山頂直下の下降は怖い思いをした「大沢山(東吾妻町)」
登山日2023年2月26日


大沢山の岩峰から吾嬬山と薬師岳

大沢山(おおさわやま)標高903m 群馬県吾妻郡
2月5日に芦鞍山に登った日に併せて登りたかったのが大沢山だ。しかし、芦鞍山で思わぬ時間をかけてしまったので断念してしまった。断念したものの気になっていたので時間ができたのででかけてみた。大沢山は後藤信雄さんの「吾妻の里山」に記載されているだけで、ネットで検索しても出てこない。後藤さんの記述によれば山頂直下の急斜面で難儀したとあります。

2月26日(日)
八ッ場ダム関係の工事はいまだに続いており莫大な投資がされているようだ。地図も一年ごとに更新しないと追いつかないのではないだろうか。地形図に記されている林道の入り口が見つからず苦労してしまった。なんとか林道に入るとすぐに電気柵が道を横切っているので外して中に入る。林道はかなりの通行があるようで最近つけられた轍が複数見られた。また整備されているのか普通車でも走行は十分可能だ。道祖神の石像を見るとすぐに採石場となりそこから先は車の通行は難しいほど荒れた状態となっていた。採石場の手前に車を停めて支度を整える。


新しい道が工事中

電気柵を外す

途中で細谷線の起点となる

苔むした道祖神


採石場(ここまで車で入れる)


荒れた林道はそのまま上部に続いている。落ち葉の降り積もった林道を進みながら、地形図を慎重に進んでいく。尾根の末端となる場所に林道を離れて入っていく。すると明確な道型が見られてトラバース気味に沢に向かっていく。しかし、尾根を忠実にたどるのが得策なので道型から離れて尾根を進んでいく。見れば廃墟のようなコンクリートの遺構が木々の間から見えている。尾根は明瞭で地形図のとおりに上部に延びていた。それにしても、赤テープのたぐいは全く見られない。それだけ、登山の対象から外れているということだ。

北にある776mのピークからの稜線に近づくと、風がものすごい勢いで吹き抜けていく音がジェット機のエンジン音のように聞こえてくる。どうやら今日は一時的に冬型になっており、西風が強まっているようだ。そして稜線にたどり着くと体が飛ばされるような寒風が吹き荒れていた。稜線は今までと違って赤テープや区界標石があり、それなりの道が出来上がっていた。


林道を詰める

ここから尾根に取り付く

なんとなく道形があるが引き込まれないように

廃墟が見える

もう少しで稜線

稜線に乗った

赤テープがある


陽線を順調に歩いていくと目の前に大沢山のピークが見えてきた。それとともに急斜面が目の前に立ちはだかってきた。地形図を見るとそんな表記にはなっていないので、実際に見てみないとわからないものだ。実際に写真で見てもそんなに急傾斜には見えない。ともかく滑落したらただでは済まないし、手がかりが少ないのが致命的だ。木の根っこをほじくり返して支点にして徐々に登っていく。

そしてついに山頂に到達することができた。いままでn急傾斜の斜面で身の危険を感じただけに平和な場所に見えた。山頂にあった真新しい標石ははほとんど土に埋もれてしまっていた。展望は殆どなくなんとも寂しい山頂ではある。山頂から東に行ったところに岩場があるのでそちらに移動する。

岩場からは足元がスッキリと切れ落ちて気持ちがいい。きれいな三角錐の吾嬬山が目を引く。眼下には歩き初めた採石場が見えていた。


山頂直下の急斜面

なんとなく平和な山頂

山頂標石

文字が見えるが消えてしまって判読できない

東端の岩


今日は、10mm×40mのザイルを持参してきているので気が楽だ。支点となる木にザイルをセットするが、久しぶりなのでかなりの時間を要してしまった。なにしろザイルを出すのは妙義の星穴岳以来だから12年ぶりといったところだ。他に道具は持ってきていないから、肩絡みの懸垂下降だ。お尻の部分が擦り切れるのであまりやりたくはないが、緊急時にはそうも言っていられない。結局、2回ザイルをかけ直して基部に到達することができた。

ここはザイルがなかったら、たしかに危なかった。先人の記録に感謝といったところだ。そこでザックを下ろして「吾妻の里山」の著者である後藤信雄さんに電話してみた。もう何年も会話したことがなかったが、私のことがすぐにわかったようだ。ともかくザイルの必要性を記してくれたことを感謝して、近況を確かめあった。
山の仲間はいいもんだ。

帰りは気になっていった廃墟に立ち寄ってみた
まるでTVの戦隊ものに使われるような場所であまりゆっくりとはしたくない場所だった。



ザイル1回目

ザイル2回目

廃墟



駐車地点08:43--(.07)--08:50尾根に取り付く--(.46)--09:36稜線--(.36)--10:12大沢山山頂10:57--(.47)--11:44廃墟11:50--(.05)--11:55駐車地点

群馬山岳移動通信/2023


この地図の作製に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50メッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平16総使、第652号)