ツキノワグマも棲んでいる自然豊かな「青海黒姫山」
                                        登山日2019年9月7日


青海黒姫山山頂からの展望

青梅黒姫山(おうめくろひめやま)標高1221m 新潟県糸魚川市
野暮用が多く、7月7日の「鉾ヶ岳」以降山歩きから離れてしまった。こうなると体力的にもかなり劣ってしまっているに違いない。鉾ヶ岳は中途半端で悔いが残ったこともあり、再び糸魚川の山に出かけることにした。

9月7日(土)
今まで青海黒姫山の登山口駐車場は整備されておらず、駐車するところがほとんどなかった。しかし、今年は立派な登山者用駐車場が整備されて利便性が格段に向上した。出発の準備をしているとワンボックスカーで6人の団体が降りてきた。さすがは日本300名山と実感する。団体が出発する前に先行して登山口に向かう。

登山口には案内板があり、登り5時間、下り3時間とあるから、老体にはかなりきついと思われる。歩き始めると登山道はよく整備されていると感じる。おそらく定期的に下草刈りがされているのだろう。刈り払い機が登山道の傍らにデポしてあった。そのうち何やら枝を折るような音に気が付いた。ザックを降ろし、登山道から離れて杉林の中に入って行くと何やら黒いものが動いている。なんとクルミの木に登ったクマがしきりに実を食べているではないか。距離にして30mくらいだろうか、あまり大きくないから小熊なのかもしれない。山でこれだけはっきりとクマを見たのは初めてだ。もう逃げようなどという気持ちは全くなく、好奇心のほうが勝ってしまった。そこで登山道わきに置いたザックまで戻りカメラを取り出してクマの写真を撮ろうと、再び杉林の中に戻った。ところがクマはこちらに気付いたらしく、クルミの木から降りて、素早く笹薮の斜面に消えてしまった。せっかくのチャンスを逃してしまったことがともかく残念で仕方ない。今までクマに吠えられたり、車で走行中に目の前を横切られたりはあったが、今回はこちらも興奮しまくっていた。そんなことをしていたら団体に追いつかれてしまったので、先行を彼らに譲ってのんびりと歩いていくことにした。小さな沢を渡り道は杉林の中の平坦な道を歩いて行く。

登山口から1時間ほど歩くと「一本杉」と標識のある場所に到着した。どうやら先行した団体はここで休憩のようだ。そこでここは休まずに団体を追い越して先行することにした。登山道わきには握り拳ほどの石灰岩がごろごろしている。石灰岩の中には光沢のあるものもあるが、価値は無いだろう。標高530mは「枝平」と言う標識と「犬ヶ岳・白鳥山 眺→」の標識がある。木々の間から透かして見ると、栂海新道の稜線が青空の中に見えていた。その様子から今日は暑くなりそうだと推測した。


登山口

ここから登っていく

クマ!!これしか写っていない

確かに脅しではない

標識では無く眺められるという表示

栂海新道の稜線


標高800mは「金木平」という場所でちょっとした広場になっている。水場がすぐそばにあることから幕営も可能と思われる。しかし、展望は雑木に囲まれて全く得られないから開放的な気分にはなれないだろう。暑いこともあり水分補給は必須で、この水場でたっぷりと水分補給をしてから再び歩き出す。
道は傾斜を増してきて、そこにはタイガーロープが途切れなくフィックスされ梯子も数か所設置されている。これは滑りやすい粘土質の道なので、登りに使うものではなく下山の時のためのようだ。さらに高度を上げると今度は大きな石がゴロゴロした溝の中のルートとなる。ここは大雨が降れば、上部から水が集まり流れるから、利用することは危険だろう。この溝の中には磨かれた石灰岩の綺麗な塊が無数にある。中には本当に宝石となるものもあるに違いないが、知識の無い物にとっては何もわからない。溝のルートを登り、最後の急登を登ると、一気に展望が開けた。いままで雑木の中を延々と歩いてきただけに太陽の眩しさはことのほか強烈だ。ここからは巨岩の稜線を山頂まで辿るだけだ。


水場

下山時はロープに頼ることになる

溝の中を登る

もう少しで山頂


黒姫山山頂は360度の展望で全く遮るものが無い。頸城山塊、戸隠連山、白馬岳から朝日岳そして日本海まで連なる稜線、懐かしい山と憧れのルートが一望となっている。山頂には一等三角点があり、その横には山頂石柱が立っている。また大きな石祠があり、その手前には楕円形の石が供えてある。山頂で座り込んでフルーツゼリーと菓子パンをほおばった。日陰が無いので日差しをもろに受けるので暑くてたまらない。30分程度が限界で早々に引き上げることにする。


あそこが山頂だ

山頂まで続く道

青梅黒姫山山頂

パノラマ

山頂の社

寄進芳名録

これは瑪瑙か?

姫川特産の薬石と判明(ひつぞうさんに教えていただいた)

青梅黒姫山も石灰石採掘で削られる

ヒスイ海岸




駐車場に到着し着替えていると、下りてきた二人が「クマに出会った」と興奮気味に話しかけてきた。聞けば早朝に私が出会った場所と同じだ。クマは自分の縄張りがあり、エサがあればそこからあまり移動しないのかもしれない。


駐車場に戻った

登山口05:52--(.59)--06:51一本杉--(.48)--07:39子宝杉--(.20)--07:59金木平--(.34)--08:33西の河原平--(.56)--09:29青梅黒姫山々頂10:07--(1.00)--11:07金木平11:24--(1.27)--12:51登山口


群馬山岳移動通信/2019

この地図の作製に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50メッシュ(標高)を使用したものである。
(承認番号 平16総使、第652号)

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