1月22日(日) かつて万場町と呼ばれていた場所は神流町と名前が変わった。その万場町の中心地から御荷鉾高原荘に向かう道がある。この道を辿り600m程度で左に大きく曲がる道が分岐する。さらに700mほど細い道を進んだところで山に向かって未舗装の林道が延びている。林道入り口には桐ノ城山と書いてあった。さあ、ここでゆっくりと昼食でも摂り、お湯をポットに入れて出発しようとしたのだが、その入り口に車を止めてパンの袋を抱えた中年の男女がいる。まさにここで寛ごうとしたのに迷惑な奴がやってきたという感じだ。そのうちに男性が近づいてきて「この林道は車で先に行けるから行ったらどうですか」と言ってきた。確かに軽トラックなら何の問題もなさそうだ。どうも迷惑そうなのでその助言に従って林道を進んでみることにした。ところがすぐに林道上に車が止まっているので秋に進めないことが判明。バックして先ほどの入り口に戻った。こうなれば仕方ない、急いで支度をして歩き始めよう。ゆっくりとしようという目論見は消えてしまった。 林道は確かに荒れた様子は無く、充分に車で走行できる状態だ。なんとなく損をした感じを受けながら林道を辿るしかなかった。林道を20分ほど歩いたところで、林道から離れて桐ノ城山に至る登山口の標識があった。この付近にも駐車余地があるので、この林道歩きは悔いが残るものとなった。このルートは「神流マウンテン&ウオーク」のコースとなっており、官民一体となって整備しているらしい。このルートは若御子尾根コースと言われ「若御子山−石尊山−桐ノ城山−御荷鉾スーパー林道」に至るものだ。 歩きはじめるとそのコース整備に圧倒される。トラロープが張り巡らされ、名前の入った赤色テープがこれでもかというほど取り付けられている。思わずここまでやるかと唸ってしまった。確かにトレランはスピードを競うものだからルートを検討する時間などないだろう。それだけに主催者としては事故防止のために万全を期すための処置なのだろう。 安心していたら、いきなりの急登で顎が出ることになった。トレランの人たちはここを走って登るのだろうか?この意味でも登山とトレランは別物なのだろう。杉の植林地に入ると、杉よりも孟宗竹の緑が目立つようになる。杉と孟宗竹の生存競争がここで繰り広げられている。この付近はスギとヒノキの植林地が多いことで登山道からの展望はほとんどない。また植林地を過ぎても灌木が目障りで展望は無い。それでも叶山の石灰石採掘が進み、山腹付近まで平らになっていることに驚かされる。 上部に進むにしたがって雪が多くなってきたが、歩くのに支障があるほどではない。それよりも風が強くウインドヤッケを着込むことになってしまった。この時期でも汗っかきの私の下着はすでに汗で濡れているので寒風は致命的だ。登山口から歩き始めて40分で若御子山南峰に到着した。意外と平坦な場所で落ち着ける。山頂部分の木が伐採されている西御荷鉾山が間近に見える。 南峰からさらに進んで北峰に向かう。道は若干荒れてきて、例の赤テープも少なくなってきた感じがする。しかし整備は良くされており至れり尽くせりだ。15分ほどで北峰に到着。相変わらず展望は無く面白みがないことは確かだ。ただし南峰よりも10mほど標高は高い。
次は石尊山だが、北峰から大きく下って再び登らなくてはならない。ストックを頼りに慎重に鞍部に向かう。やはりスパイク長靴は頼りになると感じる瞬間だ。北峰から約30分で石尊山の分岐に到着。この分岐からちょっと登ると山頂だった。ここも展望は無く座り込むこともできないほど狭い。記念写真を撮って早々に分岐に引き返す。ここは風もなく落ち葉の中に座り込んで遅い昼食とする。昼食といってもハムカツパンと大福もち、冷たい麦茶という質素なものだ。インスタントラーメンもあったらいいなと思ったが、この強風と枯れ落ち葉の中ではリスクが大きすぎる。持ってこなくてよかったと実感した。 帰りは往路を忠実に戻ったが、林道はショートカットで適当に杉林の中を下った。車に到着し着替えてからひなたぼっこでラーメンとお汁粉を作って食べた。眼下の万場町の斜面に広がる畑を見ながらやっと落ち着くことが出来た。
林道入り口11:03--(.21)--11:24登山口--(.46)--12:10若御子山(南峰)--(.12)--12:22若御子山(北峰)--(.25)--12:47石尊山12:58--(.51)--13:49登山口--(.12)--14:01林道入り口 群馬山岳移動通信/2017 |
この地図の作製に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50メッシュ(標高)を使用したものである。 (承認番号 平16総使、第652号) |