初冬に登る西上州「物語山」   登山日1993年12月4日


物語山(ものがたりやま)標高1019m 群馬県甘楽郡
山頂から妙義山方面
 今から18年前に安中から内山峠(旧道)を越えて佐久の初谷鉱泉まで歩いた事がある。この時は4月中旬だと言うのに雪に見舞われ、滑り易い国道をおそるおそる歩いた。そしてなぜか国道沿いにある[ハイキングコース物語山徒歩90分]の看板が印象にある。おそらく山名の面白さからかもしれない。その後何度か行こうと思ったがその機会を失っていた。

 12月4日(土)

 今日は久しぶりにミニバイクでの移動だ。出発前に赤地さんの書き込んだファイルを読み見直しておく。

 下仁田町から国道254号線を佐久に向かって走る。道平ダム(荒船湖)の手前左側に大きな物語山への看板が設置してあり、その指示に従ってわき道に入る。道はすぐに橋を渡り沢沿いに登っていく林道に入る。路面はかなり荒れている。石がゴロゴロしているし、所々水が流れた跡が道を横切って段差となっている。これでは乗用車では無理であろう。それが証拠にパジェロなども途中に駐車してある。ミニバイクはその横を何とか石を避けながら登っていく。林道をひとしきり登ると「←物語山45分」の標識が現れる。ここにミニバイクを止めて歩く事にする。標識の時間を信じればミニバイクを使う事で片道45分を短縮した事になる。

 道は一旦沢に下りて再び登って行く。かなりの急登だ。登り始めてすぐに中高年の(自分も中年だが)女性2人男性1人の登山者を追い越す。男性はラヂオのスイッチを入れたままで歩いている。しかしこの谷間では受信状態が良くないらしく、音声らしきものは聞こえているが殆ど雑音だ。道は本当に勾配がきつい、足元は偏平に近い石が敷き詰められて石と石がぶつかるとカラカラと軽い音がして山に響きわたる。その偏平に近い石を積み上げて作った炭焼き窯がある。中を覗いたが苔があるだけでなにも居なかった。道を下を向いて歩いていると、ときどき紫色の鳥の糞が石の上にあるのが目立つ。何の実なのだろうか、ヤマブドウの残骸があったところをみるとそれかもしれない。

 登山道はやがて広々としたコルに着く。立派な標識があって[西峰3分−物語山15分]と書いてある。とりあえず西峰に行く事にする。雑木につかまりながら登ったら本当に3分かかった。なかなか標識で時間が合っているのはない。展望台で一息入れて再び物語山に向かう。雑木の中を登りピークを一つ越すと道はなだらかになりやがて物語山々頂(1019m)に着いた。妙義山方面と浅間山方面が開けていて展望を楽しむ事ができる。今年は暖かい事もあって上信越の山は雪があまり見られない。ふと見ると物語山南峰が木の間に見える。なにかそちらの方が標高が高そうに見える。気になってそちらに行ってみるとやはり本峰の方が高そうに見える。ひとまず山頂三角点のある本峰に戻って休む事にする。

 食事をとり、無線機のスイッチを入れめぼしい局をつかまえて2局とQSOする。QSOを終わると、登って来るときに追い越した3人がやって来て不思議な顔で見ている。「仕事ですか」と聞いてきたので説明するのも面倒なので「そうです」と適当に答えて山頂を後にした。

 下山では単独行1人、老夫婦2組と会った。久しぶりに登山者と出会う山に来た感じがした。再びミニバイクに乗り今度は御堂山に向かう。



「物語山」

登山口10:25--(.26)--10:51コル--(.03)--10:54西峰10:57--(.01)--10:58コル--(.09)---11:07物語山々頂11:59--(.04)--12:03コル--(.12)--12:15登山口

                          群馬山岳移動通信 /1993/