富士見峠口は尾瀬の中で人気がない道だ。まして平日となれば、さらに閑散としているに違いない。こんな時にのんびりと林道を辿るのも悪くない。まして足首のトラブルは改善傾向になく、痛み止めを服用して毎日をしのいでいる状態だ。 70歳まであと2カ月余り、いまだにフルタイムで働いているのも珍しいと思うが、これからの人たちはこんなことが当たり前になるのだろう。閑職と言われても仕方ない立場だから、ある程度は年次休暇を自由に取れる立場にある。天気予報を見ながら休みを取得する日を選んで山行日を決めた。 10月11日(火) 尾瀬をのんびり歩くにはここしかない。それは富士見峠登山口で、駐車料金は発生しないし、環境保護を名目とした公共交通機関もない。こんなルートが自分には合っていて、何度も歩いている。朝6時の時点で車は2台のみで、すでに人影は感じられなかった。 富士見峠までの林道は相変わらずしっかりしており、今回は自転車を持ち込まなかったことを後悔した。足は坂道の上り下りは比較的良いのだが、平地を歩くのがちょっと辛い。この林道も初めは坂道なのだが、途中から平坦になるのであまり好条件とは言いがたい。紅葉はまだ早いのだろうか?緑濃き林道と言ったところだ。
アヤメ平が見えるところで、草刈り機と人間を荷台に乗せた軽トラック、4トンダンプ2台 に追い越された。まあ、何かの作業で登っていくに違いない。このあたりで振り返ると富士山が小さく霞んで見えた。しかしあの秀麗な三角形はどこから見ても富士山とわかる、富士見峠という命名は、あながち間違いではなさそうだ。 廃業してしまった富士見小屋に着くと、建物は取り壊されて重機が片づけをしている。ダンプはこの作業を行うために来ていたのだ。ここは更地となり、どうなっていくのだろう?環境保護を大義名分にした観光施設、あるいはまさかとは思うが、電気バスの転回場所なんてことも考えるのかもしれない。ここで菓子パンを食べて休憩しようとベンチに座ると、すぐに単独行の男性が到着。しばし雑談して過ごした。 富士見小屋跡から富士見田代の池塘をみてから先に進む。すると最近できたばかりの木道に驚く。幅広くおまけにゴムマットが敷き詰められて滑らない工夫がされている。かつてここですってんころりと転がった経験があるだけにありがたいことだ。さらに木道は続きゴムマットの部分を過ぎても新しい木道は続いていた。ほどなくその新しい木道も終了し古い木道となる。このあたりから刈払い機の音が聞こえるようになり、その音に近づいてしまった。最後尾の人がホイッスルを吹き登山者が来たことを知らせる。こんな一人の登山者のために作業を中断させてしまうのは申し訳ないと、恐縮しながら通過させてもらった。 アヤメ平はすっかり草紅葉の原となり、秋模様となっていた。青空が広がっていれば池塘が青く見えるはずなのだがあいにくの空模様だ。アヤメ平を越えて横田代まで行くことにした。しかし、木道が滑るので閉口だ。まるで氷の上を歩いているようなものだ。こんなことを予想してチェーンスパイクを持ってきたのだが、車内に置き忘れてしまっていた。まあ、これも老化現象ということで諦めるしかない。
横田代からは目の前に至仏山が大きい。ここからはやはり紅葉の見事さは見ることはできなかった。ここで菓子パン休憩していると、静岡からやってきたご夫婦と一緒に話しながら時間を過ごした。もうこれ以上進む気はないので富士見小屋跡まで戻ることにする。
富士見小屋跡から白尾山に向かって歩くことにする。途中で富士見峠の道を分けて車道を進んでいく。実に歩きやすい道で何よりも人気がないものだから人が少ないのだ。20分ほどでアンテナ施設にたどり着く。かつてはマイクロ高台と言っていたつもりだが、最近は名称が変わったようだ。この施設の建設あるいは管理のための道を歩いてきたわけだ。ここでカップラーメンを作って大休憩だ。 ここから先は登山道となる。かつて荷鞍山に登った時に通過したわけなのだが全く記憶がない。なんの目的もなく歩いてみたかったのでこちらに来たが、あまり気分が乗らないために気合が入らない。とりあえず白尾山の標柱を確認して本日の山行はここまで。踵を返して富士見小屋跡まで戻り、富士見下までの林道を下った。
左足首をかばいながら歩いたものだから。余計なところが筋肉痛となってしまった。まあ、これだけ歩ければ良しとしよう。 「記録」 06:33富士見下--(2.15)--08:48富士見小屋跡08:59--(.19)--09:18アヤメ平--(.23)--09:41中原山--(.25)--10:06横田代10:20--(.57)--11:17富士見小屋跡--(.04)--11:21富士見峠--(.27)--11:48マイクロ高台12:29--(.27)--12:56白尾山--(.48)--13:44富士見小屋跡--(1.30)--15:14富士見下 群馬山岳移動通信/2022 |
この地図の作製に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50メッシュ(標高)を使用したものである。 (承認番号 平16総使、第652号) |