「大崩山(西上州)」は春の気配    登山日1995年4月1日


大崩山(おおぐいやま)標高461m 群馬県甘楽郡

 4月1日(土)

 朝起きていつものパターンで「さて、何処に行くか」と考える。しかしながら、今日はなかなか決まらない。そこで3月12日に赤地さんが登った「金剛萱」に行く事に決めた。そしてついでに、「大崩山」にも立ち寄る事にした。

 ミニバイクで乗り出すが、さすがは春である、暖かく風が心地よい。下仁田町の中心部を過ぎて南牧村に続く道にはいる。途中「跡倉」の信号を左折する。しばらく進むと右に「下仁田町立青倉小学校」があり、その先に左に入る道がある。そこには橋が架かっており、「関平橋」と名が記してあった。また傍らには「林道ハマイバ線」の標識も立っていた。この橋の付近からは、「大崩山」の全体像が見える。北側は切り立った崖で、なかなか迫力がある。

 林道はダートだがなかなか走り易く、車でも十分通行可能である。林道を進むとなにやら目指す「大崩山」から離れていくようである。すると左に細いわき道が見えた。これはミニバイク以外では通行出来そうにない道だ。しかしこの道も150メートル程で、勾配がきつくなりミニバイクも進む事が出来なくなってしまった。周りは鬱蒼とした杉の植林地だ。しかたなくミニバイクはここに残置する事にした。

 ここから道は分岐しているが、左の畑の中の道に入る。入り口には赤と白のドラム缶が放置してあった。畑の中の道と言うものの、かつて畑であったろうと思う形跡のあるだけで、いまでは杉の幼木が植えられていた。畑の縁に沿って満開の梅が植えられており、その下に道が付けられていた。道はほぼ水平に続いており、やがて尾根に突き当たった。そこには伐採された木材が放置されていた。その尾根に沿って微かな踏み跡が上部に向かっていた。

 この尾根の踏み跡に沿って少し登ったが、なにか「大崩山」からは離れて行くような感じがする。そこで、適当なところで左側の斜面を斜めに登る事にする。そこは雑木と桧の植林の境で比較的歩き易かった。

 やがて稜線に登り上げると、そこは樫の木が数本、緑色の葉を保って立っていた。その先は断崖絶壁で、下には栗山川が春の陽を受けて流れていた。ここからは痩せた稜線の道を歩く事になる。小さなコブをいくつか越えて行くと、ちょっとした岩場があり、イワヒバが密生しており、そばには松の木が数本立っていた。その先には早咲きのものであろう、西上州の春を彩るムラサキヤシオが二株満開で咲いていた。やはりこの花を見ると春を感じる。さらに進むと最後の急斜面があり、潅木につかまりながらひとしきり登るとそこが山頂だった。

 山頂は比較的さっぱりとしていて、明るい感じがする。北側の木の一本に「KUMO」がとりつけられていた。しかし痛みが激しく、白いペンキが何カ所か落ちて「K」「O」は完全に無くなり消えていた。山頂からは下仁田の町並、西上州の山波が春の霞の中に浮かんでいた。

 またこれから向かう「金剛萱」がふたつの山頂部のピークを見せていた。


「記録」

 林道終点10:34--(.14)--10:48稜線--(.05)--10:53山頂11:12--(.12)--11:24林道


                 群馬山岳移動通信 /1995/