新型コロナ禍の影響で山歩きも限定的なものとなってしまった。山行回数も激減し2か月以上も山から遠ざかってしまった。こうなるとあまりハードな山は登れそうにない。自宅から近くて、人に会わない山と言うと限られてくる。 9月12日(日) *八柱山* この時期は紅葉シーズンには早く人出が少ないのがいい。麦草峠に通じる通称メルヘン街道も早朝ということもありガラガラだった。八千穂高原自然園のマレットゴルフ駐車場に到着する。広い駐車場の脇にはトイレも併設されている。ここが起点となり大河原林道を辿ることになる。林道の入口は金属チェーンで封鎖され南京錠がかけてあった。入り口には「入山禁止 佐久穂町民以外の山菜採取を禁止します」と記してあったが、もとより山菜やキノコには興味がないから問題ないだろう。 林道はよく整備されており、最近つけられたと思われる車の轍もみられた。これならば自転車を持ってくればよかったと感じた。林道の周りはカラマツの林となっており、とても快適な場所であることは間違いない。ほどなく「池ノ平遺跡群(トリデロック遺跡)」の看板が見えてきた。やはり黒曜石の産地であるから、古代人はそれを求めて集まったのだろう。そんなことから黒曜石のかけらでもないからと路面を見ながら歩いたが、そう簡単に見つけられるはずもない。さらに進むと風穴の案内板があった。ここは帰りに寄り道してみることにする。 林道は「(株)吉本社有林」の分岐もあるが、迷うこともなく続いている。清流に架かる橋を渡り100mほどで八柱山に登る道が現れる。実質ここが登山口と言ってもよいだろう。最近刈り払いがされたのだろうか、実に快適な道が続いている。展望は無いが山を歩いている感じが久しぶりでうれしい。やがて尾根に登り上げても刈り払いの道は快適に続いている。道はアップダウンも少なくゆっくりと高度を上げていく。 八柱山の山頂はパラボラアンテナの鉄塔が建っており、赤く塗られた三角点がすぐそばにあった。パラボラアンテナは「宇宙科学研究所 深宇宙探査用大型アンテナ コリメーション施設」と書いてあり、なにかアニメの世界のようでもある。しかし、現在稼働しているのかは不明だ。 周囲は樹林に囲まれて展望は無かった。誰もいない山頂は至福の時間を過ごせるのだが、展望があってこその贅沢だ。展望が無いのは面白くないので、早々に山頂を辞することにした。 帰路は「風穴」に立ち寄ってみた。穴の中はヒカリゴケが目立っていたが、あまり長居をする場所ではなかった。 「記録」 八千穂高原自然園駐車場06:09--(.52)--07:01林道を離れる--(.21)--07:22稜線--(.47)--08:09八柱山山頂08:15--(.32)--08:47林道--(.11)--08:58風穴09:05--(.28)--09:33駐車場
*八ヶ岳剣ヶ峰* なんとも勇ましい山名がついているが険しい感じは全くない。麦草峠の白駒の池手前の駐車余地から歩き始める。林道の入口にはゲートがあり南京錠で施錠されている。この林道は白駒の池に通じる道にもなっており、遊歩道が途中から分岐していた。さらに林道を歩くとすぐに右に入る山道が現れる。これを辿ると剣ヶ峰の説明看板と標識があるのでその方向にちょっと登ると山頂となった。山頂は細長く、ケルンが積んであり、西方面の展望が開けていた。15分ほど展望を楽しんでから山頂を辞した。 「記録」 駐車余地09:52--(.08)--10:00剣ヶ峰10:15--(.04)--10:19駐車余地
