週末の天気が悪そうなので、予定していたちょっとハードな山行は諦めた。ここでGさんに紹介していただいた山が頭の中に浮かんだ。急遽予定を変更してみなかみ町(旧月夜野町)の荷鞍山と大平山に登ることにした。 その前にGさんについて紹介しなくてはならない。Gさんとは私のHPにたびたび登場する「Gさんの標識」のGさんである。山頂標識はブリキ板に黒い文字で山名と標高が書いてあるもので、群馬の山に登ったことのある人ならかならず見いるはずだ。群馬の有名な山から有名でない山まで、Gさんの標識のない山を探すのは難しいと思われる。また、標識の位置は正確で、信頼できるものである。 Gさんの標識を、私(重鎮)が付けていると思っている人がいたらしいが、それは全くの誤解だ。Gさんは群馬県の北部に在住で、いまでも精力的に山に登っている人なのである。Gさんの標識には、日付も名前の目印となるものもいっさい記入されていない。しかし、この標識に興味を持って調べた人がいる。それはこのHPにたびたび登場する「猫吉」さんである。「Gさん」という名前も猫吉さんが付けたもので、その由来は本名のイニシャルなのか、群馬のGなのかは非公開としておく。本人も「Gさん」と呼ばれることを想像していなかったであろう。 3月24日(土) 登山口である旧月夜野町の滝合地区に到着した。登山口付近は空き地もあり、道幅も広いので駐車に困ることはない。空き地もトラブルの元になりかねないので、道路の端に広い場所があったのでそこに駐車した。登山口に案内板はないが、コンクリート舗装の狭い道が上部に向かって延びているのですぐにわかる。久しぶりの山行なので、ちょっと身体が重い。いや、実際に身体が重くなっているのかも知れない。登山口から数十メートル登ったところで、下山してくる登山者とすれ違った。「荷鞍山からですか」声を掛けると「ひょっとして重鎮さんですか?」と返事が返ってきた。すかさず「Gさんですか?」とこちらも返した。(もちろん本名で呼んでます)初対面ながら、旧知の仲のように話題が尽きない。Gさんは精悍な顔つきで、私とは正反対の体型をしている。言葉遣いは丁寧でその容姿とは合わない感じがした。この荷鞍山・大平山はGさんが整備しているとのことだ。それにこの山はすでに300回以上登っているとのことであった。Gさんは、おそらく群馬の山を一番登っている方ではないかと容易に推測できる。そんなGさんは私にとってもあこがれである。見ればGさんは作業着である、聞けばこれから会社で残務整理とのこと、長々と引き留めるのも心苦しいので、次回の再会を約して別れた。 荷鞍山の手前のピークには石祠があり、その先にはクルミの木があるのだろう、クルミの実が無数に落ちていた。石祠のピークを過ぎると、一旦鞍部に降りる。道は分岐して急坂と巻き道に分かれる。当然、急坂を選んで直登することにする。確かに急登で、息を整えながらゆっくりと歩く。振り返ると子持山の特徴あるピラミダルな山容が際だって見えた。荷鞍山の山頂には心地よい汗が滲むころに到着だ。山頂部分は裸地になっているが、周囲は雑木に囲まれて展望は望めなかった。山頂には標識が何枚かありそれぞれが特徴ある形と字体を持っていた。山頂付近には、ダンコウバイの黄色い花が咲き早春の里山の風情を醸し出していた。 展望の場所からもさほどの高低はなく道は続いている。石祠のピークを通過するとすぐに大平山の山頂に到着した。山頂は細長く、中程には三等三角点が鎮座していた。山頂標識はMHCのものが一番新しいようだ。とはいうもののGさんの縄張りなので、Gさんの標識がメインである。お馴染みのブリキ板に黒文字ものがある。Gさんは最近この標識を取り付けていない。最近はプラスチック板に印字したテープを貼り付けたものだ。プラスチック板の色は青地であったり、白地のものだったりする。この大平山にはふたつの種類のGさんの標識がある。 山頂からもう少し先に行ってみたが、下山するには急斜面だったので、登ってきた道を引き返した。ともかくいろんな意味で気分の良い里山歩きだった。
滝合登山口07:50--(.18)--08:08鞍部--(.14)--08:22荷鞍山08:38--(.04)--08:42鞍部--(.17)--08:59大平山09:11--(.13)--09:24分岐--(.12)--09:36登山口 |