廃スキー場から「沼上山」周辺を歩く
                                        登山日2017年3月11日


樹林の中のトレース

沼上山(ぬまがみやま) 標高1541m 群馬県沼田市


登り損ねた山はいくつもある。老神温泉の近くにある「峰山」もそのひとつだ。当時は開業していたサエラスキーリゾートを起点として、日光笠ヶ岳をピストンしたことがある。その時に登っておけばよかったのだが、あまりの疲労からとてもその元気は無かった。その後、近くまで通じる林道を辿ることも考えていたが、大型の獣が出没するらしいこともあり敬遠していた。この時期は笹薮も雪に覆われて歩きやすいのではないかと思い出かけて見ることにした。

3月11日(土)
2014年に廃業してしまったサエラスキーリゾートは、今はゴルフ場を営業しているらしい。しかし、冬季は積雪のため休止しているので道路の除雪を心配していた。実際に現地についてみると、施設の付近まで除雪がなされており一安心する。スキー場が廃止されて3年目という事もあり、ゲレンデは整備すれば使えそうな感じを受ける。しかし、スキーリフトの索道と架台は一部が残っており完全に廃止してはいないようにも思える。


サエラスキーリゾートの看板は残されている

除雪地点

バブル時代の遺物(今はゴルフ場のクラブハウス)

ゲレンデで軽食を提供していた建物もそのままだが営業はしていない

リフトは中途半端に解体されている

ゲレンデ上部は薮化がすすんでいる

スノーモービルの跡


とりあえずゲレンデの端を登ることにする。いきなりの深雪でありツボ足では歩きにくいのでカンジキを装着すると幾分は歩きやすくなった。スキー場の建物などはもったいないほど外観は整っている。これが朽ち果てるまで放置されるのはもったいない気がする。ゲレンデは整備されていないが、明らかにスノーモービルやスキーの痕跡が見て取れる。このゲレンデはなだらかなので人知れずスキーの練習をするには最適かもしれない。

それにしても寒く、量販店で購入した安物の毛手袋では指先が痛くなってくる。時折、ズボンのポケットに手を入れて温めることにする。足のつま先も同様に冷たくなるので、靴の中でなるべく足指を動かすことにした。普段は汗っかきの私だが、水分補給は必要なく汗もさほど出ない。

とにかくゲレンデをひたすら登っていく。私が歩いたカンジキのあとがゲレンデの雪上にジグザグのルートを描いている。朝方は雪がちらついていたが、天気は回復傾向にあるようだ。ゲレンデの最上部が沼上山の山頂なのだが、リフトの索道に沿って直登するのは無理なので、大きく右に曲がる林道の迂回ルートを選択する。

ゲレンデの上部にはリフト索道の土台のみが放置されている。周辺には無数の動物の足跡(キツネかな?)が残されていた。その先のこんもりとした場所が沼上山の山頂だ。かつてここに来た時の記憶と比較しようとしたが、15年も前の記憶を呼び出すことはできるはずもなかった。ここに来るまでに予定時間を30分以上オーバーしている。これが年齢のためなのか、積雪のためなのか、おそらく前者に間違いなかろう。


ラッセル

樹上の残雪

樹上の残雪

樹上の残雪

樹上の残雪

樹上の残雪

樹上の残雪


三ヶ峰に向かって歩きはじめる。カラマツの植林地の中は深雪となっていて歩きにくい。カンジキを装着していても膝のあたりまで潜ってしまう。こりゃ、目的の峰山には届かないと感じた。どうせだめならここで引き返して別の山に変更しようかとも考えた。しかし、この時期に計画を途中で変更するのはリスクが大きい。こうなれば雪山のラッセルを時間を決めて楽しむことにする。

カラマツの植林地が切れると雪が締まっていて歩きやすいのだが、樹林帯に入ると途端にラッセルとなる。急斜面ではカンジキでキックステップを繰り返して登る。しかし、足元が崩れてなかなか進むことが出来ない。

もうすこし、もう少しと思って登るのだが、遅々として高度を上げることが出来ない。奥白根山、錫ヶ岳、笠ヶ岳が木々の間から姿を見せる。奥白根山の山頂部はガスがかかっているところを見るとあまり天気は良くないのかもしれない。


深雪の斜面

標高1900m、この辺が限界

奥白根山が見える

帰路

沼上山から三ツ峰

三ツ峰を遠望する

戻ってきた


標高1900m、三ヶ峰山頂まであと130mを残すのみとなったが、時刻は正午を過ぎてしまった。無理をすれば何とかなりそうだが、この時期の山で無理をすれば重大な事故になりかねない。ここはあきらめて帰るのが最善の決断に違いない。
峰山は改めて作戦を立て直して登るしかないだろう。


林道除雪地点06:28--(2.05)--08:33沼上山--(3.06)--12:09標高1900m--(1.39)--13:48沼上山14:28--(1.01)--15:29林道除雪地点


群馬山岳移動通信/2017

この地図の作製に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50メッシュ(標高)を使用したものである。
(承認番号 平16総使、第652号)

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