富士山を見るために「三ツ峠山」「本社ヶ丸」 登山日2016年12月9日


三ッ峠展望台から夜明けの富士山

木無山(けなしやま)標高1730m/三ツ峠山(みつとうげやま)標高1785m/御巣鷹山(おすたかやま)標高1775m/茶臼山(ちゃうすやま)標高1513m/大幡山(おおはたやま)標高1531m/清八山(せいはちやま)標高1593m/本社ヶ丸(ほんじゃがまる)標高1631m/八丁山(はっちょうざん)標高1521m


この季節になると富士山を間近に見たくなる。それは冠雪した頂上部分の雪と、澄み切った大気の中での雄大な富士山の山容を見ることが出来るからだ。
前夜発で中央道の谷村PAで仮眠し、深夜割引の適用される4時前にICを出るといういつものパターンだ。前橋ICから入り東京方面に向かうつもりが何を勘違いしたのか新潟方面に向かってしまった。気が付いたときは分岐の手前、バックしても何とかなりそうだが、そんなことをしたら新聞に「高齢者ドライバーが逆走」なんて出る可能性がある。しかたなく駒寄PAのスマートインターで出て、入りなおすことにした。これで往復660円なので深夜割引の恩恵は少なくなってしまった。

12月9日(金)

中央道谷村PAで仮眠したのだが、隣にトラックが止まり一晩中エンジンをかけっぱなし。小型車専用の駐車場所だったにもかかわらず、さらにほかに空き場所もあるのに隣で排気ガスと騒音をまき散らすとは嫌がらせとしか思えない。予定通り3時57分に河口湖ICを出て御坂峠に向かう。御坂トンネル手前で右折して旧御坂峠に向かって山道を辿る。冬季通行止めは旧御坂トンネル手前の「天下茶屋」までは大丈夫なようだ。その手前で右の細い林道に入る。ほどなく無料駐車場に到着する。区画線が引かれて、ここには7台ほどが駐車可能なようだ。(実際はこの先のトイレの付近にも駐車可能、さらに林道にもいくつか余地が点在していた)時刻はまだ5時前なのでゆっくりと準備を整えたが。まだ時間があるので車の中で休憩する。

6時に出発するために車外に出ると、空には星が輝いており明るくなるまではまだまだ時間がかかりそうだ。これ以上出発時間を遅らせるのも癪なのでヘッドランプを点けて出発することにした。しかし、登山口が分からない??いきなりGPSを取り出して確認する羽目になった。車道から左に曲がりちょっと上ると、何とか登山口のトイレの前に立ち一安心。ここからは登山道なのか林道なのか区別がつかないような広い道を登ることになる。これなら車で登ることも可能だったなあと思ったが、周回コースを辿る予定なので、先ほどの駐車場所は正解だったようだ。ヘッドランプに照らされる道は霜が降りてキラキラと光を反射してきれいだ。道の両側は霜柱で覆われている。

やがてヘッドランプも必要ないほどの明るさになってきた。この道は車両の通行が頻繁と見えて轍がくっきりと残っている。また、オイル漏れなのだろう、オイルが点々と道の中央に残っていた。
一時間ほど歩くと道が分岐して「四季楽園」と「三ツ峠山荘」に分かれる。ひとまず三ツ峠山荘方面に向かうと、すぐにロープウエイからの道と合流する。ここからそのロープウエイ方向に向かうと、そこには展望台があり目の前には富士山が大きく見えていた。太陽は日の出からかなり過ぎていたが、それでも夜明けの富士山は美しい。それにしても寒く目出帽をかぶっていても耳が痛くなるほどだ。早々に引き揚げて三ツ峠山荘に向かう。閑散とした山荘は入口に鍵がかかり人影もうかがうことが出来ない。ここで地図を開くと木無山に立ち寄ることを忘れていたことに気が付いた。

