12/24(木)
新型コロナウイルスの影響で会社の厚生施設の利用がゼロとなった。当然ここに入っている厨房の人たちは売り上げもゼロとなっている。これを少しでも元気づけようと、職場で昼食に弁当を注文して食べることになった。届いた弁当はとにかく豪華、各自が自分の机で食べるが、時節柄、話すことは御法度。黙々と食べるのだが、これが何とも味気ない。一人で食べるのなら問題ないが、周りに人がいるのに静かに食べるのはどうも妙な雰囲気だ。ともかく豪華な弁当を一気に腹の中に入れた。 家に帰ってクリスマスケーキを食べたが、昼食の弁当がまだ腹の中に残っていてやっとの事で食べた。 夜中から体調が思わしくない。3回の嘔吐、下痢症状はない、体温は36.6度。
12/25(金) 出社をためらっていたが、仕事納めと言うことも有り、ともかく出社することにした。始業時間ぎりぎりに職場の机に向かった。昨日、弁当を食べた同僚に話を聞いたが、体調に変化はなく、食中毒を疑ったがそれは無さそうだ。 しかし、どうしても体調不良なので半日で退社し帰宅する。ベッドに入ったきり起き上がることが出来ない。夕方、体温を測ると38.1度!!これは新型コロナの可能性もあることから、隔離された別室で寝ることにした。しかし、感染するような場所に出向いた覚えがない。 12/26(土) 朝方は嘔吐1回、体温36.9度 お腹に痛みが現れたことから、かかりつけ医に出向くことにする。8時半の受け付け開始時間に行ったのだが、すでに受付は長蛇の列で、33番の受付となった。 事前に電話連絡しておいたためか、15分ほどで呼ばれた。(5人の医師がいるので割と手際が良い) とりあえずCT検査、その結果は腸閉塞との診察結果。ガ〜〜〜ン!!17年前と同じじゃないか。すぐに点滴開始、胃カメラとイレウス管を鼻から無理矢理差し込む。私は通常よりも後鼻腔が狭いので何度も抜き差しをする。あまりの苦痛と痛みに耐えるのだが、涙が止めどなく流れ落ちる。何とか200センチまで差し込んで、まあ良いだろうとここで終了。今度は高圧酸素カプセルに入れられる。カプセルはガラスで出来ており、中は狭く寝返りが出来ない。ここに加圧(2気圧)して昇圧15分、保持60分、常圧に戻す15分のサイクルで計90分間閉じ込められる。これによる効果は血液中の酸素を増やして血流をよくするとか。(どうも納得できない)昇圧中は耳が痛くなる。耳抜きをすれば良いのだが、唾が出ないのでそれもままならない。焦って唾を何度も飲み込もうとしたのだが、その負担で喉に差し込まれたチューブが邪魔して喉を痛めてしまった。声帯もおかしくなってうまく声が出なくなってしまった。 1/27(金) 病院にいると時間の感覚がわからない。4人部屋なので誰かがおきれば朝、朝食が運ばれてくれば8時となる。もっとも私は「絶飲食」なので関係ないのだが・・・・ テレビを見るのも億劫で寝ているだけだ。点滴とイレウスチューブにつながれているので歩くことも出来ない。このままだと1月中の復帰は無理かもしれないと悲観的になる。 これからの行事も気になるところだ。明日は村の神社の掃除、1月は車二台の車検が控えている。年賀状も作成していないのが気になるが寒中見舞いで出すしかないだろう。もっともこれで年賀状は大幅な削減になるだろうから、これはこれで良しとする(?)。 今日も高圧酸素カプセルに入る。 12/28(月) 腸の動きはまだまだのようで、イレウスチューブから吸い出される腸液は大量に出てくる。高圧酸素カプセルに入って昇圧中に耳が痛くなり中断する。 今日は正月飾りを取り付ける日。妻と長男に任せるしかないが仕方ない。伝統を引き継ぐという意味ではよかったかもしれない。 12/29(火) 朝、少量の便が出た。レントゲン撮影の結果、小腸のガスはなくなったが、大腸には残っているとのこと。点滴はインシュリンを含んだものにする。(糖尿病の持病持ちは面倒だ)お腹は張りが少なくなり柔らかくなってきたとのこと。 午後は高圧酸素カプセル。 夕方、主治医から手術はやらなくても良さそうとの話があった。まあこれも状況次第と言うことだが・・・ それにしても年末年始は医者も休みなので判断が先送りになるからつらいところだ。それにしてもチューブが喉を圧迫して声を出そうとするがうまくいかない。 12/30(水) 今日は本当に喉が痛く唾を飲み込むのが億劫だ。声を出すのもやっとという感じだ。昨夜は21時から朝六時まで5回のトイレ1800ccが出た。2時間に1回起きるというのはつらい。日中は脱水気味になり、手の甲が皺だらけになってしまった。点滴を1000cc追加。 12/31(木) 夜中、点滴給液ポンプのアラームが頻繁に作動する。ひどいときは15分間隔なので点滴の針を刺し直すことになった。これが朝方の4時なので寝不足気味となる。紅白歌合戦も見る気が無くそのまま横になっているのみ。 1/1(金) 病室は西向きなので初日の出は見ることが出来ないが、山々や雲があかね色に染まるので日の出が始まったとわかる。妻に送ってもらった自宅の神棚の画像に向かって新年のお参りをする。病院内は「おめでとう」の言葉はなくいつも通りの朝の挨拶だった。 午前、イレウスチューブから造影剤を入れてその動きを見ることになった。その結果、通ってはいるが細いとのことで、これではダメと言うことだった。このまま1/4まで様子を見てダメならば手術と言うことになった。これで7日目、やっとイレウスチューブから解放されると思っていただけに落胆は大きかった。 イレウスチューブを10センチ深く差し込んで200センチまで挿入。