*鍋鎗山* 北八ヶ岳の東面にあってポツンと山名が記載されている。ネットで記録を検索してもよほどのもの好きしか登っていないようである。しかしながら、その山名にはなにか惹かれるものがある。事前にグーグルマップで調べると登山口までのアクセス道路は狭そうである。まして生活道路に入り込むには勇気がいるというものだ。そこで集落の手前の駐車余地を見つけておいた。幸いにも先客はいなかったが、ツリフネソウが生い茂っておりその場所はかなり狭くなっていた。 とりあえずここから歩き始めることにする。集落の手前には「区有林につき許可なく入山すると罰せられます 上区長」とある。しかしながら、どこが区有林なのか確認するすべはない。すれ違いが出来ないほどの道を登ると、携帯電話の基地局があり、その周りは野菜畑になっている。収穫が終わった野菜畑は銀マルチが薄日を受けて光っていた。集落に近づくとラジオの音が流されており、シルバーマークの付いた軽自動車が停まっていた。しかし、人の気配は感じられなかった。さらに進むと舗装路は終わり、雑草の生えた農道となる。車の往来はあるらしく真新しい轍が溝となって続いている。 車道はやがて分岐し、山側に細い道が延びており、そちらの道を辿ることにする。その道の手前には開けた場所があり、他県ナンバーのジムニーが駐車してあった。籠が積んであるところを見ると、キノコ採りにでも入ったのだろう。普通車でもここまでなら乗り入れることが可能だ。しかし、ここまで入ってくる度胸は私には無い。分岐した細い道を辿っていくと、開けた場所に出る。かつては畑あるいは放牧地だったのだろう。さらに進むと廃屋に到着するが、何か生活臭を感じる。利用している人がいるのかもしれない。あるいは電灯線が引き込まれているところを見ると、最近までだれかが生活していたのかもしれない。 廃屋を過ぎたところで、行き詰ってしまった。道は無くなり一面がカヤの原となっていた。一瞬、これは引き返そうかと思うくらいだった。しかし、地形図を見れば破線が通じていることは間違いない。ここまでくれば引き返すことはできない。仕方なくカヤの中を突き進むことにした。カヤの原はすぐに終わったが、今度は倒木とブッシュの中を歩くことになった。それにしても踏み跡が見当たらないというのも珍しい。とりあえず稜線まで我慢して登って行く。 稜線にたどり着くと明瞭な道が現れる。この道を辿ればもっと楽に来ることが出来たのかもしれない。稜線の道は平坦で歩きやすく快適だが周囲の展望は全くない。見ればアカマツが多くみられるのでひょっとすると、お宝が見つかるのかもしれない。稜線を10分ほど歩くと高圧送電鉄塔にたどり着く。本来はここを突っ切って進めるのだろうが、ススキの原となっていてとても進める状態ではない。しかたなく鉄塔の敷地の縁を歩くことにした。ここならば樹林内なので下草が無いからだ。鉄塔を回り込むと、下方から延びてきた鉄塔巡視路と思われる道と合流する。この道も地形図に表記されていないので起点は不明だ。 鉄塔からも平坦な地形が続き、踏み跡も明瞭に続いている。しかし、目指す鍋鎗山はこの踏み跡を離れて高みを目指す必要がある。踏み跡を離れてわずかに歩くと、頭部が赤く塗られた二等三角点が見つかった。さらにその先には教会見出し標の杭があった。展望は無く山頂という雰囲気は感じられない。まして鍋鎗山の山名につながるものは思い浮かばなかった。 帰路は稜線の道をさらに進み適当なところから廃屋を目指した。こちらは藪が無くて快適に下降することが出来た。集落を過ぎて駐車地点を目指して歩くと、高齢の男性が斜面の草刈り作業を行っていた。軽く会釈を交わして駐車地点に戻った。 「記録」 駐車地点11:16--(.19)--11:35廃屋--(.27)--12:02稜線--(.10)--12:12送電鉄塔--(.10)--12:22鍋鎗山山頂12:33--(.15)--12:48稜線を離れる--(.08)--12:56廃屋--(.13)--13:09駐車地点
群馬山岳移動通信/2021 |
この地図の作製に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50メッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平16総使、第652号) |