再び横歩き「茂来山」
登山日1993年9月25日
9月25日(土)
自宅をミニバイクで出発する。2週間前に捻挫で痛めた右足がまだ歩くと痛むので湿布を貼ったままだ。
国道254号、内山峠のトンネルを抜け通称コスモス街道に入る。コスモスは今が見頃である。ここはネズミ取りが実施される事が多いので、ミニバイクの法定速度30km/hを維持するのは大変だ。佐久市の市街地から左折、小海線と平行して南下する。小海線の羽黒下駅を過ぎ「四ッ谷」の信号を左折して十石峠に向かう。途中から旧道に入らずに最近開通したらしい本郷バイパスを走る。「滝平橋」の橋の手前を右折、数m進んですぐに左折して橋を渡りそのまま林道を進む。林道は狭く場所を選ばなければ対向車とのすれ違いは不可能であろう。暫くは舗装路が続くがやがて道はダートに変わる。所々に脇道があるが、とにかく霧久保川に沿ってあくまでも平行に登る。やがて元貯木場だった所に着く。社は数台どころか数十台駐車出来そうだ。この広場の脇には営林署のかなり立派な小屋が建っている。道はここで鎖が掛けられて通行止めである。本来はここから歩く事になるのだ、しかしここはミニバイクの強み鎖の下をくぐって更に走る。5分ほど走ると登山口に着く。「四方原林道←↑茂来山」と書いた標識があり、ここも広場の様になっていて車が数台駐車出来そうである。
10時10分
登山口より歩き始める。道は車道と思われるほど広い、すぐに現れる小さな沢を渡っても道は相変わらずそのままの幅員を保っている。おそらく神様が通られたときに整備したものか、植林の為に作ったものであると思われる。これならばミニバイクで更に進む事が出来たと後悔した。それでも13分ほど歩くと登山道は直角に左折、沢を渡ると登山道らしくなってきた。しかし幅の広い立派な登山道が続く。
更に沢を一本渡った所で道は右折する。ここで道の脇が何かの動物のものと思われる掘り返しが見られた。草がなぎ倒され、そこには何かの足跡がついていた。じっくり観察したがどうも熊ではなさそうである。しかしこの掘り返しは20mほど続いており若干緊張してしまった。
道は沢のせせらぎを聞きながら単調に登っていく。そしてわずかに左に折れてせせらぎの音が聞こえなくなると道の右側にトチノキの大木が現れる。確かに大きい大人が3人ほどが手をつないで抱える事ができるかどうかと言う代物である。そしてその下の登山道にはおびただしい程のトチの実が落ちている。トチの実は面白い様に三分割出来る、そして割ると栗に良く似た実が出てきた。トチ餅はこの実から作ると言う話しを聞いた事があるので試しにナイフで皮を向いて食べてみた。しかし噛み砕いた途端にすぐに吐きだした。とにかく苦いのだ。吐き出しても口の中がまだ何かしびれる。登山道に落ちている実を見ると皮が多く中身の実はあまり無い、何かの動物が食べるのだろうか。あの苦い実を食べられるとは凄いと思う。それからトチ餅はどうやって作るのだろうか、何か特別な加工をするのだろうか。
道はやがて苔の生えた石が多くなり傾斜を強めて行く。捻挫した右足を石の上に置くとビクッと痛みが走るのでなるべく石の上に乗らないように注意して歩くことにした。ところで、この周囲の広葉樹の天然林は美しい、今まで山歩きをした中でもここのものは屈指であると思う。上を見ると明るい緑の葉が眩しい、下を見るとシダの緑が美しい、そしてその中に人工を加えていないのに木が整然と並んである。その様は見事である。
稜線に到着した。稜線は真木沢(槙沢?)からの道と合わされて更に上部に続いている。
茂来山々頂(1718m)に到着した。歩き始めてから77分かかっている。ガイドブックによると105分となっているから足が痛い割にはまあまあであった。
山頂はあいにくとガスが巻いており展望は全く無い。360度の展望を期待していたのだが残念である。山頂では木の葉の紅葉が一部始まっている。山頂の2等三角点の脇には祠が2つあり口の開けていない缶コーヒーが供えてある。いざと言うときには非常飲料になるかも?そしてこれ又立派な「浩宮様茂来山登山記念」の碑が建ててある。
山頂から四方原山への道を少し下ったところに立派な登山記念の記帳ノート入れの百葉箱の様なものが置いてある。私も記念に日付とコールサインを記入して置いた。
再び山頂に戻り食事に取り掛かる。その間に無線機のスイッチを入れてワッチをしてみる。JJ1TXJ藤森さんが南アルプス駒津峰からでているのでQSO。続いて箕冠山の落ち着いた声の7L1UGC鈴木さんとファーストQSO。そしていつものJS1JDS栗原さんとQSO今日は風邪を引いたらしく全く別人の様な声である。しかしそれでも西御荷鉾山に登って移動運用するとはたいしたものである。
そうして山頂での楽しみも終わり帰ろうと荷物のまとめに取り掛かった。そして何の気無しに石の上に乗ったらギクッ!と鈍い痛みが左足に走った。
なんと今度は左足を捻挫してしまった。それも山頂で・・・・
両足首捻挫の足で横になったり前向きになったりしながらやっとの思いで下山開始。右足をかばうと左足が、左足をかばうと右足が痛い。何とかやっと下山した。
帰ってからはカミさんにおもいっきり皮肉を言われながら湿布を貼ってもらった。
翌日は子供の運動会に出かけて動き回れないので写真もあまり撮影出来ず。後で怒られそうである。
今度こそ山は暫く休まなくてはと思って反省している。(←今のところは)
「記録」
自宅08:10--(2.00)--10:10登山口--(1.07)--11:17稜線--(.10)--11:27山頂12:28--(1.32)--14:00登山口
群馬山岳移動通信 /1993/