十石峠、紅葉の山「天望山」   
登山日1996年10月19日


天望山(てんぼうやま)標高1471m 群馬県多野郡
天望山山頂
10月19日(土)

 久しぶりにスクーターでツーリングを兼ねて、紅葉見物に出かけた。行き先は上信国境「十石峠」付近の山で、「天望山」と言う名前の素晴らしい山だ。

 下仁田町から南牧村を通り、塩ノ沢峠を越えて上野村にはいる。ところが「天狗岩」の登山口を通過して、しばらく下ったところでなんと全面通行止めとなっていた。道にはご丁寧にも番人がいて、スクーターでも通過はできないと首を横に振った。期間は12月13日までなので、この地域の紅葉シーズンの観光は事実上不可能となったわけである。

 しかたない戻って「御荷鉾スーパー林道」に入って住居附を抜けて上野村に入るしかない。ガソリンタンクが4リットル弱のスクーターにとっては、これはかなり痛い。

 上野村の乙母に出て西に向かうと道は素晴らしい車道となった。しかしこの道も上野村の中心地を過ぎると狭くなり、十石峠へ道は続いていく事になる。最初のうちは舗装されていて、快適なのだがやがて舗装も切れて悪路に変化してきた。スクーターはあまり悪路には強くないので、慎重に道を選びながら登っていく。道は狭くガードレールも途切れているので慎重にハンドルを操作する。

 それにしても今日は天候が良く、紅葉が青空をバックに良く映えている。そんな景色に見とれながら標高を稼ぐと、道は再び舗装路となった。これで少しは楽になったが、道の勾配がきつくなりスクーターは喘ぎながら登っていく。それと共に燃料計が底に着くようになった。予備の燃料は1リットルを持っているので、少しは気が楽なのだが内心は落ちつかないものがある。

 そのうちに道の左側に廃屋が現れた。エアリアマップでは作業小屋跡と書いてあるが、どうして立派な建物で、歴史的な建物として保存してもよさそうな佇まいを見せていた。さらにその庭先には大きな石碑があり「「水の戸」「右十石佐久町」「左万場秩父市」と書いてある。さて地形図を取り出して「天望山」にコンパスをセットした。

 建物の左に沢が流れており、ちょっとした水場になっている。どうやら道はこの沢を登るしかなさそうだ。ほかは笹薮なのであまり入り込みたくないのが本音でもある。そこで沢の中に入り、ぬかるんだルートを辿る事にした。その沢沿いの道も数十メートル登ったところで道が現れた。笹薮の中のかなりハッキリした道なので歩き易い。しかしちょっと気持ちが悪いので、ザックに鈴を取り付けて置いた。

 更に進むとなんと幅の広い道が現れた。これなら軽自動車程度なら走行できそうな道である。この道はコンパスで確認すると、どうやら山頂に向かっていると思われるので、このまま歩く事にした。結果はその通りで、山頂の下部まで続いていた。最後の薮を登ると、そこには三等三角点が埋め込まれており、山頂である事が確認できる。山頂標識はなく、山の名前とは裏腹に展望は全く無かった。

 山頂では430Mhzで交信して、さっさと下山した。

 帰りはそのまま佐久に向かい、紅葉のなかの林道を十分に楽しみながら向かった。そして内山峠経由で帰宅した。本日のスクーターでの走行距離は160kmだった。
(途中で余地峠越えに挑戦したが失敗したために、こんな距離になった)


「記録」

 作業場跡11:28--(.17)--11:45天望山12:04--(.10)--12:14作業場跡



                    群馬山岳移動通信 /1996/