新緑の山 「子持山」
登山日1993年6月5日


子持山(こもちやま)標高1296m 群馬県沼田市・群馬県北群馬郡
山頂からの展望
 車道が山頂にどのくらい近くまで続いているかもひとつの重要な要素だ。したがって道路地図を見ながらの場所決めとなることもある。

 そんなわけで今回は子持山と決めた。地図を見ると山頂付近は、かなり町村界が入り乱れており、子持村、小野上村、高山村、沼田市の1市4村が入っている。今回選んだのは、高山村にある国民宿舎「わらび荘」付近から登るものである。

 6月5日(土)

 天候は曇り、朝9時30分に愛用の50CCスクーターで出発する。
なにしろせっかくの休日、ゆっくりと寝てゆっくりと出発が原則である。(結局の所ものぐさなのであるが)
 
 「榛名東麓広域農道」を通って子持村に入り、「渋川新治線」にはいる。やたらとゴルフ場の看板が目にはいる。ゴルフが出来ない私には、なんとも無駄な土地利用だと思う。次第に右手に子持山が見えてきた。新緑の頃は過ぎたが、若々しい木々の緑が山全体を覆っており実に気持ちの良さそうな山である。

 高山村の看板を過ぎてしばらくすると「旧三国街道 中山峠 標高720m」の標識が右手に見える。ここからそのまま右手の山道に入る。道は途中までほんのわずか舗装になっているが残りは砂利道となっている。道幅は狭く車一台が通れる程度で、すれ違いはかなり厳しそうである。

 5分ばかり走るとゲートがあり、しっかりと閉じられている。おまけに鍵もかかっている。看板は「保安帽の無い者の立ち入りを禁ずる」と書いてある。思わず顔がほころんでしまった。私はもちろんヘルメットをかぶっているからだ。それにゲートの横にはスクーターが通れるだけのスペースが開いているのだ。もちろん私はそのままゲートを抜けて山頂をめざした。

 砂利道だがカーブはコンクリート舗装がしてあり走りにくい程ではない。快調に登っていく。途中登山者に出会った。親子らしい2人の美しい女性である。なにか楽をして登っている自分に若干の後ろめたさがある為、会釈をしてそのまま走り去った。

 やがて電波塔(この車道は電波塔の保守に使っているものらしい)が近くなり、若干左手が開けたところに着いた。ここが今回の私の登山口となる。登山口にスクーターを置きザックを担いで歩き出す。

 登山道はかなり歩き易く心地よく高度が上がっていく。なにか若いときに歩いた道を歩いているような不思議な感じのする道である。約20分で稜線に着き左に曲がり山頂をめざす。稜線はかなり花が多く、「フジ」「レンゲツツジ」「ナルコユリ」「イチリンソウ」「キンポーゲ科の花」が登山道の脇にあり、かなり見応えがある。

 歩き始めて30分足らずで山頂に着く事が出来た。山頂には3人の先客がいた。あいさつを交わしてから山頂からの眺めを楽しんだ。展望は東側の方角が開けているだけで他は、木々に覆われてあまり見る事は出来ない。しかし開けている東側は赤城山の勇姿はもちろんその下に広がる昭和村の整然と区画された農地が実に見事である。そして、関越自動車道の赤い橋がなにか不似合いな感じで見えていた。さらに山頂を移動すると上州武尊山の一部が見え、山頂はまだ雪が残っている。

 山頂で昼食をとり、しばらくの間ゴロゴロして無線機を聞いたり地図を見たり1時間ほどしたところで、途中で出合った二人の女性が山頂に着いた。聞くところによると「わらび荘」に泊まってそこから歩いて来たのだそうです。時間は3時間程度かかったとの事である。

 山頂で休む人の邪魔をしてはいけないので、山頂から離れたところで無線機のセットを行った。

 まず1200MHzでCQを2回出したが応答無し。あきらめた。

 次に430MHzでCQを出そうとしたが空き周波数が見つからない。ほとんどがトラックドライバーの連絡用となっているらしい。それでも何とか周波数を見つけてCQを出した。430MHzでCQを出すのは約1年ぶり(2年ぶりかもしれない)若干の緊張がある。やはり予想通りパイルとなった。なんとか7局ほどQSOした後トラックの連絡用のQRMがひどくなり切り上げた。

 早々に切り上げて山頂を後にした。山頂からスクーターまでは15分程要した。やはり下りは登りよりも早い。(あたりまえかな)

 子持山は何となく懐かしさのある温かみのある山のように感じた。新緑だけでなく他の季節(特に紅葉の季節)もぜひ来てみたいと思った。



                          群馬山岳移動通信/1993/