カヤの平の山を歩く「高標山」「八剣山」 登山日2008年7月12日
5月はじめに体重を測定したら、とんでもないことになっていた。 これはイカンと一念発起して減量に取り組んだ。その結果、2ヶ月半で約10キロすることが出来た。 ところが、どうも筋肉が落ちたような感じを受ける。そこで、実際に筋力と体力がどうなっているのか試してみることにした。 手元にあったエアリアマップ志賀高原を見ると、奥志賀のカヤノ平に適当な山があった。この付近は30年ほど前に4シーズンほど連続して山菜採りに出かけたことがあるお気に入りのエリアだ。 7月12日(土) 「高標山」 朝霧に包まれたカヤノ平は静寂に満ちていた。総合案内所前の駐車場はまだ数台の車があるだけだった。ゆっくりと支度を整えて車道を戻り歩き出す。数百メートルほどで右に入る林道があり、この林道はゲートによって車両の通行が制限されていた。ゲートの手前は広くなっており、「この付近は駐車場につきキャンプ等は禁止」のような表示があった。ゲートには丸太を輪切りにしたものに、高標登山口まで800mと記した標識もぶら下がっていた。ゲートの横を抜けて林道を歩きはじめる。良く整備されて歩きやすい道だ。熊の目撃情報があるらしいので、鈴をストックに取り付けて賑やかに歩いた。 程なく、高標山への道を示す標識があり、左のカラマツの植林地に入ることになる。標識にはローマ字で「Kohyousann」と書いてあったが、「たかっぴょうやま」と呼ぶのが一般的らしい。登山道はしっかりとしており迷うことはなさそうだ。しかし、前夜の雨で濡れた枝が登山道に垂れ下がり、それを避けながら歩くのは煩わしい。そこで、時には腰鉈で枝を切って前に進んだ。全体的に道形はハッキリしているが、笹藪も煩わしく整備はあまりなされていないようだ。キノコ狩りで有名なこの場所は、そのシーズンになれば必然的に整備がされるのかもしれない。さしたる急登もなく進んでいくとカラマツの植林地を抜けてダケカンバの林に入った。道は傾斜を緩めて道は分岐点となり、高標山への標識が設置されていた。右に向かう道はすでに廃道となっているようだった。 最近GPSの地形図がバージョンアップされて、登山道が表示されるようになった。早速この地図をインストールしてきたので確認すると、たしかに道は表現されている。しかし、この登山道の表記はあまりアテにならない。なぜなら元データとなっている地形図を見てもそれほど正確ではないし、GPSの地形図との誤差も数メートルあるからピンポイント的な使い方は出来ない。まあ、参考程度と見てもいいだろう。それよりも崖記号はかなり役立ちそうだ。 分岐を過ぎると、道はやや下降するようになってくる。ギンリョウソウやマイズルソウの群落を見ながら湿気のある道を進むと、不気味なものを発見。巨大な山ナメクジが交尾中でなんともおぞましい姿だ。それにしてもこの山中でパートナーを見つけるのは容易ではないと思った。やがて、案山子のような妙な格好した木を見ると、道はやっと登りとなり、石祠がポツンと取り残されたような山頂に飛び出した。 山頂は灌木も刈り払われて、展望に優れているように感じるが、あいにく遠方はガスが巻いているようで見えにくい。近くに見える高杜山の山腹のスキー場が妙に痛々しい。三角点、山頂標識、石祠はそれぞれ離れて設置されていた。石祠の扉は閉じられていたが、その扉を開けてみると、達磨と人形、賽銭箱のようなプラケースが入っていた。これらはどんな関連性があるのかよくわからなかった。ともかく、賽銭箱の中に10円を入れて手を合わせておいた。ゼリー飲料とあんパンを食べてから一気に下山した。 林道に出ると、暑い日差しが降り注いでいた。林道を歩いていると、前方からいかにもタケノコ取りと見える男性がやってきた。「早いね」「山登りだけですからこんなものですよ」 こんな言葉を掛け合ってすれ違った。