湯沢温泉を見下ろす「飯士山」
登山日2001年6月17日


飯士山(いいじさん)標高1111m 新潟県南魚沼郡

飯士山登山口
6月17日(日)

 飯士山は越後の玄関口である湯沢町と塩沢町にまたがる山である。飯士山の名前よりも、この山の斜面に開設された岩原スキー場の方が有名だ。この山は別名上田富士と呼ばれ、ある方角から見るとピラミダルな形の美しい山である。

 登山口となる岩原スキー場は、シーズンオフと言うこともあり訪れる人もまばらだ。広大なゲレンデの一部は花壇が設けられて、今を盛りに原色の花が咲いていた。さて、猫吉は車の中から、荷物を引っ張り出してザックに入れている。昨日の寝不足はまだまだ解消されていないような動き方だ。

 まずはゲレンデの左端を適当に歩き出した。傾斜は緩やかなのだが、このゲレンデは意外に歩きにくい。それはなぜなのか考えてみると、いつまでたっても同じような風景が続くからなのかもしれない。振り返ると土樽付近の町並みが、見上げれば飯士山の山頂付近のピークが、いつまでも同じような風景で見えていた。
ゲレンデを登る
 歩き始めて40分ほどで、左端のリフトの最終地点まで到達した。ここからはいよいよ山道に入ることになるが、その前にここで休憩することにした。猫吉は旨そうにリンゴをほおばった。私は膝痛が回復しないこともあり、ちょっと疲れ気味である。仰向けになり目を閉じると、吸い込まれそうな眠気と気怠さを感じた。

 休憩後いよいよゲレンデを離れて、よく踏まれた山道を歩き始めた。歩き始めるとすぐに図根点三角点があり、標石は草に覆われていた。道は意外と傾斜が強く、滑りやすいところもあるために灌木につかまらなければ、登れないようなところもある。山頂部分のピラミダルなピークは、時折ガスがかかり見えなくなることがあるが、昨日の高倉山の時よりも天気は良い。

 急坂を登りきると、展望の開けた場所に着いた。ここからは飯士山の山頂部分をハッキリと見ることが出来た。それに山頂にいる登山者の姿も見て取れる距離でもある。ともかくここで休憩を取り、展望を楽しんだ。

 腰を上げて飯士山の最後の登りに取りかかった。思ったよりも登りやすく、アカモノやツツジの花を見ながら登ると疲れもそれほど感じない。最近は山菜として人気の出てきたコシアブラも食べ頃の葉を伸ばしていた。
山頂を前に休憩
 山頂は三角点と立派な標識が待ちかまえていた。それに登山者が数人休憩をしていたが、広い山頂ではそれほど窮屈さは感じなかった。山頂の北の方には石仏があり、果物とロウソクと供物が供えられていた。不思議に思って見ていると、傍にいた登山者が「先ほど山頂を下りた人のご先祖様らしいですよ」と教えてくれた。そうするとこれらはお墓と言うことになるのだろうか。ともかく妙なことは出来ないので、写真も撮らずにその場所からは遠ざかった。

 山頂からの展望は土樽、湯沢付近の町並みと交通機関の描く曲線が美しい。「上越線」「上越新幹線」「国道17号線」「関越自動車道」と関東と上越をつなぐ要衝であることは間違いない。もしもここが寸断されることになったら、恐ろしい事態を迎えることは間違いなさそうだ。猫吉は相変わらず無線の方は妥協せず、かなり精力的に運用していた。

 1時間以上山頂に腰を据えてしまったが、山頂を下りることにした。帰りは登ってきた道を戻るのではなく、奥添地方面に向かい、そこにある標高の一番高いリフトのプラットホームからゲレンデを下りることにした。しかし、ゲレンデを下りるのは非常に膝に負担がかかり、苦痛に耐えながらの下山となった。
飯士山山頂
 ゲレンデには管理用の車道もあり、これを使えば飯士山はかなり時間的に短縮されたと感じた。




「記録」

09:49登山口(岩原スキー場)--(.43)--10:32図根点三角点10:54--(.45)--11:39前衛峰11:52--(.25)--12:17飯士山々頂13:34--(.15)--13:48リフト駅13:58--(.41)--14:39登山口





ゲレンデを下る
群馬山岳移動通信/2001/