「トロッコわたらせ渓谷鐵道」に乗ってみたいと思っていた
なかなかその機会がなかったが、仕事の区切りがつく年齢となり、ようやく乗車することができた。
あいにくの曇天で、天気予報は雨となっていた。
しかし、予約券を買ってしまったので強行することにする。
これがトロッコわたらせ渓谷号 |
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沿線の樹木が列車まで迫っているので手を出すと危険 |
草木トンネルは長いので飽きないようにイルミネーションが点灯する
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紅葉シーズンということもあり満席
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それにしても寒い
座席は板なので銀マット持参で正解
雨はふらなかったが念のために雨具を持参
ダウンジャケットでも寒いくらい
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足尾駅まで行くとなにもないので通洞駅で下車
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通洞駅
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さて昼食にしますか
人気のない道を歩いていく
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寂れた町では飲食店を探すのも一苦労。
グーグルマップで見つけた店に行くことにする。
店の前につくと暖簾が出ているので一安心。
引き戸を開けて中に入ると店主がこちらを睨んでいる。
恐る恐る靴を脱ぎ、上がり框を踏み台にして座敷に昇る。
テーブルは3席、どこに座ろうか迷っていると「寒いからストーブの傍がいい」と案内された。
メニューを見ていると、「うちは”とり丼”がおすすめなんだ。ウナギのタレで焼いてるから旨いんだ」という。
しかし、私は肉が好きではない。妻が”とり丼”、わたしは”天丼”を注文。
途端に「天丼は時間がかかるんだよね」と不機嫌そう。
そのうちに、もう一人の客が来店。
なにかオドオドしていると「お茶はそこにあるから自分で注いで持って行って」と指示する。
客はぎこちなくお茶を注いで、傍にあったおしぼりと割り箸を手に取った。
すると「おしぼりと箸はまだだよ」と大声。
客は「わたしは日本語があまりわからない」という。
どうやら日本人では無いらしい。
すると主人はとんでもない暴言「面倒なやつは来てもらっちゃ困るんだ。帰っとくれ!!」
「早く帰っとくれ、早く!」と追い出してしまった。
こちらはあっけにとられるばかり。
客はあまりの剣幕に出ていくしかなかった。
こちらはあまりの出来事に呆然とするばかり。
おそろしい店に入ってしまったものだと後悔したが後の祭り。
厨房では盛大に鶏を焼く煙が充満して我々のところから見えないくらい。
「わたしゃ78歳でこの店の4代目、店は160年の実績があり、うなぎのタレは天下一品なんだ」
「この店は道楽でやっているんで、面倒くさいことはやらない」
「儲けたって、健康保険の負担割合が増えるだけでなんにもいいことはない」
「FAXも面倒だからやめて黒電話にしているんだ」
まあ、ポンポンと持論を展開して止まらない。
かつてはここで結婚式を挙げたり、芸者さんがよく来たりしていて、ここには三味線が置いてあるんだと襖を開けて見せた。
そうこうしているうちに”とり丼”が出来上がり、時間がかかると言っていた”天丼”もすぐに出来上がった。
自慢するだけあって”とり丼”は肉が柔らかくタレも最高、こんな旨いのは食べたことがないと妻は言う。
”天丼”はそれなりだった。
あとで口コミを見たら終始緊張して正座して食べたとかの書き込みがあった。
まあ、分からぬでもないが、ある意味面白い店だった。
それにしても、追い返された客は可愛そうだった。
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懐かしいNHKラジオ「とんち教室」の柳橋さん |
とり丼 |
天丼 |
トロッコわたらせ渓谷鐵道の旅は記憶に残るものとなった。
群馬山岳移動通信/2023
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