奥志賀の山を楽しむ「焼額山」「旭山」 登山日2008年7月12日






焼額山(やけびたいやま)標高2010m 長野県下高井郡/旭山(あさひやま)標高1524m長野県下高井郡




稚児池を歩く



7月12日(土)

「焼額山」


去年、岩菅山から眺めて気になり、登山口を確認しておいた経緯がある。まずは昼食を林道脇のスペースで食べることにした。暖かいインスタントラーメンもなかなか旨い。気温は日陰で23℃、下界は猛暑だとお昼のニュースが伝えている。

昼食後、プリンスホテルの西館前の駐車場に車を止める。入り口には焼額山登山口の標識がある。この焼額山は夏山リフトが運行されて、数分で山頂まで行ける。しかし、運行は一週間後なので今日は静かな山頂が独占できそうだ。(やはり、汗を流して登らなきゃ)準備をしていると、一台の乗用車が横に止まった。中からは男性3人と女性1人が降りてきた。聞けば焼額山に登るということで、そのうちの3人は歩く準備を始めた。私は往復だが、彼らは山頂から奥志賀リフトに沿って降りる予定だと言う。そのために車はリフトの駅まで行って待機するという。なかなかいいコースだなあと思った。その車を運転する人としばらく話していると、どうやらこの人たちは埼玉の学校の先生で、林間学校で子供を連れてくるための下見だという。そうすると、出かけたのは先生と男女の生徒2名かなと勝手に想像した。その3人はすでに出発してその姿は見えなくなっていた。私も後を追うように、車止めの短管パイプの横を抜けて歩き出した。

砂利道の車道はすぐに分岐したが、地図を見るとまだ先に進むようなので直進した。するとすぐに右の林の中に入るように標識が設置されていた。いよいよここから登りが始まるわけだ。樹林の中の道はしっかりしており、危険なところもないようだ。時折、樹林の中からゲレンデに出ると一気に展望が広がる。この変化が疲れを軽くしてくれるようで、さほど苦しいとは思えない。ゲレンデに出るたびに高度が上がって行くので、そのたびに振り返ると、眼下の宿泊施設の建物群と、眼前の東舘山や岩菅山、遠望する横手山が微妙に変化してくるので、それを見るのも楽しみとなった。

それにしても、先行した3人はずいぶんと早く、ゲレンデの上部に姿は見えない。やはり若いと言うことはいいなあと思いながら登った。それにしてもこのルートは樹林帯とゲレンデを縫うように付けられている。どうやらゲレンデに入ることを避けるための処置だろう。これでは効率が悪いので、帰りはゲレンデの中を直線的に下ろうと考えた。


ゲート登山口
ゲレンデの中を登る山頂はもう少し




天候は申し分なく、時折吹く風が実に心地よく、高度を順調に上げているのがわかる。山頂近くのリフトの終着ターミナルの建物を過ぎると、道には木道が敷かれて歩きやすくなった。まだ真新しい木道なので、最近整備された部分もあるようだ。そして、傾斜が緩やかになったところで道は分岐してそこには標識があった。この標識は何かよくわからない。とりあえず右に進んで10mほど進むと左に鳥居があり近づくと、山上の楽園の様相を呈した池が現れた。これが稚児池と呼ばれる池だった。水深はそれほどでもないが、透明度が高く清浄な感じがする。池の向こうには湿原が広がりワタスゲが風に揺られ、青空に浮かんがだ積雲が池に映っていた。

池の周囲を反時計回りに歩くことにする。丁度半周したところで眼下を見ると、すぐそこまでリフトが来ていた。夏山リフトが運行されれば、このあたりは一気に賑やかになることだろう。さらに歩くと板が敷き詰められた、休憩場所に到着。ここには説明板があり、「この池は雪解け水や雨水が溜まって出来ている云々」と言うことが書いてあった。この池はそれだけ汚れやすいし、汚れたら回復は難しいと言うことなのだろう。ヒメシャクナゲ、モウセンゴケ、ハクサンチドリを見ながらゆっくりと過ごす。

そのうちに、私に先行して出発した3人が到着した。聞けば、私と違ってゲレンデを直登するルートを選んだらしい。さらに話をしているうちに驚くことがあった。生徒だと思っていたのは先生で、引率して来るのは小学生だとのこと。若い男女の先生はほんとに童顔で、中学生と言うと失礼だが、高校生と言っても全く問題なく通用する容姿だった。しばらく立ち話をしてから別れた。

さて、エアリアマップを見ると、さらに先に池があるらしい。僅かな距離らしいのでちょっとだけ行ってみることにした。そこで、湿原の中にある木道を歩き出した。ところが、この道は稚児池の周りを再び周回する道で、元に戻ってしまった。おかしいぞ!!そう思ってさらに探すと最近刈り払いがされたらしい登山道が目についた。入り口にはロープが張られて、入ることが出来ないようになっている。ともかくこの道に入ってみる。刈り払いは延々と続いて道は下降していく。あまりにも下降するので心配になって適当なところで戻ってしまった。それほど無理をするほどのこともないだろう。

下山は、ゲレンデを一気に下降したが途中で、登りに使ったルートを通り越して、西に進んでしまった。まあ、緊張感が無くなるとこんなものだろう。



稚児池稚児池
ワタスゲ

ゲレンデから見る岩菅山、横手山を遠望する



プリンス西館駐車場12:29--(.04)--12:33登山口--(1.00)--13:33稚児池(焼額山山頂)14:36--(.44)--15:20プリンス西館駐車場


この地図の作製に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50メッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平16総使、第652号)






「旭山」
どうもまだ時間が早く、体力的にも余裕がある。もう一山と考えて、地図を見ると簡単そうな山が琵琶池の近くにあった。さっそくこの旭山に登ることにする。駐車場には車はなく、適当に駐車して歩き出す。ここは登山道ではなく、間違いなく遊歩道で車も走れるほどの広い道を歩く。これなら、傘をさして散策するにも問題ない道だ。樹林の中の道をダラダラと歩くと、山頂の東屋が現れて、あっという間に山頂に到着となった。

山頂には秩父宮両殿下、常陸宮殿下植樹の標柱があり、裏を見ると昭和4年とあった。しかし、それらしき樹木は見あたらなかった。山頂標識を確認してから下山した。

下山後は、近くの日帰り温泉に立ち寄った。いままでの温泉のイメージからすると、あまり印象が良くなかった。ちょっとがっかり。減量による体力の衰えはさほど無いようだった。むしろ下山の時の膝へのダメージが薄れたので、メリットが大きいと思った。




登山口
広い遊歩道山頂

山頂の東屋

駐車場15:35--(.13)--15:48旭山山頂15:54--(.10)--16:04駐車場


この地図の作製に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50メッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平16総使、第652号)







群馬山岳移動通信/2008