とても寒かった西上州「荒船山(相沢登山口から)」
登山日2022年12月18日


荒船山頂上台地の樹林

荒船山(あらふねやま)標高1423m 群馬県甘楽郡・長野県佐久市・長野県南佐久郡
JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)と言う聞きなれない言葉を聞くようになってきた。要は日本海側が大雪に見舞われるということらしい。当初予定していた山もちょっと怪しくなってきたので、近隣の山を登ることにした。ここのところ県内の山が中心となっているが、「群馬山岳移動通信」のタイトルからすれば相応しいのかもしれない。過去の記録

12月18日(日)

新型コロナウイルスワクチンの5回目接種を一昨日受けたのだが、若干の発熱はあるものの何とか乗り切った。それにしても若干の不安があったから、近隣の山を選択したのはよかったかもしれない。行先は何度も登っている長野県境の荒船山だが、今回初めて相沢登山口から登ることにする。

自宅から1時間ほどで登山口に到着すると、堰堤工事が進んでいるようで工事関係のプレハブ小屋が建てられていた。しかし、今日は日曜日なので工事は行われないだろう。登山口を通り過ぎて車で進むと県外ナンバーの車が駐車していた。その奥に駐車して支度を始める。次第に周囲が明るくなってくると、あたりの様子がわかってくる。どうやら上空は風が強く、雪雲らしきものが寒々と沸き立っていた。

登山口からは杉林の中を黙々と歩くことになる。間伐で倒された杉の木は苔で覆いつくされて、長らく陽の光から離れているのだろう。道はよく整備され、あきらかに人の手が加わっているのがわかる。それどころか落ち葉も掃き清められているようにも見える。もし、個人の作業だとしたら並大抵なことではないだろう。登山口にあった熊注意の看板だが、熊棚が見られるところを見ると確かに彼らの生息域であることは間違いなかろう

やがて沢音も心地よい明るい広場に到着した。ここは集合場所として使われていたらしい標識が見られた。ここから左に向かえばアイスクライミングの「相沢大氷瀑群」に至る分岐でもある。ここには間伐材で作った素朴なオブジェがあり、ここから先もこのオブジェに癒されながら登ることになる。

中ノ宮は大きな岩の基部に朽ち果てそうなお宮があり今では管理する人もいないようであった。この付近から周囲に雪が見られるようになり、寒さも増してきたように感じる。その積雪も次第に増えてきて、登山道も雪で覆われるようになった。標高1000m付近になると杉林から落葉樹林となり、枝には雪がこびりついて一層寒くなってきた。


駐車余地は堰堤工事のプレハブ小屋があった

登山口

カタツムリのような?

おお!熊棚があるぞ

よく整備されている

目立つ標識

レトロな感じ

中ノ宮

標高1200m付近になると登山道が凍結した部分が出てきた。登りならスリップしても問題ないだろうとこのまま進むことにした。展望は相変わらず無いが、艫岩の垂直の岸壁が木の枝越しに黒々と見えている。そこから吹き付ける強風は体温を奪うのに充分すぎる強さだ。目出帽ですっぽりと顔を覆っても顔が痛くなるほどだ。

上部に近づくと階段が現れた。ステップにはすでに雪が積もり滑りやすい状態だ。下山の時は注意しないとスリップの危険性が高まるだろう。階段を昇り詰めると平坦な場所に到着、標識に従って進むと艫岩の展望台に到着した。すでに数名の登山者がいたが、あまりの強風と寒さで早々に引き上げて、近くになる小屋に逃げ込んだ。私もとてもではないがその場所に留まることはできないので小屋に逃げ込んだ。ここで菓子パンをほおばり、何とかエネルギー補給。このままでは天気の回復も望めないので、帰ろうかとも考えるようになった。しかし、このまま帰るのも癪なので経塚山までピストンすることにした。積雪もだいぶあるようなので、チェーンスパイクをここで装着する。


標高1000m雪が出てきた

艫岩が見える

艫岩は霧氷で覆われていた

最後の上り階段

相沢分岐(艫岩まで0.2K)

荒船山の山頂部分は平坦で公園のようでもある。空の様子はめまぐるしく変化し、青空が出たかと思えば雪雲の中に入ったように視界が閉ざされる。強風は木立の間を吹き抜け、木の枝は揺れてお互いにこすれて不気味な「ギィーッ」と言うような軋み音を立てていた。先行者の足跡も風と吹きこしの雪で消えてしまっていくほどだ。以前来たときは全く気が付かなかったが「皇朝最古修武之地」の碑も案内板ができていた。途中でキスリングを背負ってニッカーボッカーを履いたレトロな登山者がやってきた。聞けばこのスタイルで楽しんでいるということで、谷川岳に登った時はいろんな人に声をかけられたという。私も後姿を撮らせていただいた。平坦な道も終わりとなり、急登が始まるとチェーンアイゼンのありがたみをつくづく感じるようになった。これが本格的な冬の季節となったら、この斜面は本格的なアイゼンでなければ登れないだろう。


艫岩展望台から内山牧場

艫岩展望台

艫岩の小屋

キスリングにニッカーボッカー


皇朝最古修武之地

石碑


頂上台地の風景


経塚山の山頂は二等三角点と石祠、朽ち果てた木製標柱、国民体育大会記念の石柱が立っていた。登山者の姿はなく寒さが強調されていた。この場所は「経塚山」「行塚山」「京塚山」などと記されることもある。また、荒船山と言うのも山体全体を捉えており、明確な場所は特定されていない。しいて言うならば1356mの標高点を荒船山としている表記もある。ちなみに三角点の基準点名は「荒船山」である。結局のところ経塚山イコール荒船山と言っても問題なかろう。


最後の登り

経塚山山頂

荒船山はまさに航空母艦の山容だ


早々に経塚山を辞して帰路に就くことにする。
標高800m付近まで下降すると日差しが降り注ぐようになり人心地が付いた。ここでカップラーメンを作ってゆっくりとしてから登山口に戻った。


07:11登山口--(59)--08:10中ノ宮--(.31)--08:41尾根08:46--(.43)--09:24艫岩展望台09:39--(.34)--10:13経塚山10:30--(.25)--10:55艫岩11:08--(.27)--11:35中ノ宮11:46--(.16)--12:02休憩12:35--(.16)--12:51登山口


群馬山岳移動通信/2022


癒やしの動物たち
作家のアイデアに敬服です



この地図の作製に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50メッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平16総使、第652号)