そこで再度引き返して木無山に向かうことにする。三つ峠山は木無山、開運山、御巣鷹山のピークを総称しての呼称なので三座を踏んでおかなくてはならないこだわりがある。さしたるアップダウンもなく木無山へは到達することが出来たが、その周囲は柵で囲われており、野生動物からの食害を防ぐものなのかもしれない。またそばには草地があり広々としたその向こうに富士山が見えていた。

木無山から再び三ツ峠山荘に戻り先に向かう。山荘の先は広々とした裸地になっており、ここからはアンテナの林立する開運山、御巣鷹山のふたつのピークが並んで見えている。この裸地を降りると四季楽園の前にでる。ここの入り口はあいていたが、声をかけても何の反応もないので、あきらめてここを通り過ぎ開運山に向かうことにする。


三ッ峠への道は両側が霜柱

三ッ峠山荘と四季楽園の分岐

三ッ峠展望台から

三ッ峠展望台

木無山からの展望

三ッ峠山荘から

三ッ峠山荘

四季楽園

開運山へ登る途中


開運山は三ツ峠山の最高峰で標高1785mとなっている。四季楽園からの道は廃屋となってしまった富士見荘の横を過ぎ中継局の建物とアンテナの乱立する横を登っていく。露土の斜面となった登山道は階段が更新されたようで真新しく歩きやすい。程なく三ツ峠山(開運山)の山頂に到着する。山頂には三角点があるが、ほとんどコンクリートで埋められて全体を見ることはできない。その横の山頂方位盤は立派なものでしっかりとしていた。方位盤を見ながら山座同定をしようとするが、この付近の山は全く知識がないので同定のしようがない。しかし、南アルプスは雲に覆われて見ることはできない、また富士山も山頂部分が雲に覆われてしまっている。また風が強く立っているのも足に力を入れなくてはならないほどだった。それにしてもこの山域は中継局のアンテナ群がすさまじい。NHK、FMF、NTT、防災行政無線と林立しており、監視カメラも豊富なので何となく居心地が悪い。


開運山山頂直下

開運山の三角点

開運山山頂から

開運山(三ツ峠山)山頂

次に三ツ峠山の一角である御巣鷹山に向かう。いったん鞍部に降りてから立派な広い道を登ると山頂jに到着する。ここも東京電力パワーグリッドの施設が山頂を占拠している。風が強いのでこの建物の横で一休みすることにするが、監視カメラがあるのでどうも落ち着かない。ここからの展望は建物と木々に覆われて富士山さえもよく見えない。

御巣鷹山で引き返したのではおもしろくないので本社ヶ丸まで足を延ばすことにする。

御巣鷹山から鞍部までは標高差300mの下降となる。あまり歩かれていないのは標識類は乏しく道は落ち葉が積もっている。また岩場もあるのでのんびりと下る訳にもいかない。また展望もないのであまり快適とはいえず、逆コースだったらかなりきついルートになるのではないだろうか。鞍部の標高は1480mで到着したときはホッとしたのが正直なところだ。

ここから登りとなるが実際には小ピークをいくつも越えて登っていくという感じだ。最初の小ピークは茶臼山で登山道からは少し外れている。展望もなく北側は崖になっていて進むことはできない。再び登山道に戻り尾根に沿って歩いて行く。途中で熊棚を発見、今日は熊鈴を持ってこなかったのを後悔することになった。まあ、この時期の熊は子連れでないから何とかなるような気がする。

大幡山は登山道の途中で標識がなければ通過してしまうところだ。ここからは清八山から本社ヶ丸の稜線が木々の間から見える。この大幡山からは指呼の距離だが歩くとなるとまだまだ時間がかかりそうだ。いったん白く塗装された送電線鉄塔まで下降する。鉄塔付近は木の伐採がされており見通しはよいのだが、風が強くとてもゆっくりとできるところではなかった。

