何も見えない 「榛名掃部ケ岳」
登山日1993年6月23日


掃部ヶ岳(かもんがたけ)標高1449m 群馬県吾妻郡・群馬県群馬郡
硯岩から榛名富士(撮影日は異なる)
 掃部ケ岳(かもんがたけ)は榛名山の最高峰である。標高は1448mで、観光の拠点となっている榛名富士よりも57m程高い。

6月23日(水)
 久しぶりに会社を休んだ。

 しかし今日は雨である。予定していた山へは行けそうもない。雨でも登れそうな、まだ行った事の無い山を捜す。そんなわけで決まったのが榛名掃部ケ岳である。今日は雨なのでいつものスクーターは使わずに車で出かける事にした。

 登山口は国民宿舎「吾妻荘」の脇にある。ここは標識があるので分かりやすい。まず身支度を整える。今日は雨合羽とゴム長靴の組み合わせだ。最近は滅多に山用のものは使わない。(使う必要のない山行が多い)雨合羽もゴアテックスの物があるが使った後の処置が、又登山靴もやはり使った後の管理が面倒なのだ。

 登山口から1分程歩いたところでいきなり迷ってしまった。道を遮るように木が置いてあり思わず右に曲がり暫く進んだが、道が湖畔に向かって降りて行くので気が付いた。これで5分程時間を損した。道は真っ直ぐ進んで行く。道はやがて尾根に出る。ここは左に向かう。雨なので見るべき景色もなく黙々と歩を進める。

 登山口より35分で掃部ケ岳の山頂に着いた。

 榛名の最高峰での展望は雨と霧のため全く見えず。パンとジュースで簡単な昼食をとった。これでは無線の移動運用にならない。今日は掃部ケ岳の往復を考えていたのだが、時間があるので「杖の神峠」経由で帰る事にした。ガイドブックでは2時間の歩行時間となっている。

 登って来た道をそのまま直線にした形で山頂から続く道を出発した。道はかなり気持ち良く下って、どんどん高度が下がっている。所々、木の枝が道に覆いかぶさっており若干歩きにくい。

何か変だぞ!

 10分ほど下ってから気が付いた。景色が見えないために地図上で確認は出来ないが榛名湖から離れて行く感じがする。それに下りばかりの道である。道ははっきりしているが、草が多くあまり歩いた跡がない。慌ててガイドブックを見ると数分で「地蔵岩」が見えると書いてある。

迷った!と判断した。

 しかたなく快適に下った道を今度は登る事にした。下りは10分だったが、再び掃部ケ岳の山頂に着くまでに20分も掛かってしまった。これで30分時間を損してしまった。

 今度は登山口から登って来た方角から左へほぼ直角方向に降りる道があったので、こちらを行く事にする。すると数分で「地蔵岩」が現れた。これで一安心、このまま進むことにする。ガイドブックでは崖の際を歩くので注意とあるが、霧と雨のために周りが見えないから高度による恐怖心は全く無い。ただ歩くのみである。

 山頂から20分で「耳岩」に着く。ここから少し行くと道が複雑になる。はっきりした道は真っ直ぐ続いてあるのだが、登山道は左に少しそれてから続いている。ここに「安中山の会」が取り付けた標識がある。これがなければ迷うのは確実だ。ここを過ぎて少し登ると「杖の神の頭」に着く、ここは左に折れて傾斜の急な道を下ることにする。ゴム長靴は意外とぬかるみでは滑る。この急な坂道ではかなりスリップした。そこで笹原の中を歩くことにしたらスリップもしないで快適に下ることが出来た。

 耳岩から30分で「杖の神峠」に着いた道は十字路になっており付近は明るい笹原となっている。松の木とお地蔵様が印象的だ。ここは標識もしっかりしており、榛名湖を目指して左に下ることにする。

 少し歩いたところで意外な物に出逢った。「パワーショベル」である。それも2台ある。おそるおそる近づいて見ると、なんと林道工事中ではないか。地図にもガイドブックにも無い林道がここまで来ていたのだ。工事の看板を見ると「民有林道開設工事・杖の神線」と書いてある。どうやらこのまま先ほど通ってきた十字路を過ぎて吾妻町あたりに繋げるものらしい。あそこ居たお地蔵様も近い内に賑やかになるので驚くに違いない。

 予定外の林道歩きは持ってきた雨傘をさしての歩きとなった。30分歩いたところで「湖畔の宿・記念公園」に続く別荘地の道に着いた。長靴の中に水が入ったものだから歩く度に音がして、アスファルトの道の歩きは少し恥ずかしかった。やはり山は晴天の日が良いと思った。

 家に帰って調べてみたら迷った道はどうやら「荷鞍山」に通じるものらしいと解った。


                          JQ1HXF/大塚 /1993/



思わぬ春の雪
登山日1996年4月13日


4月13日(土)

 久しぶりに赤城の山に登ろうと出かけた。目指すは「小黒桧山」あまり登ったと言う記録がないので、無線家一番乗りかなとその気になって出かけた。車で旧有料道路を登っていくと雪がだんだん多くなってきた。箕輪の辺りを過ぎると、雪で路面は真っ白。空からは雪が横殴りに降って来る。

 大沼に着いて、登り口の見当をつけようとしたが上手くいかない。それどころか車を駐車する場所がない。駐車余地は全て除雪した雪が入り口に壁となっていた。ともかく何とかなるかなと20分程度待ったが雪が止みそうにない。無理をして赤城山で遭難したら何を言われるかわからない。あっさり断念して中止とした。

 しかしこれでは虫がおさまらないので、帰りがけに榛名山にいく事にした。そういえば「掃部ケ岳」は登ってはいるが無線の運用をしていない。

 榛名湖畔の「吾妻荘」から新雪の中を登り、あっけなく山頂に到達した。以前来たときは雨の中をゴム長靴で登ったので、展望も何もない。今回は山頂からこんな風に展望があるのかと見渡した。

 ピコ6+ダイポールで久しぶりに運用して下山した。

 下山途中、数組のパーティーに会った。面白い事に私がつけたトレースを、歩幅まで一緒にして雪の上に足跡を残していた。途中硯岩に寄って展望を楽しんでから再び下山を開始。湖畔に近づくにつれて、雪は数時間の内にかなり溶けていた。


「記録」
 吾妻荘11:05--(.14)--11:19硯岩分岐--(.37)--11:56掃部ケ岳13:09--(.22)--13:31硯岩13:40--(.10)--13:50吾妻荘



                 群馬山岳移動通信/1996/