2000階段と子王山(藤岡市)登山日1996年6月23日


子王山(こおうやま)標高551m 群馬県藤岡市

 最近地形図に記載された山がある。それは群馬県藤岡市の「子王山」で、平成5年発行の地形図に記載がなされた。それまでは記載が無いばかりか、近くの「椚山」集落の名前が誤用されて、椚山の名称がそのピークには付けられてしまっていた。

6月23日(日)

 子供がどこかの山に行きたいと言い出した。梅雨の晴れ間とはいえ、空はどんよりとしていて、たいしたところへは行けそうにない。これと言った計画もないままに自宅を出発した。さて何処へ行こうかと迷った挙げ句に決めたところが「子王山」だった。

 藤岡市にはいり鮎川に沿って「日野」の集落を目指す。すると「二千階段」「藤岡市立南中学校」の二つの標識が現れる。標識に従って直ぐに鮎川に架かる橋を渡り左折する。道はかなり狭く、この地区の生活道路で軽トラックを念頭にした道幅である。この道を上っていくと所々に標識があり、それに従ってさらに進み「印地」の地区に入る。すると大きな駐車場と売店があるところに着いた。売店には、この地区の婦人達の社交場ともなっているようで、なかなか賑やかだ。
「子王山はこの二千階段を登ったところにあるんですか?」そう尋ねた。
「その通りだ。登るのかね」そう聞かれたのでうなずいた。
「ゆっくり登らないと疲れよ」そう言って私の巨体を、上から下まで見渡した。

 支度をして子供を先頭にして歩き出した。最初はもう実をつけている藤棚の下をくぐり中に入る。その藤棚が切れたところから階段が始まっていた。本当に二千段あるのかはじめは数えてみたが、なんと百段毎に杭が置かれていたので、あっさり数えるのは止めた。

 この階段は間伐材を利用しており、なかなかこのアイデアは素晴らしいものだと思う。ただし何処も同じであるが、やはり維持管理は難しいらしく所々朽ちている階段もあった。道ばたには様々な低山の植物があり楽しめる。今日は「ホタルブクロ」「マムシグサ」「ヘビイチゴ」が特に目に付いた。またトカゲが多く何度もチョロチョロとしているのに出くわした。

 五百段を越えたあたりから、子供と差が付いてきてこちらは汗だくになってしまった。七百段を越えて少しいくと、「女坂」と「男坂」の分岐になった。見れば男坂は斜面を一直線に登っており、女坂は車道のような広い道になっていた。当然、男坂を登っていくことにする。

 登り初めてさらに子供とは差が付いてしまって、「ファイト」などとかけ声をかけられる始末だ。それでもなんとか登り切り再び女坂と合流する事になった。ここからはちょっとしたコルに下り、再び登りあげることになる。しかしなんとこの水平の道にも間伐材が置かれて、階段の数を合わせているようだ。水平の部分に至ってはただの邪魔な材木でしかない。

 そしてやっとの思いで階段を登り切るとそこは、ちょっとした広場になっていた。そこは望遠鏡も設置されており、それだけに展望も良いものだった。山頂からの展望については大きな写真が置いてあるので、それなりに楽しめる。それにしてもなんとゴルフ場の多いことかと思う。

 そこから数メートルの距離の所に三角点のある山頂があった。そこからはさらに下の道路に向かって階段が設置されていた。山頂まで二千段ではなくて、下に向かう階段も含めて二千段と言うことらしい。山頂まではおそらく千三百段前後と思われる。

 三角点は「三等三角点」と書かれていた。また何かのレピーターのアンテナも設置がされていた。さらに少し下った所には社があり「子王山稲荷神社」の文字が書かれてある。しかしながら山頂標識は見あたらなかった。子供と山頂で昼食と奥の手QSOをしてから下山した。

 登山口に着いてから、そこにある野鳥の看板を子供が書き写している。聞けば帰ってからパソコンで検索して姿と声を調べると言う。早速、昨日購入したパソコンの利用が決まったらしい。



「記録」

登山口11:46--(.21)--12:07子王山山頂12:53--(.15)--13:08登山口


                     群馬山岳移動通信/1996/