50年ぶりの「根子岳」は最高の展望
登山日2023年10月19日


中四阿と後方は白銀の立山・剱岳

小根子岳 ( こねこだけ)標高2127m 長野県上田市・須坂市/根子岳( ねこだけ)標高2207m/中四阿( なかあずまや)標高2106m/小四阿( こあずまや)標高1917m

菅平牧場を出発点とする根子岳は50年前に職場山岳部で企画して実行したことがある。その時の記憶はほとんどないが、牧場の中を自由に歩いた記憶がある。その中で「オキナグサ」を見つけたことは鮮明に覚えている。地図を見ると根子岳周辺にはそれなりのピークがあり、「小根子岳」「中四阿」「小四阿」とあり、それぞれが未登となっていた。

10月19日(木)

菅平牧場は外気温5℃と急速に秋から冬に進んでいる。第一駐車場が一番上部で、下に向かって第二駐車場、第三駐車場、第四駐車場となっている。第一はすでに数台が入っており、出発準備をしている人も見られる。ゆっくりと準備をするために第二駐車場に停めて準備を進める。情報では笹薮がうるさいとのことなので、ロングスパッツを装着した。

登山口にはトイレがあり一旦立ち寄ってから先に進んで行く。今日は時計回りの周回コースなので、そのまま直進して牧場の縁の階段を登っていく。これがかなりの急傾斜なのでたちまち息が上がってしまう。そんな姿を見て牧場の牛が笑っているようにも見える。振り向くと雪をまとった北アルプスの山々が綿々と連なっている。やはり白馬岳や槍穂高が目立つが、五龍、鹿島槍あたりは雪が見られないのが不思議だ。


第一駐車場

登山口

牛に見送られて出発

柵に沿って作られた登山道

東屋

最高の展望

良い天気

槍・穂高は真っ白

小根子岳への分岐

根子岳の石祠

根子岳からの展望


道は深い笹の中を進んで行くが、それも次第に薄くなり高度を上げていく。50年前はこんなところを50人の団体が歩いたのだろうかと不思議に思う。やがて山頂に近くなると疎林となり低い笹の原の斜面となる。振り返れば相変わらず北アルプスの稜線が青空の中にくっきりと見えている。今日はこのままの天気が続きそうだ。

根子岳の山頂は石ころだらけの裸地となっており、大きな石祠が台座の上に置かれていた。ここは360度の展望があり、近くの四阿山は意外となだらかに見える。相変わらず北アルプスから南アルプスまでそして富士山も一望だ。さらに草津白根の横手山は直線に車道を山腹に刻んで特徴的だ。

さて、目的の一つである小根子岳に向かう。一旦下降し笹原の斜面をなだらかに登るとすぐに小根子岳の山頂だ。山頂には一等三角点が設置されておりひときわ目につく。ここからの展望も素晴らしく長野市街地の先に北信五岳が浮かんでいた。根子岳から外れているこの山頂は、雰囲気的に自分にとってはかなりお気に入りの場所だ。


あの岩峰が小根子岳

小根子岳の一等三角点(点名:猫岳)

鹿島槍〜五龍〜唐松〜白馬

根子岳から四阿山

富士山が見えた



ハザマ

振り返って根子岳


木の根がいっぱいの登山道を登る


さて、再び根子岳に戻り、四阿山方面に向かって歩き出す。岩峰を巻きながら先に進んで行く。この稜線は実に気持ちよく快適だ。先を行く単独行の女性が点景として絵になる。その女性の歩くスピードはとても古希を過ぎた老体では太刀打ちができない。笹原を下ったところはハザマと呼ばれているようだが、標識の類は全くなかった。振り返れば根子岳の笹に覆われた姿がとても美しい。
ハザマからは樹林のなかの急斜面をひたすら登るだけだ。木の根が多く段差もかなりあるからなかなか手強い。途中で同年配の女性登山者を2人追い越して進んで行く。そのうちに途中で追い越された登山者が3人下山してくる。やはり若い人は早いなあとうらやましくなる。そのうちの一人は米子不動からのピストンと言うことで、滝の周辺は紅葉が最高だったという。2000mに近い場所はすでに落葉が進み冬の装いとなっている。

そして分岐に到着、この分岐は登ってきた根子岳からの道、菅平牧場から中四阿経由で登ってくる道、そして四阿山に至る道だ。ここから四阿山へはわずか20分程度なのだが、もう何度も登っており、混むことが予想されたので、最初から登る予定はなかった。そこでこの分岐から少し下ったところにある岩場に陣取って大休止とした。この岩場は展望がよく休憩するには最高の場所だった。ゆっくりとしていると単独行の男性が登ってきて、しばらく話し込んでしまった。なんとここでの休憩は40分となってしまった。


四阿山0.7kmの分岐

ここで仰向けになり大休憩

手前は中四阿山

中四阿山と根子岳

中四阿山から根子岳


下降は大展望を楽しみながらの素晴らしい歩きとなった。特に中四阿の岩峰越しに見る北アルプスは最高の景色でいつまでも見飽きない。またここから見る根子岳は山腹が崩落して違った姿に見えていた。中四阿は登山道から外れてちょっと岩稜歩きをしなければならないが、さほど危険は無いから歩いてみるのが正解だった。ここには3人の登山者が休憩中で、素晴らしい景色を堪能していた。
高度をどんどん過ぎると小四阿に到着するが、ただの通過点と言ったところだ。ここを過ぎると深い笹原の中の道となり足元が見えない。ここで思いっ切り転倒・・横になったまま頭が下になったものだから、なかなか起き上がれない。幸いに怪我はなく全くの無傷だった。これが岩場だったらただでは済まないと、反省することしきりだ。標高1500m付近になると紅葉が見事な色付となり、秋の日の山道を楽しみながら歩くことができた。

管理事務所に到着すると売店が営業中で、ソフトクリームを購入。はじめは火照っていた身体も食べきるころには寒さを感じるようになった。


小四阿

笹薮の中の道

標高1500m付近の紅葉

渡渉

中四阿経由の登山口

ソフトクリームを一口



牧場管理事務所06:58--(1.49)--08:47根子岳09:00--(.11)--09:11小根子岳09:19--(.21)--09:40根子岳09:44--(.41)--10:25ハザマ(鞍部)--(.47)--11:12分岐点11:55--(.28)--12:23中四阿--(.32)--12:56小四阿13:05--(.50)--14:05管理事務所


群馬山岳移動通信/2023


この地図の作製に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50メッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平16総使、第652号)