初冬に登る西上州「御堂山」    登山日1993年12月4日


御堂山(みどうやま)標高878m 群馬県甘楽郡
山頂から見る妙義山
 国道254号を内山峠から群馬に下ってくると奇妙な形をした「じじ岩」「ばば岩」が見える。その奥にあるのがこの御堂山だ。

 この山に付いては渋沢さんの書き込みを読んで来た。特に「車の場合、道が良くないので早めに車を止めて歩いた方が良い」とのコメントが印象に残った。


 12月4日(土)

 物語山から国道に出て今度は下仁田方面に走る。藤井関所跡の道を左に入る。今度も未舗装の林道だ。ある意味では物語山の時よりも悪い。勾配もきついのでミニバイクは悪路を喘ぎながら登っていく。林道終点に着くとなんと軽乗用車が1台停車している。よくもこんな所まで来たものだと関心してしまう。さぞかし車の底を痛めたのではないかと心配してしまう。

 林道終点には御堂山登山口の標識が設置してある。それにしたがって杉林の中に入っていく。始めこそ薮があり枝が邪魔だったがやがてそれも無くなり歩き易くなった。沢沿いの道を忠実に10分ほど辿ると沢が二分する。左の3m程度の滝がかかっている方が正式なルートとなるので慎重に滝の上部に回る。ここは沢の水量が多い場合かなり危険だ。(現に下山の時は落ち葉の為にかなりの緊張感があった)

 道は分かりにくい事もなく何とか踏み跡を辿る事が出きる。やがてコルに近づくころになると吹き溜まりになっているのだろうか、落ち葉の量が多くなって踏み跡が不明となった。しかし見当を付けて歩くと標識が現れた「じじ岩ばば岩−御堂山」と書いてある。左を見ると奇妙な岩が見え、あれがじじ岩ばば岩かと納得した。今回は時間がないのでここには行かない予定だ。渋沢さんの書き込みだと1時間かかると書いてある。渋沢さんに再びお会いしたら、じじ(岩)を見た事にして我慢する事にする。

 標識から数m程進んで右の傾斜のきつい坂道を尾根に向かって登る。尾根からはなだらかな道を歩く。目指す御堂山が大きく見えるところで道が分かれる。左になだらかな下り坂、右に明瞭な傾斜のやや強い下り坂で、暫く悩んだが左の道を行く事にする。するとまた道が分かれ、今度は左にややトラバース気味に下っている。これは不安なので上に向かう。すると今度は数mで左にトラバースする道へと変わっていく。これを進むとちょっとしたコルにでる。ここには標識があり御堂山の位置を示している。

 コルからはいたるところに踏み跡がある。これは急坂で登りにくいので木につかまりながら登り易い所を登るのと、下山の時に適当に直線的に下ってしまうので、こんな風になってしまっているのだと思う。踏み跡が不明でも要は上を目指して行けば問題ない所だ。傾斜が緩やかになると山頂はわずかだ。

 御堂山々頂(878m)に着くとまず目に入るのが表妙義山の大きい姿だ。いつも見慣れた姿とは違って堂々とした感じがする。なかなか見応えがある。しかし中ノ岳神社の駐車場の姿と、時々聞こえてくるバイクの音が気になる。山頂には既に登山者が一人いてつい話し込んでしまった。林道終点に止めて会った軽自動車の持ち主だ。松井田山岳会の会員で共通で知っている人が居たのでそれから始まっていろいろ西上州の情報を教えてもらった。カップラーメンを食べるためにコンロにライターで点火しようとしたがなかなか火が着かない。すると「私も教わったのだがライターはいつもズボンのポケットに入れておけばいいんだ」そういってライターをズボンのポケットからとりだし見事に私のコンロに火を着けた。今年、群馬岳連はサガルマタに挑戦しているがその中の人から教わったそうで、8000mでも100円ライターで火が着けられるとの事だった。

 山頂では1局とQSOしたのみで下山した。しかし今日は久しぶりに山で人と話しが出来たうれしい1日だった。


「御堂山」

登山口12:46--(.20)--13:06コル--(.11)--13:17山頂下のコル--(.13)---13:40御堂山14:36--(.18)--14:54登山口

                          群馬山岳移動通信 /1993/