下仁田の山で思いがけない収穫「三峰山」     登山日2006年2月11日    



三峰山(みつみねやま)標高616m 群馬県甘楽郡



常光寺
昭文社発行の山と高原地図(エアリアマップ)を見ていると、さまざまな山の名前が目に入ってくる。すでに西上州の2万5千分の1の地形図に表記されたピークは登り尽くしているが、こうやってみるとまだまだ楽しみは尽きないようだ。

2月11日(土)

今日は半日で簡単に登れる山という条件で、下仁田町の山に向かった。自宅から30分程度で登山口だから、簡単に登る条件としてはピッタリだ。南牧村との境に近い、宮室の集落で駐車余地を探すが、軽トラックといえどもそう簡単に停車するところはなかった。ふと見ると、目指す三峰山の麓に大きなお寺があるのが目に付いた。何とかなるかなと思い、そこに車を乗り入れた。すると案の定、大きな駐車場がそこにあった。お寺は「天台宗常光寺」で立派な佇まいであった。黙って駐車していくのも気が引けたので、お寺に挨拶行った。すると奥様らしき人に対応していただいた。「裏山に登るのですが、車を一台駐車させていただけませんか?」「空いておりますから、どうぞご使用下さい」これで安心して山に登ることが出来ると喜んだ。
TVアンテナの残骸

 寺の左脇を抜けて山に入るが、いきなりの急斜面でとても簡単には登れない、雑木に掴まって、やっとの思いで身体を支える状態だ。地形図を確認することも無駄なので、とにかく上部に向かって一直線だ。

 急斜面を喘ぎながら登ると、電柱と碍子が転がっていた。妙なものがあると、その意味を考えながら登ると、すぐにその答えがわかった。ちょっとしたコブの場所にあったものはTVのアンテナだった。今ではケーブルテレビが普及したので無用になったのだろう。まだ充分使えそうなものが転がっていた。
鳥居

 ここからは檜の植林地となり、傾斜も緩やかになった。それに何となく踏み跡らしきものも感じられるようになった。さらに進むと再び傾斜が強くなってきたが、ここで道はハッキリと感じられるようになった。さらに右下の植林地内には道が続いているのがわかった。「帰りはここを下降して行こう」そう思った。

 植林の道をなだらかに登ると鳥居が見える。近づいてみると古ぼけた鳥居で「富士浅間神社」の文字が読みとれる。ここからは神社の参道と言うことになるのだろう。道は再び雑木林となり、急登となった。展望はハッキリとしないが、木々の間から四ッ又山、落沢岳、しれいた山が見え隠れする。そして急登を登り詰めると4坪ほどの平らな場所に石祠がある山頂に到着した。石祠は「紀元二千六百年」を記念して建立されたものらしかった。今でも信仰を集めているのだろうか。まだ新しい幣束が下げられていた。

山頂の山頂の石祠)
鹿の角ゲット
三峰山とは三つのピークがあるはずなので、ここが最高点としても。他のピークにも行ってみたいので、さらに先にある南のピークに進んだ。一旦下降してわずかに登り上げると、急に騒音が聞こえてきた。眼下には石灰工場が稼働中で、その騒音がここまで聞こえて来ていたのだ。何の取り柄もないピークなのでさらに周辺を散策する。

 すると見慣れないものが転がっている。それは鹿の角で、拾い上げてみるとずっしりと重い。今まで山登りをしているが、鹿の角に出会ったのは初めてだ。なにかお宝を拾ったようで、妙にワクワクしてしまった。落ちていたのは一本なので、もう一本無いものかと探したが、見つけることは出来なかった。ザックに入れたがはみ出してしまうので、先はタオルを巻いておいた。再び山頂の石祠に戻り、今日の収穫に感謝して賽銭を供えた
里宮

 帰りは、先ほど見つけておいた植林地の下降ルートに入った。実に快適で、あっという間に下ってしまった。その終点は神社で、鳥居が陽の当たり始めた村を見おろしていた。






「記録」

常光寺08:30--(.37)--09:07TVアンテナ--(.12)--09:19鳥居--(.11)--09:30山頂10:15--(.05)--10:20分岐--(.11)--10:31神社--(.08)--10:39常光寺


この地図の作製に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50メッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平16総使、第652号)