林道利用で簡単に山頂「大桁山」「鍬柄岳」
登山日1994年5月28日
5月28日(土)
朝、起きてみるとあまり天候が良くない。いつもの癖で無線機のスイッチを入れると、新潟県の米山から、見た事のあるコールサインの方が運用している。おもわず声を掛けてしまって、山下さん、鈴木さん、川田さんの順にQSOをさせていただいた。なにやら新潟は天候は晴れで気持ちが良いとの事、こちらとはかなりの違いである。こちらは、どんよりとして梅雨に入ったのかと、思わせる空だ。今日は夕方から用事があるので、近くの山で、できるだけ簡単に登れる山を探した。そして、場所は自宅から近い富岡市にある大桁山と決めた。
大桁山は一度、上信電鉄「千平駅」から登った事がある。しかし、その近くにある鍬柄岳は、まだ登った事がない。国道254号で近くを通過する度に、その特徴的な岩峰を見る度に、いつかは登りたいと考えていた。つまり大桁山は簡単に登り、メインは鍬柄岳とする事にした。地図を見ると大桁山は山頂近くまで林道が入っているので、この林道を辿ればなんとかなりそうだ。
国道254号、下仁田町の上小坂の信号を右折して旧妙義有料道路に向かう。途中、虻田地区で右側に採石場入り口と、関東ふれあいの道の、お馴染みの標識がある。この道に入るとひっきりなしにダンプカーが対向してくるので、たとえミニバイクとはいえ緊張してしまう。わずかな距離で採石場が現れ、山肌が削られている場所に着く。ダンプカーはここに出入りしているのだ。道は採石場から左のわき道に入り、細い林道になる。林道は桧の木が伐採されたばかりで、すっきりしており、振り返ると御堂山付近が新緑で輝いている。林道はそれほど荒れていないので、乗用車でも乗り入れる事は可能であると思われる。林道が行き止まりになったところに標識があり、「大桁山0.8km」の文字が見えた。
バイクを止めてここから歩き始める。道は良く整備されており広く、また木が伐採されているので見晴らしも良い。なだらかな道を登ると道は分岐する。標識に従い右に曲がって進むとやや登り坂になり、付近には特徴ある姿のマムシソウの花が目立つ。そしてすぐに山頂に立つ事が出来た。歩行時間15分に満たない、汗もかかずに快適だ。山頂は植林がなされて、雑木が切られたので見晴らしがいい。以前に来たときは展望は雑木で無かったのに大きな変化だ。天候が良くないのであまり遠くまで見えぬが、鹿岳、四ッ又山方面がよくみえる。山頂のベンチでは単独行の男性が休んでいた。西上州の山を登り始めているとの事で、話しが盛り上がってしまった。90分ほど山頂にいたのだが、中高年の登山者が、かなりやってきた。これを見ると西上州における中高年の登山熱は、かなり過熱しているのだろうか。
山頂では無線運用は行わず、そのまま大桁山から下山した。
今度は鍬柄岳にミニバイクで移動である。林道を下り国道に出て上信電鉄「千平駅」を目指す。駅からは案内標識があり、大桁山に向かってその指す方角に車道を走る。杉林の中にはいると左側に標識が現れた「石尊山(鍬柄嶽)」とある。地元ではこの石尊山の名称が一般的らしい。ミニバイクでそのわき道に少し入ったが、路面が悪いのですぐにミニバイクは止める事になった。
歩き始めるとすぐに、お堂が現れその裏で道は分岐して左に進む事になる。天候の関係もあるのだが、暗い感じのする道である。山道を登りつめると、稜線に出た。そして稜線をつめると、明るい岩場に出る事が出来た。ここには真新しい鎖が設置されている。岩場の登り口には古い鉄製の梯子が残置されているところを見ると、古い梯子を取り外して鎖を取り付けたものと思われる。とにかく暗い山道を歩いて来たものだから、明るい岩場は気持ちがいい。
鎖は山頂部まで途切れる事無く設置されているが、殆ど登りの時には鎖は必要ない。山頂部を巻くようにして。トラバースしながら山頂に達する事が出来た。山頂は数個の石祠があり、賽銭もおかれている。また祭礼に使ったのだろうか、竹竿に付けた幟(のぼり)が風にはためいていた。さすがは独立した岩峰であり、なかなかの高度感がある。先ほど登った大桁山が間近に迫っている。見ると無数に林道が走っており、痛々しい感じもする。山頂では430Mhzで1局QSOして、天候もあまり良くないので早々に退散した。
「大桁山」
登山口11:01--(.09)--11:10分岐--(.05)--11:15大桁山山頂12:47--(.06)--12:53登山口
「鍬柄岳」
登山口13:39--(.01)--13:40お堂--(.14)--13:54稜線--(.12)--14:06鍬柄岳山頂14:20--(.16)--14:36登山口
群馬山岳移動通信 /1994/