山名の由来を知りたい「威守松山」
                                        登山日2011年4月30日







威守松山山頂から巻機山より続く上越国境を見る

威守松山(いもりまつやま)標高1214m 新潟県南魚沼市




4月30日(土)


柄沢山から駐車地点に戻ったが、時刻はまだ9時、まだまだ帰るにはもったいない。しかし、朝はあんなにすばらしかった青空もいつしかどんよりと曇ってしまった。でもどこか登るところはないかと地形図を見ると威守松山が目に入った。変な名前の山で、おまけに地形図上の登山道は妙にアルバイトを強いられている。ともかく荷物を40リットルザックに移し替えて出発することにした。


柄沢山から戻ったときの道を再び辿って、涸沢川に沿って登っていく。やがて頭上を送電線が通過する場所に着いた。登山道の表記ではここから登ることになっている。しかし、登山口を示すようなものはみられない。ところで、これからの地形図では送電線とその鉄塔が表記されなくなると言う。山を登っているとこの鉄塔や送電線は貴重な情報源なので、消えてしまうことはかなりきつくなる。


登山口付近の杉は雪で倒れていた

イワウチワの群落が尾根を埋め尽くす


ともかく威守松山の山頂に達する尾根を目指して、その枝尾根を辿って登ることにした。尾根上は雪庇の名残が残っており、今にも崩れそうなのだが荷物が軽くなったことで行動が素早くできる?そんなわけで危なっかしい雪庇の上を辿って歩くことにした。しかし、ここを歩くよりも右側の窪みの斜面を登った方が良さそうだ。でも自分の習性として尾根を登る方が安全ということが基本にある。雪庇も所々途切れているが、土が現れたところはイワウチワの花が真っ盛りで、絨毯の様になっている。ここを歩く人はほとんどいないだろうから、この見事な群落を見るのは何人もいないと思うとちょっぴり嬉しい。


それにしても静かな山で、すべての時間が止まっているように感じる。今回の山行で大嫌いになったマンサクの藪はここでも行く手を阻んだが、ザックが軽くなった分かなり気が楽になった。標高1020mで登山道の表記のある尾根に乗ることができた。ここで登山靴の足跡を発見した。まだ新しく、下山した形跡はないところを見るとどこかですれ違うに違いない。この尾根には雪はなく夏道が現れていた、それにタイガーロープも設置してあり一般道そのものを感じる。何となく安心するとともに、安堵の気持ちが出てくる。この登山道は展望が無く、夏はあまり快適ではないだろう。


今年初めてのショウジョウバカマ

もうちょっとで主尾根に到達する

すばらしい登山道に合流

山頂付近から清水集落を俯瞰


標高1100m付近で上部から降りてくる女性登山者と出会った。登山者は次々に姿を現し総勢6名のパーティーである。
「この山に何度も登っていますが、登山者にあったのは初めてです」
先頭を歩く美形の山慣れた感じの女性が言った。
「それは光栄です。ところで、地形図の登山道を登りましたか?」
「そうではなくて、十二大明神からです」
そう言って麓の赤い屋根の建物を指さした。
「ともかくお互いに気をつけて行きましょう」
久しぶりに山で会話したことがなぜかとても嬉しくなった。この付近から道は雪が多くなりキックステップでどんどん高度を稼ぐことができた。


山頂から巻機山を見るが今にも雨が降りそうだ

山頂で記念撮影(後方は大源太山)



たどり着いた威守松山の山頂は標識が雪で埋もれて上部の数センチが見えているだけだった。それよりもこの山の大展望はなんとすばらしいのだろう。眼下の清水集落から巻機山までの尾根が一直線にせり上がっているのが見事だ。今頃あの山頂は大変な賑わいなのだろうと思う。そこから始まる上越国境jの山々は白い衣をまとい覆い被さるように、大きい山容となっている。そこには昨日苦労した柄沢山ももちろん見えている。さらに目を移すと谷川岳、大源太山がすべてパノラマとなって遮るもの無く見えている。この山から上越国境に上る道もあるらしく、その痕跡を見ることができた。その間にも天候はどんどん悪化しているようなので早々に、山頂を引き払うことにした。
様子もわかったことから、残雪のある部分を選んで、どんどん下降することにした。登山口から山頂まで1時間40分だったのが、下山はたった31分と、かなり短縮できてしまった。登山口でゆっくりと昼食を取っていると、雨が一粒落ちてきたかと思うと、たちまち本降りとなった。慌てて荷物を担いで駐車地点に戻った。
やれやれ・・と言った二日間となった。


帰りはいつもの「岩の湯」で汗を流してから、お馴染みの酒屋で「高千穂酒造」の銘酒を購入して帰路についた。




駐車地点09:38--(.37)--10:15尾根に取り付く--(1.00)--11:15稜線と合流--(.39)--11:54威守松山山頂12:07--(.9)--12:16稜線下降地点--(.22)--12:38尾根取り付き点12:43--(.12)--12:55駐車地点


この地図の作製に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50メッシュ(標高)を使用したものである。
(承認番号 平16総使、第652号)

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