志賀高原の山で一休み 登山日2011年8月27日




笠ヶ岳(かさがたけ)標高2076m 長野県上高井郡・下高井郡/坊寺山(ぼうでらやま)標高1840m長野県下高井郡/中倉山(なかくらやま)標高1687m長野県上下高井郡 




例年のことだが、今年の8月は特に野暮用が多すぎて思うように時間がとれなかった。それに尾てい骨の痛みがなかなかとれないおまけに最近になって足指の爪が腫れてきてしまった。
そんな言い訳を自分に言い聞かせて、簡単な山に登ることにした。いや、温泉に入りに行くついでに山に登ることにしたと言った方がいいかもしれない。天気予報では雨の一日と言うことだったが、思い切って出かけることにした。

おなじみの風景である、荒々しい山肌を見せる草津白根山を通過して群馬県から長野県に入る。展望はまずまずでとりあえずは雨の心配はなさそうだ。草津白根山は涼を求めて賑わった夏が終わり、紅葉が始まるまでのひとときは、静かさに包まれる。渋峠手前にある池ノ塔山に登ろうと考えて登り始めたが、朝露がひどく数メートルも進めずにあっさり断念、いつか登る機会もあるだろう。しかし、ここから見る笠ヶ岳は険しい山容をしている。とりあえずはこの山を登ることにする。

熊ノ湯を過ぎてから、山田牧場方面を目指して、林道を上っていく。道は舗装されているが、狭くなっている場所もありすれ違いは緊張する。程なく笠ヶ岳の登山口に到着する。駐車余地は十分あり、それほどの心配はいらない。登山口には茶屋があり、今では営業しているのか分からない状態でロープが張られていた。


【笠ヶ岳】

遠くから見ると険しいが、時間的にはたいしたことはない。長靴を履いてカメラとGPSだけ持って歩き出した。よく登られているらしく、道はしっかりとしており、都会のなかの公園の道を歩いているようだ。途中で振り返ると、登山口の車と山田牧場に通じるアスファルトの道が光っている。道はやがて樹林帯の中に入る。それもわずかな時間で通過して山頂に飛び出した。

山頂は露岩の広場になっており南東の草津白根山・横手山方面の展望が開けていた。しかし、それらの山が大きくそのほかの山は山肌のコブ程度にしか感じられない。やがて朝日がその方角から登るにしたがって、この標高2000mを越える山も蒸し暑さが増してきた。


登山口07:02--(.18)--07:20笠ヶ岳山頂07:24--(.12)--07:36登山口

おなじみの草津白根山

池ノ塔山に登る途中から眺める

笠ヶ岳はかなり強烈な単独峰に見える

夏の終わりはヤナギランが似合う

笠ヶ岳登山口

笠ヶ岳登山道から登山口を見る

笠ヶ岳山頂の石祠

山頂三角点




【坊寺山】


効率が悪いが、再び林道を戻って、名前の面白い「坊寺山」に登ることにする。
適当に目星をつけて、木戸池の先にある三角池の駐車場に車を置いて石の湯方面に向かって歩き出す。このあたりは田ノ原湿原と呼ばれ散策道が整備されている。マツムシソウやアキノキリンソウなどを眺めながら歩いていくと、道は下降気味になってきた。見れば随分と下に広い駐車場が見える。この道を再び登るのは嫌なので、あっさりと引き返すことにした。

車に戻って、石ノ湯に向かって車で移動だ。
ところが、石ノ湯の近くにはバリケードがあり、ホタル保護のため夜間の車両乗り入れ禁止と書いてある。意味がよく分からないので、ともかくバリケードの手前に駐車して歩くことにした。

すぐにホタルの説明書きがあり、その先に広い駐車場があった。どうやらあのバリケードは夜間のホタル鑑賞のためだったらしい。駐車場から川を飛び石伝いに進むと明瞭な登山道が続いている。はじめは水平に歩き、「70m 沢登り」の標柱にそって流れのある沢を登っていく。それにしても蒸し暑く、上着はずぶ濡れとなった。

沢を外れると風のない樹林帯の道となりそれもわずかで二等三角点のある山頂に到着だ。あいにくと展望はないが、山頂でゆっくりとしてから下山した。


09:31石の湯登山口--(.43)--10:14坊寺山山頂10:34--(.27)--11:01登山口

進入禁止?

天然記念物のゲンジボタルらしい

おお、こんな広い駐車場が左下にある

駐車場から見る幕岩

ここが登山口

沢に沿ってのぼる

沢を抜けるとこんな感じ

坊寺山三角点




【中倉山】

再び笠ヶ岳の登山口まで戻り、山田牧場まで舗装された林道を下っていく。カーナビで途中に中倉山があるのが気になった。エアリアマップには登山道が記されていないが、地形図には表記がある。それではと、道を探しながら行くと、立派な標識で中倉山の登山道が見えている。

入り口は牛馬の侵入を防ぐ柵があり、これは針金で締めてあるだけなので、簡単に開けることが出来る。ここも立派な登山道で、何お迷いもなく進むことが出来る。途中にはヨツバヒヨドリの花畑があり、アサギマダラが乱舞していた。

山頂に到着して三角点を確認しているときにちょうど正午を知らせるチャイムが牧場の方から聞こえてきた。山頂に展望はなく、お茶と菓子パンを食べてからゆっくりと下山した。このわずかな山歩きだったが、膝にわずかながら違和感を感じた。これではまともな山登りは当分出来そうにないと感じた。


登山口11:41--(.18)--11:59中倉山山頂12:13--(.15)--12:28登山口

中倉山登山道入り口(柵があるので開けてはいる)

おなじみアサギマダラ

営林署が多いんだけどこれは消防署

シロソウメンタケ

整備された登山道

字体に趣がある三角点




今日の目的は七味温泉にあったと言っても良い。
仕事の関係の人に勧められていたからだ。
日帰り入浴施設で、入浴料500円で時間は無制限。

施設の前に歩いていくと、オヤジさんがどこからとも無く現れて、料金を徴収するシステム。
そこでこの温泉は初めてかと問われて、初めてと言うと色んな蘊蓄を聞かされる。
何を説明してくれているのか分からないので、とりあえず生返事をしてお湯に一直線。

先客は3名で広い湯船はゆったりとしている。
乳白色のお湯は何とも贅沢な感じがする。

ふと見るとみんなのおしりが真っ黒、まさかと思って手を見ると真っ黒、それに足裏も真っ黒。
そうか、オヤジが説明していたのはこのことかと納得。

1時間近くゆったりして風呂から上がったが、いくら上がり湯で洗っても真っ黒な手・足・おしりの黒いものはとれなかった。


再びオヤジの蘊蓄を聞き直すことにする。
源泉は駐車場の脇にあり、湯温は65度(どうりで上がり湯が熱かったわけだ)
毎日夕方5時にはお湯を全部抜き出して入れ替えているのだそうだ。源泉は透明だが空気に触れると乳白色に変化し、底には鉄分が沈降するのだそうだ。この鉄分は乾けば自然に落ちるとのことだった。勿論お湯は源泉掛け流しなので湯の花が出来ないようだ。

まあ、リハビリのような山行と温泉で満足して、帰路についた。



七味温泉のバス停

七味温泉「恵みの湯」

乳白色の開放的な温泉

湯船の底は鉄分が沈降して真っ黒になる








群馬山岳移動通信/2011