秋の気配を感じた「荒山(赤城)」
登山日1994年9月4日


荒山(あらやま)標高1572m 群馬県勢多郡
荒山山頂(後方は地蔵岳)
 今年の残暑は、夏の猛暑の異常気象がそのまま残り、ひときわ厳しい。夏休みが終わったにもかかわらず、子供が山に連れて行けと騒ぐので、適当な山として赤城の荒山を選んだ。

9月4日(日)

 相変わらず、赤城有料道路の料金を払うのが惜しいばかりに、曲がりくねった山道を抜けて箕輪に着いた。駐車場は既に家族連れが2組程、登山の準備をしていた。今日は天候も良いし、かなり賑やかになりそうだ。

 道はいきなり階段の整備された、広い道を登る事になる。しかしその道は展望のきかない単調な登りの道だ。わずかに道の傍らに咲く、ツリフネソウに慰められる。いつもながら子供は強い。どんどん先に進んでは「おとうさん遅いよ」とはっぱをかけられてしまう。8月14日の平ヶ岳を最後に、暫く山から離れていたので、なかなか足が前に進まない。汗ばかりが極端に出てくる。

 林の中の道を抜けると、目の前が急にひらけた。ここが荒山高原の十字路だった。明るい草原のなかで、先客の家族連れの子供が捕虫網を持って、赤とんぼを追いかけていた。草原は秋の花のマツムシソウが、風に揺られており、その向こうには「鍋割山」と目指す「荒山」が対峙している。風はやはり秋で、汗がすぐに引っ込んでしまった。

 荒山高原の十字路から荒山を目指していよいよ登り始める。やはりマツムシソウが多いが、それに混じってトリカブトの花の紫色がひときわ際だっている。道はやがて笹の道にかわり、所々に刺のある草があるものだから、ショートパンツでやってきた子供は悲鳴を上げた。今までの元気はどこへやら、極端にスピードが落ちてきた。今少しだからと声をかけて先を急いだ。長ズボンも持ってきたのだが、下山の時にはく事にした。

 笹原を抜けるとミズナラの樹林の中に入った。再び展望の利かない登りをひたすら登る。子供と話しをしながら、高度計を見てあとどれくらいか、予想しながら登る。次第に目の前の潅木の隙間から、稜線が見えたと思ったら、なんと数人の人が休んでいる。更に進むとなんと山頂標識があった。何か拍子抜けするような山頂だった。

 山頂は潅木で展望が利かない。山頂部をウロウロしてみたが、どこも似たようなものだった。しかたなく気分は良くないが、潅木の中で昼食にすることにした。子供とあまり面白くない山頂だなと、感想を話した。それにしても、肌寒い程の気温だ。見ればダケカンバの梢の葉は、色づき始めている。秋の気配は猛暑であった、今年の夏の終わりを告げているようだった。ところで潅木のせいか、無線の方もあまり良くない。隣の鍋割山のほうが標高は低いものの、潅木は無いし電波の飛びも良いように思われる。1200Mhzで数局交信をして切り上げた。

 帰りは往路を戻るのも能が無いので、避難小屋経由→ふれあいの道で下山した。こちらは車道と言っても良い程の、広い立派な道であった。



箕輪09:05--(.30)--10:35荒山高原10:40--(.46)--11:26荒山山頂13:07--(.15)--13:22避難小屋--(.18)--13:40分岐--(.13)--13:53荒山高原--(.29)--13:22箕輪


                       群馬山岳移動通信/1994/