そして、ゲートの前に来ると、賑やかなパーティーが今まさに出発するところだった。私の格好を見ると、「スパッツを付けていこう」と女性陣が言い出した。私の格好は下草に濡れていることもあるが、それよりも汗で濡れていることのほうが大きい。よっぽどの濡れ鼠に見えたのだろう。ところでその中の一人にどこかで見た人がいる。どうやら、義姉と一緒に山に行っている人で、いつもHPで見ている人だった。駐車してある車は2台あり、長野ナンバーのワンボックスは、先ほどのタケノコ取りの人のものだろう。もう一台は群馬ナンバーの白いセダンなので、これはBABA女史に間違いないと確信した。見ず知らすの人に声をかけるのも気が引けたので、そのまま歩き去った。 「北ドブ湿原と八剣山」
総合案内所の駐車場に戻り、食料をザックに入れ直して北ドブ湿原に向かうことにする。ドブとは何となく言葉の感じが良くないが、何となく湿地をイメージすることは出来る。キャンプ場の炊事場でのどを潤してから登山道に入る。入り口には大きな表示板があり、全体の雰囲気を感じ取ることが出来る。近くの建物の中は発電機だろうか、エンジンの音が連続して聞こえている。登山道にはいるとその立派な道に驚くがこれは遊歩道なのだと納得する。ブナの林の中は何となく清々しく、生き返るようである。高標山の登山道と比較するからよけいにそう思うのだろう。それにしても静かな道である。なにやら日本一のブナ林と言われているらしい。なだらかに登っていくと、分岐になった。ここは8の字を書いたときの中心の様な十字路になっている。今回のルートも8の字を描いて歩こうと考えている。 まずは、北ドブ湿原に向かうことにする。道は下降していき、いかにも湿原に降りる感じがする。やがて、湿原の入り口に立つとまず目につくのはアヤメだ。期待していたニッコウキスゲはまだ蕾でちょっとだけ時期が早かったようだ。またワタスゲは綿毛が雨で濡れていて、フワフワの状態ではなかった。それでも湿原の中では目立っていた。湿原の中の木道には2名の登山者がいるだけで、静かな湿原であった。ヒメシャクナゲ、タテヤマリンドウ、トキソウを見ながらゆっくりと湿原の中を歩いて開放感に浸った。 湿原を抜けると、道は条件が悪くなり、倒木もあり下草も多くなったようだ。やがて分岐になり、右の八剣山に向かうことにする。分岐には先行者のものであろうか、ザックが4個置いてあった。短時間とはいえ、ザックを置き去りにするとは大胆な登山者だと思った。急登を抜けると道はなだらかになり、ネマガリタケの多い道となった。途中で先ほどのザックを置いていった登山者とすれ違った。ザックを置いていくのも仕方ない人たちだと思った。 八剣山の山頂は展望は全くなく、標識と三角点があるだけだった。標識の下にはブリキの古めかしい看板が折れ曲がって落ちていた。この看板は懐かしい昭和の感じがした。山頂で昼食と思っていたが、時間があまりにも早い。それに体力もまだ問題なさそうだ。エアリアマップを広げると、前から気になっていた焼額山が目に入ってきた。そこで、八剣山を後にして早速下山することにした。 カヤノ平高原総合案内所06:41--(.04)--06:45林道ゲート--(.08)--06:53登山口--(.39)--07:32分岐点--(.22)--07:54高標山山頂08:10--(.36)--08:46登山口--(.13)--08:59林道ゲート--(.03)--09:02総合案内所 総合案内所09:10--(.21)--09:31十字分岐--(.05)--09:36北ドブ湿原--(.26)--10:02分岐--(.13)--10:15八剣山山頂10:23--(.23)--11:01総合案内所
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