。
それでも名残の紅葉を見てひのきの植林地に入ると傾斜もゆるくなり駐車場まではわずかだった。
意外と楽しめた子持山、いろいろなルートが有るようなので、いずれ再訪したいと思った。

子持神社に寄り道をする


子持神社の鳥居

子持神社

子持神社の紅葉




「記録」
5号橋駐車場06:49--(.14)--07:03 7号橋--(.06)--07:09屏風岩--(.45)--07:54展望岩分岐--(.02)--07:56岩峰08:02--(.15)--08:17獅子岩08:43--(.33)--09:16柳木ヶ峰--(.14)--09:30子持山10:01--(.10)--10:11柳木ヶ峰--(.19)--10:30大タルミ--(.33)--11:03浅間山11:44--(.57)--12:41駐車場


群馬山岳移動通信/2022


この地図の作製に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50メッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平16総使、第652号)