榛名の低山めぐりはスクーターで
登山日1996年7月14日
「臥牛山」「五万石」「蛇ヶ岳」「琴平山」
朝寝坊した時の山は榛名山塊が最適だ。なにしろ自宅から1時間足らずでほとんどの登山口まで行ける。それになんと言っても山の数が集中しているのだ。「伊香保」の地形図だけでなんと19座もある。JA1KXW/渋沢先生はこの山域を中心にワンデイ21山を達成している。とてもこれは真似出来ないが、それなりの魅力がある。
7/14(日)
まずは伊香保ハイランドロープウェイの「みはらし駅」に向かう。ここの見晴台と言われるところが「上ノ山」である。記録に書くほどもない道を数分登ると、見晴らし台に到着した。茶屋がありなにやら場違いな所にきてしまった感じがする。三角点があるはずとあちこち動きまわったが見つからない。なにやら挙動不審者のようでバツがわるい。その間、ひっきりなしに家族連れや、妙に年齢に差のあるカップルがやってくる。とても無線どころではないので、早々に退散した。
**臥牛山(ねうしやま)**
旧榛名伊香保有料道路の料金所跡である「ヤセオネ峠」付近に、何の意味があるのか立派な標識がある。大きな金属板に「臥牛山」と書いてあるのだ。そしてこれまた何の意味があるのか鎖が張られて施錠がされている。ともかく施錠されてある場所にスクーターを置いて鎖をくぐり中に入った。
車の轍が林の中に続いており、それに沿って歩く。下草がかなりうるさいが、季節を考えれば仕方あるまい。そして道が大きく左に曲がるところがある。このまま進むとどうやらまずいようなので、尾根に登り上げる事にした。尾根にはそれらしき踏み跡も見られたので、それに辿る事にした。するとすぐに大きな岩に突き当たった。ここは左に巻いて数メートル行くと再び尾根に登る踏み跡があった。そして尾根を辿ると、突然展望が開けて山頂に飛び出した。山頂は大きな岩があり、その上に立つとそれなりの展望が得られた。立木にはお馴染みGさんの山頂標識があり、裏には「K.A」の落書きが見られた。
無線は両神山の移動局が出ていたので、お声がけをして山頂をあとにした。
**五万石**
高根展望台から少し下ったところから、林道が延びている。ゲートはあるのだが施錠はしてない。もっともスクーターだから、施錠がしてあってもあまり関係ないのだが・・・。ダートの道を辿ると突然アスファルト舗装路となる。そこから数十メートル進んだ所で、道は左に曲がり下り坂となる。ここには「山火事注意・群馬県有林」の円形の看板があった。地形図とコンパスと高度計で確認すると、ここから尾根に沿って登る事になりそうだ。
登り口の立木に白いビニール紐を2本結んで登りだした。どうやら、植林のあとらしく下草は刈り払われてさほど高くなっていない。それなりの踏み跡もあるので、それを時々確認しながら進む。一旦下ると今度は一転して暗い雑木林だ。しかし、この暗さは下草の成長を妨げているので比較的歩き易い。急斜面を登ると尾根に飛び出した。ここは迷い易いので、目印を立木に取り付けて置いた。
尾根を登るとすぐに傾斜は緩やかになり、ピークに到着した。展望は全く無く、ただの薮の中にいる雰囲気だ。ところがその中のひとつの立木が光っているように見えた。それは達筆標識が取り付けてあったからだ。そして「サル」の落書きもあるではないか。それではと私もフェルトペンで落書きをして置いた。さて無線はどうかと確認すると、なんと珍しいQZWさんが出ていた。お声がけをして、QSLの約束はしたので一安心だ。滝沢さんは草津の「御飯岳」に登ったらしい。いつかはそちらに行きたいと思っていたので、情報の提供をしてもらった。
**蛇ヶ岳(じゃがたけ)**
五万石の登山口の林道を、そのまま進みスクーターで快適に走行する。道は再びゲートに突き当たったのだが、ここもゲートに施錠はされてなかった。そこから数十メートルで立派な舗装路に出た。ここは「榛名富士」と「蛇ヶ岳」の鞍部であり、このあたりから登る道があるかと思ったが、笹薮でそれらしきものはない。しかたなく左折してしばらく進むと、最近出来たオートキャンプ場があり、ここの尾根から登れそうだ。鎖と施錠がされた入り口にスクーターを置いて歩き出す。
尾根の登り口には目印もなにもない。地形図を見ると、このまま登れば問題なさそうである。笹は30センチ程だろうか、歩くのに特に支障は無い。下の道からは、ひっきりなしに車の騒音が聞こえてくるのが気になる。それでも急な尾根を登り上げると、やがて傾斜がなだらかになり、山頂に到着した。展望は相変わらず立木に囲まれて、近くの榛名富士の姿さえ見えない。山頂のモミジの木にはGさんの山頂標識が取り付けてあった。どうやらGさんは「巳年」に登ったらしい。なかなか味な事をやるものだとおもった。
**琴平山**
どうやら、雷鳴の音が聞こえてきたので、松之沢峠経由で帰る事にした。道を下るに従って、どうもこのまま帰るには惜しい気がしてきた。地形図を見ると、どうやらこの道の脇に「琴平山」があるのが見つかった。
バス停の「松之沢」から山道にはいり、民家が無くなると、道はすぐにダートになって来た。そのまま走行すると、なにやら右の山側に明瞭な道がある。車の轍はあるものの、とてもスクーターでも行けそうにない。とりあえずここにスクーターは残置する事にした。明瞭な道を歩き出し、しばらくすると道は大きく分岐した。こんな道はもちろん地形図に記載はない。コンパスを取り出して確認すると、どうやら左に向かう道が正解らしい。道は相変わらず明瞭だが、下草に覆われてあまり気持ちがいいとは言えない。更に登ると道は消えてしまった。そして下はドクダミ草の敷き詰められた斜面となった。
そんな斜面を登ると、尾根にたどり着いた。ここから尾根に沿って薮をかき分けて登ると、山頂にたどり着いた。山頂には御稲荷さんの社が置かれていた。さて三角点はどこかと更に奥にはいると三角点がたしかにありました。そしてここでびっくりしたのは、なんと三角点の上にタワーが建っていたのだ。高さはおよそ20メートル、途中に二つの踊り場があり、いちばん高いところは人が立てるようになっていた。ともかく登ってみようと思い、錆びたラダーを登りだした。わりとしっかりしており、難なく最頂部についてしまった。最頂部には測量のダンダラ棒が置かれていた。おそらく、測量の際にこの鉄塔が邪魔になって苦肉の策でやった事なのだろう。最頂部からは陸上自衛隊相馬ヶ原演習場が手に取るように見える。この鉄塔はひょっとしたら、この演習場と関係のある鉄塔なのかもしれない。ともかく、この鉄塔のおかげで無線の状況は良く、QSLの確保は出来た。それにしてもこの鉄塔は何のためにあるのだろうか ?
下山して、スクーターで自宅に30分ほどで到着した。その途端にものすごい雷雨となった。これで梅雨明けとなったのかもしれない。
「記録」
登山口10:41--(.09)--10:50臥牛山11:06--(.07)--11:13登山口
登山口11:49--(.10)--11:59五万石12:14--(.10)--12:24登山口
登山口12:44--(.16)--13:00蛇ヶ岳13:38--(.08)--13:46登山口
登山口14:54--(.13)--15:07琴平山15:36--(.06)--15:42登山口
群馬山岳移動通信 /1996/