雪まみれの一日「鬼ヶ面山」「西ボッチ」「東ボッチ」   登山日2012年12月9日



鬼ヶ面山(おにがつらやま)標高1271m 栃木県那須塩原市/西ボッチ(にしぼっち)標高1410m 栃木県那須塩原市/東ボッチ(ひがしぼっち)標高1310m 栃木県那須塩原市


12月9日(日)

那須高原マリアの家から猫爺さん、旅人さんと三人で沼ッ原調整池周辺の山を歩くことにした。事前に旅人さんが道路状況を確認してくれたおかげですんなりと登山口に到着した。沼ッ原調整池への道は12月21日から通行止めだが、この分では雪のために強制的に通行不能となるだろう。今日の所は雪の降り方はあまり強くないので問題ないだろう。

「鬼ヶ面山」
鬼ヶ面山は「鬼が面山」とも書くが日本山名事典に従うことにする。
エアリアマップでは沼ッ原調整池からの道が記されているが、山頂近くまで通じている林道を辿ることにする。林道入り口はチェーンが取り付けられて一般車は入ることが出来ない。旅人さんのラッセルに続いてセカンドで楽ちんで歩いていく。猫爺さんはトレースを膝の痛みに耐えながら脚を上げないで歩いてくる。完治するにはもう少し時間が掛かりそうだ。もっとも日本中の山を歩き通したわけだから、膝が悲鳴を上げるのは仕方ないことか。

林道は分岐もあるが、大通りを歩いていれば迷うことはなさそうだ。

林道終点はフェンスで囲まれた沼ッ原調整池と同じ標高にあるサージタンクが、巨大な建造物として建っている。ここから沼原発電所に向けて500m近い標高差を一気に水を落とすのだ。しかしこの付近は静かでそれだけの水が行き来しているようには見えない。フェンスの左側を沿うように登り藪の中に入る。私がノロノロしているうちに旅人さんは三角点峰に到着して降りてくる。この先に10mほど高い場所があるという。さっそく藪の中に消えていってしまった。後を追いかけてその最高点に到着したがそこは単なる登山道のようで、半分欠損した日光山紀行さんの標識がなければわからないような場所だった。道はこのまま続いているがおそらく沼ッ原調整池に行く道なのだろう。

猫爺さんは三角点峰に到着してこちらを呼んでいる。そちらに向かい三人で記念撮影をしてから下山した。



12月21日から通行止め

林道分岐

林道はサージタンクで終了

サージタンクを上から見る

藪に突入

鬼ヶ面山(1271m峰)

三角点峰

鬼ヶ面山三角点峰(1262m)



「西ボッチ」
鬼ヶ面山山頂では日射しもあったが、沼原池の広い駐車場に着いたときは大雪となっていた。ともかくいけるところまで行って見ることにする、

沼原湿原に降りてから木道を進む。トップは相変わらず旅人さんが務める。湿原を過ぎると旅人さんが林の中を指差す。みればピンクテープがそれこそ隙間なくぶら下がっている。これでは迷いようがないと思う。思わず二人で苦笑してしまった。猫爺さんはちょっと遅れ気味だが、こちらで先行してルート工作をしておけば登りやすいだろうと判断して先に進むことにする。するとすぐに見慣れない四角錐の人工物があり、丁寧にも金属のカバーが掛けてある。カバーを外してみると、治具のような金属製の台が埋め込まれている。二人とも使用目的がわからず首をかしげるばかり。傍には電源開発(株)の標識があったが、今年の3月で期限が切れていた。

ここからは笹の密藪との闘いとなる。身の丈を越す笹の葉には雪が積もり、おまけに笹は下に向かっている。笹の中に入って通過しようと思うと雪を全身に浴びることになる。すぐに雪だるま状態となった。カメラは肩ベルトに付けているのだが、これではどうしようもないのでパンツのポケットにいれることにした。また首の隙間から雪が侵入するので、ユニクロのウインドヤッケを着てフードを被った。

旅人さんが先行して歩いているのだが、その後は雪が落ちてみどり色の笹が筋となってルートを示している。しかし、それも絶え間なく降る雪で瞬く間に白くなるほど雪は強い。さすがの旅人さんもペースが落ちてきたのでトップを交替したが、何というつらい作業なのだろう。息は上がるし足下は滑るしとてもペースは上がらない。おまけにストックで笹の雪を払っていたら、先端が抜けてしまった。ひやりとしたが、笹にぶら下がっているのを発見して事なきを得た。ふたたび旅人さんが先頭に立ちどんどん進んでいく。もう還暦じじいの出番は無いようだ。

やっとの事でたどり着いた西ボッチ山頂は展望は無く、大雪が降り続き心地よい場所ではなかった。

山頂で15分ほど猫爺さんを待ったが、姿が見えないので下山することにした。猫爺さんは膝の痛みに耐えかねて途中で引き返したらしく、雪面の足跡は駐車場に向かっていた。その通りで駐車場手前で猫爺さんと合流して戻った。



沼原湿原

湿原の中の木道

謎のコンクリート柱

期限は平成24年3月31日(切れてるぞ)

藪の中へ

もっと中へ

藪の中に消える

西ボッチ山頂

西ボッチの三角点

西ボッチで記念撮影



「東ボッチ」
西ボッチから戻り、時間がもったいないのでそのまま東ボッチに向かう。
広い林道を北東方面にたどり、途中から西に向かった。顕著なピークはなく、だだっ広い林の中を歩いていく。こうなるとGPSに頼らざるを得ない。ここでも旅人さんが先行してその山頂を特定した。それにしても山頂とは言い難い場所で、こんな寂峰にこそ達筆標識が欲しいと誰もが思ったに違いない。降りしきる雪と寒さに震えながら、本日最後の山頂を三人でじっくりと味わった。

山頂からは出来るだけ短い距離で戻ろうとした。西方向に向かうと2分ほどで立派な道に突き当たった。それを辿るとわずかな距離で駐車場に到着した。落ち着いて地形図を見れば、この道はしっかりと表記されていた。駐車場に着くと一時的に方向音痴となっていた感覚が一気に戻った。



東ボッチ山頂の旅人さん

猫爺は雪まみれ

鎮爺はへろへろ

三人で記念撮影



「鬼ヶ面山」
林道入口09:29--(.39)--10:08林道分岐--(.24)--10:32サージタンク--(.14)--10:46最高点--(.06)--10:52三角点峰11:03--(.50)--11:53林道入口

「西ボッチ」
駐車場12:14--(.12)--12:26沼原湿原--(.09)--12:35藪へ--(.46)--13:21西ボッチ13:37--(.34)--14:11駐車場

「東ボッチ」
駐車場14:15--(.22)--14:37東ボッチ14:48--(.02)--14:50林道--(.06)--14:56駐車場




この地図の作製に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50メッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平16総使、第652号)