クマバチ飛ぶ山 【稲村山】
登山日1993年6月20日
稲村山(標高952.6m)は碓氷バイパスを走行した事のある人ならば、必ず目にしている筈の山である。山体はピラミッド型に近く碓氷バイパスを軽井沢に向かって行くと、途中右側に東軽井沢パークランドがある。その反対左側に見える山がそれである。
(残念ながら当局はまだ上信越自動車道を走行した事が無いので解らないが、稲村山はおそらく見えるはずである)
6月20日(日)
昨日からの雨も朝方には上がり梅雨の中休みとなった。急きょ山に出かける事にした。実は昨日は村の仲間と高崎に飲みに行き、帰って来たのが今日の午前2時だったのである。そんなわけで、ちょっと二日酔いと睡眠不足になっているので近くの稲村山を選んだ。
ガイドブックによると(ドライブイン「信玄」を目印にして左に入る)とあるが、現在ここはカラオケボックスになっている。ともかく碓氷バイパスを走行、上信越道の高架をくぐり10mほど行き左の道に入るのである。道なりに進むと赤坂集落の入り口にある「赤坂橋」に着く。ここには八風平自然探勝路の大きな案内板がある。ここを左に折れて進む。初めはかなり大きな石が道いっぱいにありかなりスクーターでは走行しにくい。草に覆われた道少しを行くと、左に行く道が現れる。この道は杉林の中をU字型の断面になっていて、U字型の中心は枯れ葉が敷き詰められいて、スクーターのタイヤが踏み込んでしまって苦労した。
これも暫く登ると八風平と稲村山の分岐に着く。さすがのスクーターもここまで、いよいよ歩きに取り掛かる。
歩き始めて5分くらいは木の枝が道に掛かりちょっと歩きにくい。その後、道は傾斜を強めるがしっかりした道で分かりやすい。今の時期は緑が爽やかで良いのだが、この山は「碓氷バイパス」「上信越道」に挟まれた格好になっている。そのために車の騒音が両側から聞こえてくるのはどうもいただけない。しかし、登山道の傍らには「ホトトギス」が群生している所もあり夏の時期には見応えがありそうだ。
登り始めて30分弱で頂上に着いた。
頂上には三等三角点の杭が打ち込んであり、石の祠もある。南斜面にはあずまやが朽ち果てた形で残っていた。かつてはここも賑やかだった事もあるのであろう。又東斜面にはTVの共同受信のアンテナが立っており榛名山の方角を指している。
展望は360度開けており裏妙義の「丁須の頭」「赤岩」「烏帽子岩」「谷急山」そして「高岩」「矢ケ崎山」「鼻曲山」「五輪岩」「榛名山」「赤城山」と見事に見渡せる。
暫く展望を楽しんでいると何やら騒がしい。ちょっといやな感じである。クマバチがしきりに10畳程度の山頂を飛び回っている。そして時折、私の方へ牽制にやってくる。かなり私を気にしている様子である。かつて私はハチに刺されて会社を休んで医者に通った事があるので恐怖心を持っている。どうしようもないので東斜面に移動した。ここは上信越道を往来する車が箱庭の中の模型の様に見えている場所である。時折セミが鳴いている。今年は初めて聞く声である。ここまではクマバチは来ないようなので無線機のスイッチを入れる事にする。しかし1局交信をしたらなんと電池切れ。充電をさぼった事が悔やまれる。しかたなく1時間程昼寝をして過ごす事にする。
上信越道の車の流れが下りから上り方向に移った頃、荷物をまとめて山頂を後にした。相変わらず山頂はクマバチが飛行していた。
帰りは横川の小根山森林公園を経由して松井田の「千ヶ滝」を見て帰った。途中「高戸谷山」の登り口付近で「キイチゴ」の黄色い実をたくさん仕入れて帰った。
群馬山岳移動通信/1993/