1/2(土) 再び点滴とイレウスチューブにつながれた生活が始まった。しかし、昨夜はよく眠った。2時間ごとのトイレ時間の間は熟睡していたようだ。 点滴が入らなくなったので場所を変える。高圧酸素カプセルの入り方もだいぶ慣れてきた。箱根駅伝のTV中継をチラチラ見ながら90分間を耐える。 イレウスチューブを20センチ深く差し込んで220センチまで挿入。
1/3(日) 入院して9日目、筋力の低下を自覚するようになる。風呂には入れないのも気持ちが悪い。足裏は皮が剥がれてきて気持ち悪い。そこでトイレの洗面台に足を上げて洗ったら気持ちいい。頭は不織布タオルでゴシゴシすると髪の毛が大量に抜けてくるが、これも気持ちいい。体重は入院してから2キロ減となる。 イレウスチューブを20センチ深く差し込んで240センチまで挿入。 チューブを深く差し込んだためか腸からの吸い出しが極端に少なくなり、固形物のようなものが出てくるようになった。 1/4(月) 世間は仕事始めだが、相変わらずベッドに縛り付けられている。主治医から今日は高圧酸素はいらないという指示が出た。うれしいが、それはどんな意味があるのか裏を考えてしまう。手術するのだから無意味なんてね。それが証拠に予定していなかったらしく、10時になって急遽、造影剤を入れて様子を見ることにした。 前回と違ってすんなり大腸まで造影剤が通過した。80分後便意を感じてトイレに行くと見事に造影剤を排出することが出来た。120分後のレントゲン撮影を終わり結果待ち。 15時に突然主治医がやってきて、「これからイレウスチューブを抜きます」 「ここで?」 「そう」 ベッドに胡座をかいて座りビニル袋を両手で持って構える。240センチのチューブを引き抜く。苦しくて涙が出る、吐き気を押さえながら我慢、やっと引き抜き終了。 明日の朝から重湯が出ます。水は自由に飲んでもOK、明日は点滴も少なくなると言う。とりあえず先が見えてきた。 1/5(火) イレウスチューブが抜けたことで、さぞかし熟睡出来るかと思ったら、なぜか眠ることが出来なかった。朝の血糖値は88でかなり低い。 待望の朝食だが、重湯、味噌汁、ヨーグルトだ。具の入っていない味噌汁がうまい。 痛みも吐き気もなく順調なようだ。
1/6(水) イレウスチューブが入っていたことかもしれないが、咳が出始めると止まらない。一晩でティッシュを1箱使ってしまうほどだ。咳止めを処方してもらったら少しは改善されてきた。 今朝から3分粥となり、おかずが一品増えた。 10時から風呂に入ることが出来た。実に12日ぶりで実に気持ちが良い。汚れは寒い乾燥した時期なのでそれほど出ない。それにしても下半身の筋肉の低下が目に見えて顕著だ。おしりもかなり小さくなってしまったようだ。再び山歩きをするのはかなりの時間が必要なようだ。 昼食後30分程度廊下を歩き回る。今日はベッドのシーツを交換、風呂も入ったし清潔な状態で眠ることが出来る。
1/7(木) 点滴のためか2時間おきにトイレに行く。 今日から5分粥になったが、おかずが嫌いな鶏肉なのでうれしくない。腹が減っても嫌いなものは食べる気にならない。 朝、レントゲン撮影を行った結果、退院は1/9と決まった。 11時に点滴が外されると、一気に自由度が上がった。点滴の針が抜けた後の腕は、テープで固定されていたため皮膚が生気の無い感じになっていた。
1/8(金) 朝食から全粥になり、5分粥とは大きな違いである。 退院が近づくと検査も少なくなり、手持ちぶさたとなる。持ってきたkindoleの端末は暇つぶしに最高だ。江戸川乱歩全集は110作品が入っているのでとても読み切れないほどだ。 午後は食事指導。当たり前のことをわかったような振りして聞く。とにかく短時間でガツガツ食べないことが一番のようだ。
1/9(土) いよいよ退院日。 昨夜はなかなか眠ることが出来なかった。 朝食は相変わらずお粥だ。最後の診察を10時に行い、やっと退院の許可が出た。 入院は15日間。高圧酸素カプセルは9日間長かった。 その間は新型コロナの影響で面会は御法度。この点は見舞客など無く静かに快適に過ごすことが出来た。 【雑感】 なにか毎年痛くて苦しい病気や怪我に見舞われている そのたびに妻に迷惑をかけている。 そのたびに苦労かけてしまっている。 現在、68歳1ヶ月 元気でいられる期間はあとわずか。 このままずるずるとフルタイムで働くのがよいのか、選択する機会にはなった。 群馬山岳移動通信/2021
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