厳冬期の「浅間山」に登る   登山日2007年12月29日


浅間山(せんげんやま) 標高10m 埼玉県さいたま市大宮区




12月29日(土)


数日前に、厳冬期の浅間山に登ると言う話が持ち上がった。
これは、完全装備で向かわなくてはいけない。
防寒具はもちろん、かつてホワイトアウトを経験したので、GPSは必携だ。
連絡手段の携帯電話ももちろん必要だ。

JR大宮駅に降り立つと、厳冬期とはいえ人混みのためか、暖かさを感じる。
東口に向かい、路面に足を踏み入れると、昨夜の雨が残って濡れている。
凍結が予想されるが、アイゼンとピッケルを持ってこなかったことが悔やまれる。

平坦な道は良く整備されて、歩きやすい。
登山者が多数いるので、この山の人気の程がうかがえる。
しかし、軽装の登山者が目立つ。
安易に厳冬期の山に踏み込んで、遭難した事例は多数ある。

GPSを頼りに、幅の広い道を曲がると、登山者の数は疎らとなった。
おまけに山小屋にしては立派すぎる、建物が多い。
この辺もリゾート開発が進んでいるのだろう。
程なく、○○幼稚園の先にこんもりした木々が見えてきた。

その木を目安に近づいていくと、鳥居が設置されている場所に到着。
大宮駅から歩いて20分ほどの時間が経っている。

おそらくこれが登山口なのだろう。
歩きやすいように階段が設置してある。
登山口はここだけではなく、さらにその先数メートルのところにもある。

こちらには「参拝浅間神社」の大きな標柱があり、登山者が迷わないように配慮されている。
地元に方の登山道整備に感謝する次第である。

ともかく、装備を点検して、登山口から山頂を目指して足を踏み出した。
実に歩きやすい階段で高齢者にも配慮されている。
ザックの重みに喘ぎながら、一歩一歩確実に登る。
歩き始めは、ゆっくりというのが鉄則なので、そのセオリー通りに歩く。
周囲は植生が豊かで、ツツジ、カシ、スギ、ヒノキなど常緑樹と広葉樹が混在している。
また、シュロ、キンモクセイなどもあるようなので、あとから植林されたものだろう。
人工的な自然の妙であろう。
植生を見ながら登り、ちょっと汗ばむ頃にやっとの事で山頂に到着。
登山口から数十秒かかっている。

山頂は、平坦になっていて、社が2棟建立されている。
ひとつは稲荷神社、もう一つは浅間神社となっていた。
鮮やかな朱に塗られた二つの社は、この山頂にとけ込んでいるようだ。
山頂標識はなく、展望は木々の間から立派な山小屋が、無数見える。

山頂には誰もいないので、独占状態である。
ちょっと寂しい気がするので、試しに標高を測定してみる。
日本山名事典では標高10mとなっている。
GPSの測定では17mとなった。
どうも17mのほうが正しいような気がするが、地形図の等高線からの読みでは10mが妥当なのかも知れない。

そのうちに、登山者三名が登ってくるのを確認した。
この厳冬期に登山者がいるとはたいした物だ。
しかし、近づいてくる登山者は、私をこの山に誘った人たちであるとわかった。
二人が先に到着、さらに息を切らしながらあとから一名が到着した。
やはり、日頃の運動不足がたたっているのだろうか、高山病なのか顔色がすぐれない。

まずは山頂で記念撮影、4人の登山者の疲れ切った様子が見えるだろうか。
この山頂に立つまでの、準備と苦労がうかがえる。

70年前に地元で育った女性は、もっと尖っていたような気がするという。
ひょっとすると、その後に頂上部分が削られた可能性もある。

その後は、下界と相変わらずの無線交信を行うものもいた。

登頂を終えたあとは、地元の山小屋で祝杯を挙げることになった。
なんと、北の将軍様から送られた、焼酎に期待を膨らませ、敬意を表してお湯わりで賞味することになった。
栓を開けた途端に、学校の保健室を思わせる懐かしい臭気。
25%と書いてあるが、100%じゃあ無いかと思われる濃度の臭いだ。
お湯わりにすると、その臭気はさらに増幅されて、口に近づけることすら出来ない。
そのなかで、持ち込んだ本人は旨そうに呑んでいる。
しかたなく、口にしたが翌日の悪酔いは半端ではなかった。

写真はイワナではなく、小魚のおつまみである。


この地図の作製に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50メッシュ(標高)を使用したものである。
(承認番号 平16総使、第652号)
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