立派な標識があるが簡単には登れない「堂岩山(八ッ場ダム)」
登山日2024年4月20日


山頂付近から八ッ場ダムの不動大橋を見る

堂岩山(どういわやま)標高988m群馬県吾妻郡
山仲間から八ッ場ダムの不動滝の上に「堂岩山」があると教えてもらった。何か簡単に登れるということだったので、暇つぶしに登ってやろうと考えていた。

4月20日(土)
朝方の農作業を済ませて、午後は時間ができたのでかねてから狙っていた八ッ場ダムの堂岩山に行ってみることにした。堂岩山は野反湖にも同様の名前の山があり、こちらはほとんど知られていない。簡単に登れるというので軽装備でアンパンとペットボトルの麦茶をザックに入れただげだった。大柏木沢湯河原トンネルを抜けて右折、300mほどで細い道を右折する、細い道だが舗装されており、共同墓地や稲荷神社を抜けて進むと広い駐車場で終点となる。ここはあまり知られていない場所のようでタイヤ痕も全くなかった。

駐車地点から遊歩道のような道が続いている。小さな仮橋も設置され、その先は擬似木で階段も設置してある。これはもうハイキングの領域で全く不安を感じない道である。道の脇にはハシリドコロやヒトリシズカが密生して咲いている。ルートは九十九折れ様になっているので急傾斜にもかかわらず順調に高度をあげていく。この道は整備されているにもかかわらず歩き人はあまりいないようだ。道の傍らにはヒトリシズカやハシリドコロの群落があるが、花が地味なのであまり面白くない。

登り上げたところが不動滝の滝上になるのだが、そこは帰りに寄ることにする。ここには立派な標識があり、堂岩山までは楽勝と思われた。標識に従って下降して沢を渡り左岸を伝って進んでいく。程なく今度は右岸に渡るが、此処から先は右岸の高巻きをトラバースするように赤テープがある。しかしその斜面は落ち葉が深くとてもそこを進む気になれない。


のびのびとした駐車地点

登山口

擬似木の階段

ハシリドコロ

ヨゴレネコノメ

ヤマエンゴサク

ヒトリシズカ

堂岩山頂へ1.6km


このまま斜面を上りトラバースすれば滑落の危険性は高くなるgだろう。そこでこのまま沢を遡上することにした。沢は水量も少なく歩くことは困難ではないが、滑ることを予想して慎重に登っていった。すぐに左に枝沢があり、そちらに登っていく。あいかわらす滑りやすいが滑ったところで大したゲガにはなるまい。枝沢を登るとすぐに立派な標識が現れる。しかしルートは依然として怪しく判然としない。

ともかく標識に従って斜面を登り上げると幅の広い道が出現する。しかし、これもわずかですぐに沢に降りて渡渉すると、再び沢状の場所を登っていく。しかし、このあたりから沢音はなくなり溝の中を登るような感じになる。進行方向の右はヒノキの植林地で薄暗くなっており不気味でさえある。かつては飯場があったのだろうか、一升瓶やパイプが散乱している場所もあった。

斜面を登りきると、再び標識があり、「堂岩山頂0.4km」とある。どうやらここが「みつまた」らしいが道型は判然としていない。堂岩山頂方面をみると斜面を下るように示している。それに赤テープも見られるがどうも様子がおかしい。地形図を確認するとこのまま直線的に斜面を登るのが正解と思われる。標識を試しに触ってみるとなんと回転するではないか。これなら風で方向が変わる事も考えられる。


ここを右の斜面に上がりトラバースする気にはならない

ルートもはっきりしないのに標識は立派

こんな表示もあるが意味不明

クマが大挙して登っているかと思った

ここも立派な標識。でも方角が違っていtるぞ

写真ではわかりに悪いが結構急な斜面


ともかく、定めた方向に従って斜面を登っていくが、これが斜度がきつく足元は落ち葉が積もっているので踏ん張りが効かないのだ。それでも斜面を登り稜線に到達すると、なんとそこにも立派な標識があり、「堂岩山頂0.2km」となっている。道もはっきりしないのに標識だけは立派なものである。稜線から先はスパッと切れ落ちており眼下には八ッ場ダム湖のコバルトブルーの湖面が見事だ。そこに架かる橋は両岸を繋ぎ車がひっきりなしに通行しているのがわかる。この光景を見るとまずは巨額の税金(約5320億円)が注ぎ込まれたプロジェクトと言うのがまずは頭に浮かんでくる。

稜線をそのまま進んでいくと、やがて山頂と思しき場所に到着した。いままであんなに立派な標識があったのに山頂標識はなかった。それに私製の標識もなくなにか達成感が半減する感じもする。今日は簡単に登れると思い、アンパンと麦茶だけという装備、それにヤッケも持ってこなかったので風がちょっと寒く感じる。展望は雑木でダム湖を全貌することはできない。アンパンと麦茶でお腹お満たしてすぐに下山することにした。


尾根に出ると標識が

丸岩大橋

山頂

不動大橋


下山は注意していたのだが、ルートを外してしまい、焦ったが5分程で引き返した。GPSの軌跡を見ると往路と復路に差が見られる。これは同じルートを辿っていないとも言える。それだけ不明瞭なルート選択だった。簡単に行けると思っていた堂岩山はリスクのある山だったと言えるだろう。

帰りは不動滝の上まで道を外して辿ってみた。バランス感覚の劣化した高齢者にはなかなかスリルのある道だった。
下山してから不動滝を見上げると、いままであんなところにいたのかとちょっとばかり身震いした。


不動滝の上から

あまり見ないでね

不動滝


11:38登山口--(.29)--12:07不動滝上--(.52)--12:59みつまた--(.17)--13:16稜線--(.09)--13:27堂岩山山頂13:44--(.59)--14:43不動滝上14:52--(.14)--15:06登山口

群馬山岳移動通信/2024


この地図の作製に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50メッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平16総使、第652号)