富士を見ながら登る「甘利山」「千頭星山」「御所山」
登山日2021年11月19日


甘利山からの展望

甘利山(あまりやま)標高1731m 山梨県韮崎市・南アルプス市/奥甘利山(おくあまりやま)標高1843m 山梨県韮崎市・南アルプス市/大西峰(おおにしみね)標高2066m 山梨県韮崎市・南アルプス市/千頭星山(せんとうほしやま)標高2139m 山梨県韮崎市・南アルプス市/御所山(ごしょやま)標高1893m 山梨県韮崎市

そろそろ林道の冬季閉鎖が始まる季節となった。甘利山公園線は11月24日から閉鎖となるということだ。そこで閉鎖前にかねてから考えていた千頭星山に登ることにした。

11月19日(金)
甘利山公園線は舗装されているが、細いうえにカーブが多いものだから対向車に注意しながら進む。(幸いにも一台の軽自動車とすれ違ったのみ)起点となる駐車場は広くゆったりとしている。もっともここの駐車場は、宿泊施設のグリーンロッジが10月いっぱいで、今シーズンの営業をやめたこともあるのだろう。ゆっくりと着替えて、トイレを利用してから出発だ。

標識に従って進むとすぐに東屋が設置された場所に着く。ここは展望がよく山頂部分が冠雪した富士山が大きく見える。しかし、その姿はあいにくとスッキリとは見えていない。それがむしろ幻想的でもあるように見える。東屋からさらに進むと方位版とベンチのある草原状の場所に出る。方位版の説明を見ればここは「鍋頭(なべあたま)」という場所らしい。ここも富士山が美しく見える。木道の道を辿って登り上げると甘利山山頂だ。周囲は木が伐採されたのだろう、笹原となっており展望に優れている。富士山を中心にして左が三ツ峠山などの大月の山々、右は精進湖の毛無山あたりになるだろう。しかし、ピークを特定しようとしても、どうにも自信がない。振り返ると八ヶ岳が見えるが、編笠山、権現岳、赤岳などが重なって見えるものだから判然としない。しばらく景色を楽しんでから先に進むことにする。

甘利山からは一旦下ってから、登り上げていく。先程までいた甘利山山頂の刈り払われた部分が次第に眼下に遠ざかっていく。終始富士山を見ながらの気持ちの良い登りが続いていく。途中で右に登り上げる道があり、登山道からわずかに登るとそこが「奥甘利山」だった。展望は富士山方面が良く見え、ツツジの花の季節ならばさらに見栄えがすることだろう。


グリーンロッジ駐車場

登山口

東屋の展望場所から見る

整備された登山道

甘利山山頂

奥甘利山分岐



奥甘利山からはわずかに下降してから、カラマツ林の道をだらだらと歩いていく。しかし、道は次第に傾斜を増し登山道らしくなってくる。それでも道はよく整備されており不安なところは全くない。ここで単独行の登山者とすれ違った。すれ違った後に声が掛った「手袋を落としませんでしたか?」見ればポケットに入れておいた手袋が無くなっていた。ありがたく礼を言い分かれた。ワークマンで買った安物だがこれが無いと今日の山行はつらいものになるはずだ。

道はやがて分岐し右は「御所山・青木鉱泉」、左は「千頭星山」だ。まずは千頭星山に向かって笹原の中の道を歩いていく。この付近は明るい雰囲気で気分が高揚する。それにしても標高2000mを越えると空気がひんやりして、立ち止まると寒さを感じるようになる。ちょっとした木陰の下を通るだけでその影響をさらに感じる。道の脇にはわずかに雪の痕跡が見られたが全く問題ない。実は2000mを越えるということで軽アイゼンを持ってきたが使う場面は全くなさそうだ。

千頭星山山頂は展望もなく標識と標柱、そして三角点があるだけだ。周囲が木々に囲まれているためか、立っていると寒くなってくる。この先に展望の樋場所があるらしいのでそちらに移動することにした。樹林の道を10分ほど進み、下降してからわずかでそれらしき場所に着いた。目の前が開け、大馴鹿峠までの恐ろしいような急降下の斜面、足元が前に進むことを躊躇うようだ。そしてその峠から辻山に至る大崩落地だ。いまでも崩落が続いているのだろう。樹木は一切なく鬼の爪でえぐったようになっている。その辻山の稜線を辿ると鳳凰三山となり、右端には地蔵岳のオベリスクの尖塔が際立って見えている。菓子パンと麦茶を飲んでから引き返した。

千頭星山から分岐まで戻る途中で大西峰を目指して登山道から離れ、笹原の中を登ると標識が2枚ある大西峰山頂に到着した、そのうちの一枚はKUMOの標識に似たものだった。展望は無く標識が無ければ気が付かないような場所だった。時刻は11時なので、まだまだ行動できる。一旦登山道に降りてから、御所山に向かって歩き出す・


千頭星山に向かう気持ちの良い道

いい感じ

サルオガセの森

千頭星山

展望地から見る(左端遠望は八ヶ岳)

辻山から鳳凰三山に続く山並み

崩落地


道は最近刈り払いがされたのだろうか?とてもよく整備され、ピンクテープも頻繁につけられている。周囲はサルオガセが幻想的な雰囲気を出している。道はなだらかに下降していく。その途中で「小西峰」にも寄ってみる。ここは登山道から数メートル離れた場所にあり「恩五四」の標柱があった。場所の確認だけして先に進んだ。多少のアップダウンはあるものの、さしたる変化もなく快適な道をどんどん進んでいく。

御所山の山頂はやはり刈り払いがされて三角点が見えている。標識は2枚あり、その一つは達筆標識だった。取り付けられてから25年経過しており、文字は消えかけているがその存在感は相変わらずだ。ここからは青木鉱泉に向けて一気に下降するような道が続いていた。間近には天を突き上げるようにオベリスクが見えており、その奥には甲斐駒ヶ岳がどっしりと構えていた。ここでお湯を沸かしてカップラーメンを作り、昼食の大休憩とする。ラジオでは大谷翔平選手がアメリカンリーグのMVPを獲得したと伝えている。ものすごいことをする若者がいるものだと、異次元の日本人に拍手した。そんなことをして一時間近くもゆっくりと過ごしてしまった。


千頭星山と大西峰の途中

大西峰(なぜか右から左に読む)

刈り払いされた御所山への道

御所山山頂

小西峰山頂

達筆標識(1996年設置)

地蔵岳のオベリスク

甲斐駒ヶ岳

三角点の上でお湯を沸かす

自宅で収穫したミカン


帰りは気持ちに余裕が出来たこともあり、富士山の姿をゆっくりと眺めながら緩々と下山した。甘利山山頂を再度踏んでから往路とは別ルートで下った。
グリーンロッジでは目立てをしていない感じがするチェーンソーのエンジン音が響いていた。駐車場で着替えをしてから帰路に就いた。


甘利山と富士山

甘利山の木道



「記録」
07:44駐車場-(.06)--07:50東屋07:52-(.18)--08:10甘利山08:12-(.34)--08:46奥甘利山-(.44)--09:30分岐-(.27)--09:57千頭星山10:00-(.08)--10:08展望地10:22-(.29)--10:51大西峰11:03-(.11)---11:14小西峰-(.22)--11:36御所山12:33-(.45)--13:18分岐13:32-(1.02)--14:34甘利山14:45-(.18)--15:03駐車場

群馬山岳移動通信/2021


この地図の作製に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50メッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平16総使、第652号)