今年の梅雨は長い。 東京オリンピック・パラリンピックのために祝日を移動して4連休となったが、五輪は中止、新型コロナウイルスは東京都で一日に300人の新規感染者が出ているという。 こうなると出かけるところは限られてくる。雨が降っても歩ける場所で人になるべく会わないところ。 何となく、先月歩いた尾瀬が頭に浮かんだ。今度は尾瀬沼に行ってみよう、それも人に会わないルートが良い。 かつて、大清水から黒岩山経由で鬼怒沼を周回したことがあった。このルートを使えばよいコースができあがる。まして、尾瀬は県内なので気が楽だ。 7月24日(金)(スポーツの日) 大清水の第2駐車場に到着したのは午前5時40分、ほとんど満車で空きスペースは数えるほど。ほとんどが県外ナンバーで新型コロナウイルス感染拡大防止のための自粛のアナウンスは効き目が無いようだ。支度をしていると6時には満車となり、駐車できない車は離れた第3駐車場に回されたようだ。 鳩待峠への集中を避けることと、環境問題を建前に、大清水から一ノ瀬まではバスが運行されている。このことにより、山を静かに歩きたいものにとっては、このルートは選択したくなくなった。なにしろ30分おきにバスが横を通過されたのではおもしろくない。これが利権によって作られたものであることは明白なのだが、環境保護を前面に押し出してくるとなかなか異論を出しにくい。駐車料金500円、バス料金片道700円は自然保護のためにどのくらい使われているのか興味がある。(だいたい想像はつくのだが)それにこの時期のバスは3密そのものでとても乗る気にはなれない。 奥鬼怒スーパー林道の道に入る。 一般には開放されていないのに、よく整備がされ、現在も林道は工事中の看板が出ている。 この林道はシカ避けの網が張り巡らされ涙ぐましい努力がされている。小淵沢橋手前で左の林道に入っていく。こちらは整備された様子が無く荒れ放題となっている。17年前は自転車が走行できそうな感じだったが、いまは不可能に近い。
17年前の記憶がよみがえる。 たしかこのあたりから林道を離れるはずなのだが、標識が無い。踏み跡があるので間違いないはずだ。近寄って確認すると標柱が倒れて草に埋もれている。どうやらこのコースは長年にわたり整備されていないようだ。 林道から離れて山道に入ると、いきなり登山道は崩落して踏み跡も無くなっている。勘を頼りに上部に進むと、はっきりとした登山道が現れた。しかし、かなりの急登で息が上がってくる。傾斜が緩むと泥沼が多くなり、おまけに木道は朽ち果ててしまっている場所も多くなる。なんども泥沼に、はまりながら先に進んでいく。泥だらけの登山靴は時折洗われる沢の流れで洗うことにする。 それにしてもこのルートは藪漕ぎ有り、倒木有りで未整備の状態となっている。
鬼怒沼と尾瀬沼の縦走路に合流する。 休むのも早々に尾瀬沼に向かって進んでいく。途中で夫婦らしき二人に会った。 「大江湿原はこの先ですか?」 「いやあ、引き返さないとダメですよ」 どうやら分岐を見落としているらしい。私に出会わなかったらどうしていたのだろう? 小淵沢田代はワタスゲが風に揺れる静かな場所だ。朽ち果てた一本道の木道を歩いて行く。キンコウカの群落が見事な場所だ。
小淵沢田代から大江湿原に向かう。 大江湿原はいままでの静けさが嘘のようになり、いきなり都会に出てきたような感じだ。 木道を歩く行列に加わりながら景色を眺める。 以前よりもシカによる食害を防いでいるためか、ニッコウキスゲが多くなっているように感じる。
今日は雨を覚悟にしてきたが、燧ヶ岳を見ることができた。 新型コロナウイルスが無ければもっと楽しめるのだが、売店に近寄ることもなんとなく恐怖を感じる。
帰路は尾瀬沼から小淵沢田代経由で往路を戻った。 「記録」 大清水06:18--(.50)--07:08小淵沢橋--(.59)--08:07林道を離れる--(1.29)--09:36分岐--(.11)--09:47小淵沢田代--(1.08)--10:55大江湿原--(.22)--11:17尾瀬沼ヒュッテ11:36--(1.01)--12:37小淵沢田代12:50--(.10)--13:00分岐--(.53)--13:53林道14:02--(.33)--14:35小淵沢橋15:00--(.40)--15:40大清水 |
この地図の作製に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50メッシュ(標高)を使用したものである。 (承認番号 平16総使、第652号) |