送電鉄塔からは小ピークを越えて再び鞍部にでる。ここは大畑八丁峠で左からは林道が来ている。また鞍部には纏リスの看板が設置されていた。体調もよくないのでこのまま林道経由で帰りたいところだが、本社ヶ丸はもうすぐなので頑張ることにする。葉がすっかりと落ちた雑木林の道を上っていくと八丁山への道を分ける。この付近は植林を行うために大規模な造成が行われたのかもしれない。それは立派な石組みがありフェンスまで設置するという事がなされているからだ。ここからひとしきり登ると岩場があり、その先に松の木が生えている清八山に到着することになる。ここは秀麗富岳十二景の十二番山頂ということだが、その富士山は逆光でしかも山頂部分は雲がかかりあいにくの景色となっていた。


御巣鷹山山頂は東電の施設でカメラが見ている

熊棚!!

大幡八丁峠の纏リス

清八山山頂直下

清八山山頂

清八山から稜線沿いに本社ヶ丸に向かうことにする。すぐに清八峠に到着し、ここでJR笹子駅への道を分ける。道は小ピークを越えて何度も山頂と誤認しながら進んでいく。途中で展望のよい岩場に出るが、ここは古いガイドブックに出ている「造り岩」と呼ばれる場所のようだ。やはり富士山の展望台なのだろうが、いまは見ることはできなくなってしまっていた。

本社ヶ丸の山頂はあまり広くない。展望は360度を楽しめるが、富士山がはっきりと見えないので感動はいまひとつだ。それにしても「本社ヶ丸(ほんじゃがまる)」とはおもしろい名前だ。田中澄江さんは”関東には「大蔵高丸」「ハマイバ丸」「大谷ヶ丸」「檜洞丸」「畦ヶ丸」と丸のつく山が多い。丸というのは城の曲輪の一角を指すように、山に砦のような意味を込めたのかもしれない”と書いている。たしかに周囲を岩で囲まれて、展望がよく監視ができる場所と言われれば納得するところがある。ここも清八山と同じ秀麗富岳十二景のひとつということだ。菓子パンをほおばり白湯をのんで20分ほど休憩する


清八峠

本社ヶ丸からの展望


本社ヶ丸山頂から

本社ヶ丸から清八山に戻り、ここから八丁山に向かうことにする。ここからは危険な場所もなく快適な尾根歩きとなった。八丁山は顕著なピークではなく登山道の通過点でしかない。さらに進むと送電鉄塔に到着することになる。ここは八丁峠と呼ばれるところで、道は御坂峠まで続いているが、この八丁峠からは林道に下降する巡視路がある。これを利用すれば1時間ほどで駐車場まで行くことができる。ここまで来れば安心なので大休止をすることにする。本当ならここでアルコールを摂取するところなのだが、現在は抗生物質を2週間ほど飲み続けているので禁酒している。持ってきた菓子パンとお茶で我慢することにする。

暗いうちに出発したので登山口の様子は全くわからなかった。帰路はそのあたりを確認しながら駐車場まで戻った。

今回は平日と言うこともあり出会った登山者は一人もいなかった。人気の山でも時期を選べばこんなこともあるものだと感じた。


清八山直下の石組み

八丁山

八丁峠の鉄塔

林道の通行止め

登山口のトイレ

駐車場

06:00登山口--(1.12)--07:12展望地07:14--(.08)--07:20三ツ峠山荘--(.08)--07:28木無山--(.15)--07:44三ツ峠山荘--(.12)--07:56開運岳08:02--(.12)--08:14御巣鷹山08:22--(.42)--09:04茶臼山--(.16)--09:20大幡山--(.06)--09:26大幡八丁峠--(.36)--10:02清八山10:07--(.31)--10:38本社ヶ丸11:00--(.33)--11:33清八山--(.26)--11:59八丁山--(.14)--12:13八丁峠12:31--(.30)--12:43林道--(.25)--13:08登山口

群馬山岳移動通信/2016



この地図の作製に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50メッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平16総使、第652号)